なぜ猫の目は暗闇で光るの?猫の「目」にまつわる5つのお話と、ケアのポイント

なぜ猫の目は暗闇で光るの?猫の「目」にまつわる5つのお話と、ケアのポイント

猫にはさまざまな魅力がありますが、その中の一つに「目」を挙げられるのではないでしょうか。丸くて大きくガラスのように美しい瞳は、とても印象的です。そして、暗闇の中で輝く2つの瞳。猫の目は魅力的であり、謎にも満ちています。構造としては人の目と非常によく似ている猫の目ですが、人とは異なる猫の目にまつわるお話をご紹介します。

同じようで違いがある人と猫の目

猫の目のクローズアップ

光の入口となる角膜、目に入る光の量を調節する虹彩、光を集めて像を作る水晶体、水晶体が作った像の形や色を電気信号に変換する網膜、網膜が変換した電気信号を脳へと伝える視神経と、基本的な目の構造や役割は、人も猫も同じです。

しかし細かい部分まで見ていくと、人と猫では目の構造や機能に違いのあることが分かります。それは、人が雑食性であり猫は肉食性の捕食者であることに起因しています。

今回は、人とは異なる猫の目にまつわるお話と、猫の目をケアする際のポイントをご紹介します。

1.猫の目が暗闇で光る理由

暗闇で光る猫の目

主に猫の獲物となるネズミなどの小動物は、夕方や明け方に活動します。必然的に、猫は薄暗がりの中で狩りを行うことになります。そのため、猫はわずかな光量しかない薄暗がりの中でも狩りができる目の構造を手に入れました。それがタペタムという薄い膜です。

人の目に取り込まれた光は網膜・脈絡膜・強膜の順に通過しますが、猫の目では網膜・タペタム・脈絡膜・強膜の順に光が通過します。そして網膜を通り抜けた光を、タペタムが反射して網膜に戻します。このため、猫は人の10分の1程度の光量でも物を識別できるのです。

暗闇で猫の目が光るのは、このタペタムが反射した光が見えているためなのです。

2.猫は色の識別が人より苦手

光の3原色

薄暗がりでも物がよく見える猫の網膜には、光の量を感じる桿体細胞がたくさんある代わりに、色を判断する錐体細胞の量がわずかしかなくなってしまいました。わずかな光量で物を識別できる代わりに、猫は人よりも色を識別することが苦手なのです。

光の3原色は赤・緑・青で、これらの色の組み合わせで人はさまざまな色を認識しています。ところが猫は、3原色のうちの赤を認識できません。そのため猫は、緑と青の組み合わせの色(青〜紫と緑〜黄色)しか認識できないと考えられています。

もっとも猫にとって、色覚は人ほどには重要ではありません。なぜなら、猫は完全肉食性のため、赤く熟した果実を食べる必要などないからです。猫の目は、徹底的に狩りを成功させるための構造になっているのだといえるでしょう。

3.猫の視力は近眼レベル

眼鏡をかけた猫

実は、猫の視力は人の視力の0.1〜0.2程度だといわれています。物を鮮明に識別できる距離は6m先程度までで解像度も低く、静止しているものはかすんで見えていると考えられています。よくテレビ画面の前に陣取っている猫を見かけますが、こうしないとテレビに映っている映像が見えないのかもしれません。

その代わり猫はとても優れた動体視力を持っており、秒間4mm程度のわずかな動きも見分けられるといわれています。これも、素早く動く獲物を捕まえるために必要な能力です。猫と遊ぶ場合は、目の前で猫じゃらしを素早く動かすと効果的です。

猫は動体視力が優れているため、人にはスムーズな動きに見えるテレビ映像がカクカクした動きに見えたり、人には点灯しているように見える蛍光灯の光が点滅しているように見えたりしているとも考えられています。

4.神秘的な猫の目の色

グリーンの瞳

目の色は、虹彩に沈着したメラニン色素によって決まります。しかし、生まれて間もない猫の目にはまだメラニン色素が沈着していません。そのため生まれて間もない子猫は、どの子も皆「キトンブルー」と呼ばれる美しい青い目をしています。

生後4〜5ヵ月齢頃から徐々にメラニン色素が沈着していくため、この頃から目の色が変化し始め、やがてその猫本来の目の色に変わります。

毛色が濃い猫の目は、カッパーやアンバーといわれるブラウン系の濃い色になり、毛色が薄い猫の目は、ブルーやグリーンになります。実は、ブルーやグリーンは色素の色ではありません。色のついていない空が青く見えるのと同じ様に、ブルーやグリーンといった散乱しやすい光を、少ないメラニン色素が吸収しきれないために現れる色なのです。

5.七変化する猫の瞳孔

明るいときの猫の瞳孔

タペタム以外にも、猫はわずかな光を最大限に活用するための構造を手に入れています。それは、縦長に細長く収縮する瞳孔です。

暗がりでは瞳孔がまんまるに大きく開き、大量の光を目の中に取り込みます。一方明るい場所では、瞳孔が縦線のように細くなり、ほとんど黒目が見えなくなります。こうすることで取り込む光量がごくわずかに絞り込まれ、網膜を強い光の刺激から守るのです。

まとめ

目が光る猫

ご紹介してきたように、細かい部分では人の目と猫の目には多くの違いが見られます。しかし、基本的な目の構造はほぼ同じです。そのため、かかりやすい目の病気も結膜炎や白内障など、人とよく似ています。

毎日のお手入れの際には、目ヤニや涙の量などに変化がないかなどをチェックし、ぬるま湯で濡らしたガーゼやコットンなどの柔らかい布で目や目の周囲を拭き取り、清潔に保つようにしましょう。

また前足で目をしきりに擦る、頻繁にまばたきをする、目が充血している、瞳が白く見えるなどの場合は、異物の混入や目の病気などの可能性も考えられます。気になる場合は動物病院に相談しましょう。

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