猫へのしつけは『霧吹き』が効果的?3つの理由と重要なポイントとは

猫へのしつけは『霧吹き』が効果的?3つの理由と重要なポイントとは

愛猫は目に入れても痛くないほどかわいいものです。しかし、一緒に暮らしていくには、どうしてもしてほしくないこともあるでしょう。それを愛猫に伝えるためには、しつけが必要になることもあります。猫に対するしつけは難しいといわれています。そこで今回は、、「霧吹き」を使ったしつけが効果的だといわれている理由や重要なポイントなどをご紹介します。

猫へのしつけにおいて注意すべきこととは

ぼろぼろなソファで寛ぐ猫

もし愛猫に「△△はしてほしくない」とか「〇〇を嫌がらずにしてほしい」と考えているのであれば、猫が自分の行動を決める時の判断基準を理解することから始めましょう。猫の判断基準は、「危険か安全か」や「損か得か」です。

どうしても「してほしくない」ことができない環境を作れない場合は、愛猫がその行動をする直前またはした直後に、愛猫が嫌がる天罰を下します。それを何度か繰り返すことで、「△△をすると嫌なことが起きる」と学習し、しなくなります。

「してほしい」ことを嫌がらずにしてもらうためには、した直後に愛猫が喜ぶようなご褒美をあげます。何度か繰り返すことで、「〇〇をすると嬉しいことが起きる」と学習し、嫌がらずにするようになります。

大切なのは、天罰やご褒美のタイミングと基準の一貫性です。猫はほんの数秒前の行動でも、天罰やご褒美と関連付けられません。そのため、行動のジャストタイミングで与えるのです。

そして、天罰が下ったりご褒美がもらえる基準がぶれずにいつでも変わらないからこそ、学習できるのです。なお、愛猫の心身に大きなダメージを与えるような天罰は与えないということも大切です。

「霧吹き」を使ったしつけが効果的な理由

猫に水を吹き付ける男性

猫へのしつけの注意点を踏まえた上で、次に「霧吹き」を使ったしつけについて具体的に考察していきましょう。

飼い主さんによっては猫へのしつけに「霧吹き」を使ったことがない方もいるかもしれませんので、まずはそのやり方について説明しましょう。

例えば、食事中は食卓に上がらせたくないという場合、愛猫が食卓の下で飛び乗ろうと身構えた瞬間もしくは飛び乗った直後に、気付かれないように霧吹きで水を吹きかけます。猫は体が濡れることを非常に嫌うため、何度か繰り返すと食事中の食卓には上がらなくなるでしょう。

ただし、天罰を下しているのが飼い主さんだと気付かれないことが大切です。もし気付かれてしまうと、飼い主さんを警戒し、近寄らなくなってしまうこともあるからです。

またこの場合は、直接愛猫の体に吹き付けるのではなく、卓上に吹き付けて濡らしておくというのも良いでしょう。これなら、飼い主さんが天罰を下していることに気付きづらいかもしれません。

ではここからは、「霧吹き」を使うことで猫へのしつけの効果が上がる理由について解説します。

1.動機付けができる

本当は天罰など下さなくても、猫ができないような環境にすることが最善策です。しかしそれができない場合は、「これは危険だ」「これをすると嫌なことが起きる」とその行動を止めさせる動機付けが必要です。

猫の祖先であるリビアヤマネコは昼夜の寒暖差が激しい砂漠地帯で暮らしていたため、濡れたまま夜を迎えると凍死する危険がありました。そのため、現代でも『濡れるのを本能的に嫌う猫が多い』といわれています。体を濡らす霧吹きは、猫の行動を抑止させる動機に十分なり得るのです。

2.身体ダメージが少ない

水を入れた霧吹きを常に身近に置いておき、必要に応じてすぐに取り出せるようにするのは、正直手間です。そんなことをしなくても、怒鳴りつけたり叩いたりすればよいではないかと考える飼い主さんもおられるかもしれません。

しかし、怒鳴ったり叩いたりといった体罰は、愛猫の心身に与えるダメージが大きく、また飼い主さんも感情的になりやすいという問題があります。感情的になり、怒鳴り続けたり怪我をさせたりする危険のない霧吹きが、天罰の許容範囲ではないでしょうか。

3.飼い主さんの仕業だとバレにくい

体罰だと飼い主さんが行っていることがすぐに分かります。そのため飼い主さんへの警戒心を高めてしまい、信頼も失ってしまうという結果を引き起こしかねません。

その点霧吹きなら、飼い主さんの仕業だとバレにくいでしょう。

「霧吹き」を使ったしつけで重要なポイント

ご褒美でおやつをもらう猫

ではここからは、霧吹きを使ったしつけで重要なポイントについて解説します。

飼い主さんが行っていることを悟らせない

今回ご紹介した「霧吹き」のような天罰方式のしつけを行う場合、天罰を下しているのが飼い主さんだということを悟らせないことが重要なポイントです。

いくらバレにくいといっても、使い方によってはバレてしまいますので、くれぐれも注意しましょう。

安易に天罰を使わない

天罰など与えなくても特定の行動をしなくなるように誘導できれば、それが一番良いでしょう。

そのためには、猫がしたくてもできないような環境を作るとか、その行動よりもっと猫がしたがるような行動を教えられれば、それに越したことはありません。

天罰方式でしつける前に、傷つけられたくない家具は猫が入れない部屋に置く、しょっちゅう爪研ぎされる家具のすぐ近くに爪とぎ器を設置し、それを使ったらご褒美をあげるといったような方法を試してみてください。それでもうまくいかない場合の最終手段として、霧吹きを使ってみてください。

大切なのは「できない」環境づくり

ガス台にてをかける猫

目に入れても痛くないほどかわいい愛猫でも、してほしくないことはあるものです。例えば、お気に入りの椅子で爪とぎをしてほしくない、カーテンによじ登らないでほしい、などです。

人間社会にはたくさんのルールがあり、物事には善悪があってして良いことと悪いことがあるのが常識です。しかし猫には、この常識は通用しません。猫に人間社会のルールは理解できず、善悪の認識がないからです。

猫は「危険か安全か」や「損か得か」といった、生存のための本能的な判断基準で自分の行動を決めます。人間の理屈は通用しないのです。

そこで大切になるのは、「してほしくないことができない環境づくり」です。してほしくないことをした愛猫を叱りつけるよりも、叱りつけたくなるようなシーンが起きない方が、愛猫にも飼い主さんにも、ストレスの少ない生活になるはずです。

まとめ

霧吹きと猫

猫が「したがる理由」や「嫌がる理由」を理解することで、愛猫に自発的に「させない」ようにしたり「嫌がらない」ようにしたりできるはずです。

最優先は、愛猫の意思で「しない」「する」ように誘導することです。そのための環境づくりや、ご褒美による好ましい行動への誘導を、まずは行いましょう。なお「この家具は愛猫の爪とぎ器だ」と諦めることも、解決策の一つです。

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