ひとり暮らしでも猫との生活は十分楽しめます
猫の飼育頭数が犬の飼育頭数を上回ったという事実がニュースになって以来、すっかりその状況が定着しているほどの猫ブームになっています。
しかし、猫好きなら誰でも猫と一緒に暮らせるというわけではありません。猫との暮らしを諦めている方の中には、その理由が「ひとり暮らしだから」という方も多いようです。しかしひとり暮らしは、猫との暮らしを諦める理由にはなり得ません。
ひとり暮らしで部屋が狭い、1日のほとんどを外で過ごしている、仕事の関係で泊りがけの出張に行くことがあるなど、ひとり暮らしだと「猫と一緒に暮らすことが難しい」と感じてしまう要素はたくさんあります。
実は、ひとり暮らしだからこそ、人も猫も、今よりもっと豊かな生活が送れるようになることもあるのです。
ひとり暮らしで猫と一緒に暮らすときの注意点
これからひとり暮らしで猫と一緒に暮らしたいと考えている方に、ひとり暮らしならではの注意点をご紹介します。
1.猫に快適な居住空間を作る
ひとり暮らしの方は、部屋がワンルームであったり、部屋数はあっても狭かったりすることが多いと思います。そのため、猫を狭い部屋に閉じ込めてしまうのはかわいそうだという理由で、猫との暮らしを諦めている方も少なくないようです。
しかし、猫は空間を立体的に利用するため、部屋の狭さはあまり問題にはなりません。
どんなに狭い部屋でも、冷蔵庫や戸棚などの家具があるはずです。そのような高さのある家具の上を猫に開放することで、猫は空間を立体的に使い、快適に暮らすことができるのです。
2.脱走対策をする
ひとり暮らしの場合、在宅時でも常に愛猫の様子を気にし続けるということは難しいです。そのため、ちょっと目を離した隙に網戸を破いたり、開けた玄関の隙間から外に出てしまうという事故を防ぐのが、難しいと感じているかもしれません。
しかし、ペットショップやホームセンターなどに行けば、猫の脱走防止用の柵や扉、またはそれらを自作するためのキットなどを簡単に入手できます。
きちんと対策を施しておけば、ひとり暮らしが猫の脱走を防げない理由にはなりません。
3.社会化トレーニングをする
飼い主さん一人と猫一匹だけの暮らしだと、どうしても飼い主さんと愛猫との関係性が深く濃くなりすぎてしまいがちです。その結果、見知らぬ人や普段とは異なる刺激に対する耐性が低くなりすぎて、ちょっとしたことで大きなストレスを受けるようになることがあります。
しかし、飼い主さんが積極的に友人をご自宅に招く、定期的に動物病院で愛猫の健康チェックを受ける、カート等で愛猫を連れ出してご近所を散歩する等、積極的に愛猫にさまざまな経験をさせることで、いろいろな刺激に対する愛猫の耐性を高めることができます。
4.給餌方法に気を付ける
1日のほとんどを外で過ごす飼い主さんの場合、愛猫への食事の与え方が難しいと考える方もいらっしゃるでしょう。
『置き餌は猫が肥満になりやすいのでよくない』と主張される方もおられますが、1日の食事量をきちんと計算して置き餌をすれば、決して肥満になってしまうことはありません。
筆者の場合は、朝に缶詰とドライフードを出し、缶詰だけ片付けて出勤し、夜に缶詰を改めて出すという形にして、総カロリー量がオーバーしないようにコントロールしています。夜の缶詰を片付ける際に食べ残していたドライフードも片付け、食事のメリハリも付けています。
5.長期不在時の対策を決めておく
ひとり暮らしで最も困るのが、泊りがけで出かけなければならない場合です。トイレと食事、そして飲み水の準備をしっかりと整えておけば、1泊2日の出張は猫だけの留守番でも大丈夫でしょう。
しかしもし泊りがけ日程がそれ以上となる場合は、トイレ掃除や食事、水の交換、猫のチェックを頼める人を探す必要があります。
ペットホテルも良いですが、できれば愛猫が安心して過ごせる自宅で留守番ができるよう、愛猫が慣れている友人または信頼できるペットシッターをみつけておくことが大切です。1泊2日の場合も、その方にお願いをして様子を見てもらえると、より安心できます。
こんなことにも注意しておきましょう
特にひとり暮らしだからという側面はありませんが、これから猫と一緒に暮らそうと考えておられるのであれば、下記のようなことも事前に調べておくと良いでしょう。
- 通える範囲にある評判の良い動物病院を探しておく
- 夜間や休日も対応してくれる救急動物病院を探しておく
- 近くにペット用品を購入できるショップを探しておく
- 避難所の場所や、居住自治体のペットの避難方針等を確認しておく
愛猫を迎えてから慌てて調べるよりも、いざというときのことも想定して、愛猫を迎える前にいろいろと準備しておけば、心に余裕を持って愛猫を迎えられるようになるでしょう。
まとめ
ひとり暮らしの方は、大好きな猫と一緒に暮らしたいけれども、ひとりだけでは愛猫の面倒をしっかり見られるかどうか分からずに不安であるといったことから、猫との暮らしを諦めてしまいがちです。
しかし、本当に猫を愛しているのであれば、必ずなんとかなるように工夫をしたりご自身の行動を変えたりできるものです。だからこそ、愛猫にもより深く寄り添えるのかもしれません。
知恵と工夫と愛猫への愛で、ひとり暮らしの問題をぜひ乗り越えてください。