猫にとっての「理想の生活」とは?幸せを感じる5つのポイントと飼い主がしてあげられることをご紹介

猫にとっての「理想の生活」とは?幸せを感じる5つのポイントと飼い主がしてあげられることをご紹介

一昔前の猫たちは、自由に家の中と外を行き来して暮らしていました。しかし、外の世界は病気や事故などの危険が多く、今では外に出されずに室内だけで生活することが一般的になってきています。一見自由が奪われたように見える今の猫たちにとって、「理想の生活」で幸せを感じるポイントとは何か、飼い主がしてあげられることは何かを考えてみたいと思います。

猫にとっての「理想の生活」とは

マズローの5段階欲求説

アメリカの心理学者であるマズローによると、人間の欲求には「生理的欲求」「安全欲求」「社会的欲求」「承認の欲求」「自己実現の欲求」の5つの階層があり、下層の欲求が満たされていくとより上の層の欲求に移行していくのだそうです。

つまり、人間にとっての幸せのポイントは、最上層の自己実現の欲求が満たされることだといえます。

これに対して、猫も含めた動物の欲求には、「生理的欲求」「安全欲求」「行動欲求」という3つの階層があるといわれており、人間と同じように下の層の欲求が満たされていくと、より上の層の欲求に移行していくのだと考えられています。

「生理的欲求」とは食べる・飲む・眠る・体温を維持する・排泄するというような、生きていくために最低限必要な要素です。

「安全欲求」とは病気や怪我などから解放されるというような、安心して生きていくために必要な要素です。

そして「行動欲求」とは、探索する・追いかける・触れ合う・遊ぶ・交尾するというような、好奇心を満たしたり、より快適に暮らすために必要な要素です。

事故や病気のリスクが高い外には出さず、完全室内飼いが一般的となった現在の猫たちに、飼い主としてして提供できる「理想の生活」を考えるためには、「生理的欲求」と「安全欲求」を保証した上で「行動欲求」を叶えることがポイントだといえそうです。

これらを前提に、猫にとっての理想の生活や、飼い主としてしてあげられることを考えてみたいと思います。

猫にとっての「理想の生活」で猫が幸せを感じるポイント

家具で爪を研ぐ猫

ではここからは、猫にとっての「理想の生活」で猫が幸せを感じるポイントについて具体的に解説します。

1.「生理的欲求」が満たされる環境が整っていること

愛猫の健康状態やライフステージに合った栄養バランスとれた食事と新鮮な水が用意されたり、居心地の良い寝床で安心して眠れるのはもちろんのこと、猫にとっての快適な温湿度が維持された室内で過ごせ、きれいなトイレで排泄できること。

これらが満たされることで、猫にとっての「理想の生活」として幸せを提供できていると考えられます。

2.「安全欲求」が満たされる環境が整っていること

飼い主さんがどんなに安全な生活空間を提供していると考えても、肝心の愛猫が不安を感じてしまっては意味がありません。

猫にとっての「理想の生活」では、できる限り愛猫にとっての不安要素が排除されている、ということが大切です。

そして、必要な予防医療や健康管理を日常的に受けることが可能で、病気や怪我をした際には速やかに必要な獣医療により苦しみから速やかに解放させることが可能であることも必須のポイントです。

そして何より、愛猫が飼い主さんを母親のように信頼できることが重要です。

3.自らの意思で安全・安心・快適な場所に移動できる

棚や冷蔵庫の上が開放されていて、キャットタワーが設置されている等により、室内を立体的に利用できたり、今いる部屋が不快な場合は別の部屋にスムーズに移動出来たりなど、最も快適な場所に愛猫の意思で移動できることが大切です。

また不意の来客や突然の大きな音などで不安な時でも、静かに落ち着いて過ごせる隠れ家が必要です。

4.外に出られなくても刺激的な毎日を送れる

家の中にいながらにして、外の景色を見、音を聞き、ニオイを感じられる窓際があると理想的です。また知育玩具などを活用した給餌方法などで、日常的に頭を使うようなシーンを用意しましょう。

毎日飼い主さんと一緒に狩りごっこをして遊んだり、ご褒美を上手に利用して人間社会の中で暮らしていくためのルールや適切な行動、愛猫自身も楽しめるような芸のトレーニングを受けることも、愛猫にとってはとても良い刺激になります。

5.猫らしい行動を取れる

できるだけ広いトイレが十分な数だけ設置され、爪とぎをしても怒られないし飼い主さんも不機嫌にならない環境が整っているなど、愛猫がストレスなく猫らしい行動を取れるような環境を整えましょう。

また交尾ができない環境の場合、不妊・去勢手術を受けさせて不要なストレスから解放させるということも、愛猫にとっては大きなポイントになります。

愛猫の「理想の生活」のために飼い主がしてあげられること

猫の歯磨き

では、上記のような猫にとっての「理想の生活」のために、飼い主がしてあげられることにはどのようなことがあるのでしょうか。

生理的欲求を満たすための「規則的な生活」

猫は保守的な動物で、自分の縄張りの中でいつものルーティーンをベースとした生活をすることで安心して過ごせます。

飼い主さんには飼い主さんの生活があるでしょうが、愛猫が不安にならない程度に食事や起床・就寝時間を規則的にすることを心がけましょう。

人間にとって健康的な生活は、猫にとっても快適な生活になるのです。

安全欲求を満たすために「猫について学ぶ」

お住いの地域や生活スタイルに適した予防医療(ワクチン接種、害虫駆除、定期的な健康診断等)や自宅での衛生管理(爪切り、歯磨き、ブラッシング等)を行う必要があります。

しかし、これら全てが愛猫のストレスになることもあります。

ストレスを「楽しいこと・場所」に変えられるよう、猫の習性や学習の仕組みを学びましょう。

行動欲求を満たすための「快適な環境づくり」

人の社会の中で折り合いをつけながらも、猫が制約されずに猫らしい行動を取れるような環境作りには、飼い主さんの価値観を変えたりさまざまな工夫を取り入れたりすることが求められます。

例えば、どうしてもこの家具で爪とぎをしてほしくないと躍起になるよりも、この椅子は愛猫の爪とぎとして提供してしまおうといった決断もそのひとつです。

ご褒美を上手に取り入れたトレーニングで「やってほしい行動」や「やってほしくない行動」を教えるだけではなく、愛猫が猫らしく行動できる環境をできる範囲で作り出す工夫をしてあげることが、猫の「理想の生活」の最大のポイントかもしれません。

まとめ

気持ちよさそうに熟睡している猫

今回は、猫にとっての「理想の生活」において、猫が幸せを感じるポイントについて解説しました。

愛猫のためにいろいろと考え工夫していることが、本当に愛猫にとって幸せなのか、飼い主としては日々悩んでしまうところですよね。

これを確認ポイントは、愛猫がストレスを感じているかどうかを察知することでしょう。

「理想の生活」を送ることができていない猫のストレスサインを察知して、日々生活環境の改善に取り組んでいくことが大切です。

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