猫だって反省するんです!「ごめんなさい」をしているときの猫の仕草3選

猫だって反省するんです!「ごめんなさい」をしているときの猫の仕草3選

猫の解説文を読むと、「猫は反省しない」という説と「猫も反省する」という相反する説が存在しています。反省という言葉の意味を人間のそれと同じに捉えると、「猫は反省できない」という表現が合っているのかもしれません。人間社会におけるルールやモラルは、猫には理解できないからです。では、猫の反省とはどのようなものなのかを考えてみましょう。

猫って本当に反省するの?

反省しているように見える猫

「反省」という言葉を辞書で調べると、『自分の過去の行動を振り返って間違いがなかったかどうか、また間違っていた場合は同じ過ちを繰り返さないためにどうすればよいのかなどをよく考えること』という意味が書かれています。

人間は社会の中で秩序を保つために、さまざまなルールやモラルを作り、それらを守りながら暮らしています。そのため、自分の行動がそのルールやモラルから外れていた場合は「間違った行動をした」と罪悪感を覚えて反省します。

しかし人間社会のルールは、必ずしも猫の価値観とは一致していません。またモラルという概念も、おそらく猫にはないだろうと考えられています。

例えば、猫がキャビネット上の装飾品を次々に落としていったとします。人間は、装飾品を落とすのはモラルに反した行為なので「間違った行為」だと考え、「いたずらをして悪い子だ」となるわけですが、猫にはそのようなモラルはありません。

邪魔だったから、落ちる様子が楽しいから、落とすと飼い主さんが自分をかまってくれるからといったような理由で落としたのであって、飼い主さんを困らせてやろうと考えていたわけではないのです。そのため猫が罪悪感を覚えたり、自分の行動が間違っていたと反省することはないでしょう。

ただし、猫は全く反省をしないわけではありません。過去に経験した危険な出来事と同じ状況になることを避けようとし、自分にとって都合の悪い結果につながる行動もやめるようになります。これが猫にとっての「反省」に該当するといえるでしょう。

「ごめんなさい」をしているときの猫の仕草

あくびをする猫

前章で猫にとっての「反省」の意味が分かりましたが、それでは猫が反省して「ごめんなさい」をしているときの仕草にはどのようなものがあるのでしょうか。

1.目を逸らす

猫は、相手に敵意がないことを示すために、目を逸らして降参のサインを送ります。

飼い主さんが怒っているときに目を逸らしたら、飼い主さんの怒りや不快感を理解し、それを受け入れるのでもう勘弁してくださいという意味だと考えられます。

人間でいうと、自分より強い相手に絡まれたときに、自分に非はないと思っていても「ごめんなさい、許してください!」と謝ってその場を収めようとする心境と似ています。

2.あくびをする

猫は、失敗してしまったときに、気持ちを切り替えるためにあくびをすることがあります。失敗したことで受けたショックを切り替えると同時に、「こうするとうまくいかない」ということを学習しているかもしれません。これはまさに猫の反省の仕草だといえるでしょう。

飼い主さんに叱られているときにも、あくびをすることがあります。これは飼い主さんの怒りや不快感を理解した上で、それに耐えようと自分を落ち着かせるための仕草だと考えられています。

反抗的ではないというサインなので、反省の仕草だといわれることが多いですが、「大丈夫、落ち着け」と自分に言い聞かせる、あるいは理由も分からず「ごめんなさい、もう許して!」とその場を収めようとしている状態だといえるでしょう。

3.しきりにグルーミングを行う

猫は緊張したときに、自分の気持ちを落ち着けるためにグルーミングをすることがあります。

飼い主さんに叱られているときにグルーミングを始めた場合、あくびと同様に飼い主さんが発している怒りや不快感を必死に耐えようとしている、もしくはその場を収めようとしている気持ちが強いといえるでしょう。

猫にしてほしくないことを教えるための方法

爪とぎでぼろぼろになったソファ

一般的には、『猫にしつけはできない、もしくは難しい』というのが定説になっています。しかし、猫と人の考え方の違いを理解できれば、猫に「してほしくないこと」を教えることも可能です。

そのためには、まず猫に反省を求める気持ちは捨て去り、どうすればしてほしくないことをしなくなるかを考えることです。

この場合、アプローチ方法はふたつあります。

ひとつは、『したくてもできない環境を作る』のと同時に、『しても良い代替方法を用意する』ことです。そしてもうひとつは、『してほしくない行動をすると猫にとって都合の悪い状況になると学習させる』ことです。

前者の例として、猫が大切な家具で爪とぎをしてしまう場合を考えてみましょう。

その家具を撤去するのが最速の解決策です。しかしそうもいかない場合は、家具に爪とぎ防止用のフィルムを貼るなどの対策を図り、そのすぐ近くに猫が好むタイプの爪とぎ器を設置してください。そして猫が爪とぎ器を使ったらすぐに褒める、ということを繰り返しましょう。

後者の例として、猫が飼い主さんにかまってほしくてキャビネット上の装飾品を落としてしまう場合を考えてみましょう。

猫が装飾品を落としても、騒ぎ立てずに黙々と片付けをし、猫に対して「無視」してください。何度も繰り返すことで、猫は「こんなことをしてもかまってもらえない」と学習します。

まとめ

窓辺で毛づくろいをする猫

飼い主さんにとっては「いたずら」に見える行為でも、猫にとってはいたずらのつもりがありません。猫には「誰かを困らせてやろう」とか「誰かを出し抜きたい」といった気持ちはないと考えられています。また、人間社会のルールやモラルも、猫には無縁なものです。

そのため、猫には善悪を判断したり罪悪感を覚えるといったことはなく、私たち人間と同じ意味での反省は行わないでしょう。しかし猫も、自分が生き抜いていくためには「失敗を繰り返さない」ための学習を行います。これが、猫にとっての反省に該当すると考えられます。

この猫の反省を根気よく上手に利用することで、猫に「してほしくない」ことを教えることができます。

悩んでいる愛猫の行動があるのなら、どうすれば反省してもらえるかを考えることで、うまくしつけることができるはずです。是非チャレンジしてみてください。

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