気付くと愛猫の視線が…
自宅でひとりで過ごしているにも関わらず、なんとなくじーっと見つめられているような視線を感じ、振り返ってみたら物陰から愛猫が覗き見るように飼い主を見つめていた…。そのような経験は、猫飼いさんあるあるの一つではないでしょうか。
猫は、飼い主に対して非常に愛情深い動物ですが、必要以上にベタベタすることはありません。そのためか、普段は飼い主と付かず離れずといった距離を保ち、覗き見をするように見つめていることが多いのです。その姿は、さながら某サスペンスドラマの家政婦のようです。
猫が飼い主を「覗き見」する理由
では、なぜ猫は飼い主を「覗き見」するのでしょうか。
1.特に意味はない
猫が大好きで、何か意味があるから見つめているに違いない、または深い愛情表現なのではないか…と期待されている方には申し訳ありませんが、猫が飼い主をじっと見つめていても、そこに特に意味はない場合も多いようです。
特に見たいものがあるわけではないので、なんとなく飼い主を見ていたというわけです。
ただし、猫は苦手なものや嫌いなものをじっと見つめることはないといわれていますので、「少なくとも嫌われているわけではない」と考えても良さそうです。
2.ちょっとした意思表示
猫が少し離れたところから覗き見るように飼い主を見つめている場合、ちょっとした意思表示の意味があることがあります。飼い主に気付いてもらい、叶えてほしい要求があるものの、その度合はさほど高くない場合です。
死にそうなほどお腹が空いているわけではないし、一緒に遊んでほしくてたまらないというほどではないものの、おやつがもらえたり遊んでもらえたりしたら嬉しいというような、少々控えめな要求があるのかもしれません。
3.飼い主さんの行動が気になる
猫は犬とは異なり、比較的自由に自分のしたいことをしながら暮らしているイメージがあります。それでも、食事やおもちゃを使った狩りごっこなどは、飼い主が相手をしてくれなければできません。
そのため、猫は常に飼い主の行動が気になっているといっても過言ではないでしょう。そのため、何となくいつも飼い主の行動を見てしまう、という面もあるようです。
覗き見されたときの応え方
こちらでは、猫にじっと覗き見されたときの応え方についてご紹介します。
まずは、愛猫の目をじっと見つめ返さないことが大切です。
猫同士の場合、相手の目をじっと見つめるということには、「戦闘態勢に入っているぞ」という意味があります。飼い主が猫の目を見つめたからといってすぐに襲いかかってくることはないでしょうが、猫を不安な気持ちにさせる可能性がありますのでやめておきましょう。
逆に、相手の目を見ながらまばたきをする、目を細めるという行動は、親猫と子猫の愛情交換のサインです。飼い主が猫の視線に気付いて目があった時に目を細めてくれた場合は、飼い主のことを信頼しているサイン。飼い主もゆっくりとまばたきを返してあげましょう。
「覗き見」スタイルは猫の習性が原因？！
猫が飼い主を覗き見する理由が分かりましたが、さらに浮かぶ疑問は、『なぜ覗き見スタイルなのか』ということでしょう。飼い主との間には十分な信頼関係が築かれているわけですから、コソコソと物陰から覗き見る必要性が分からないという意見も多いはずです。
実はこの覗き見スタイル、『猫の習性からくる行動』だといわれています。猫と言えば、誰もが認める名ハンターです。得意なのは、草むらや岩陰などに隠れて獲物を待ち伏せる狩りスタイルです。また、本来猫はとても警戒心が強いということも関係しているでしょう。
つまり、見通しが良くて隠れられるような物がない場所は、猫にとってとても居心地の悪い、不安な場所なのです。
したがって、猫が覗き見をするように飼い主さんを見つめていても、そこには特に気付かれたくないといったような意図はないと考えて良いでしょう。強いて言えば、「特に強く訴えたいことがあるわけではない」場合に、覗き見スタイルになるのだと思えば良いようです。
まとめ
猫は言葉を話せませないため、行動や鳴き声で自分の意思を示します。
特に強い要求がある場合は、飼い主に分かりやすいように鳴き声を上げることが多いです。もし、覗き見のようにじっと見つめているだけであれば、あまり深い要求があるわけではありません。
しかし、このような日常的な猫とのコミュニケーションが、お互いの良い関係性の構築に役立ちます。
猫からの控えめな要求で覗き見していても、できるだけ応えてあげて、特に意味がないようなら優しく見守ってあげるようにしましょう。