愛猫と飼い主の双方にメリットの多い「スキンシップ」
猫は、生後2〜9週齢までの社会化期や、その後の生後14週齢までの期間に他者とのコミュニケーションの図り方を学ぶことが分かっています。そのため、この時期の子猫とは、1日15分以上の良質なスキンシップを図ることが推奨されています。
もちろんその後の継続的なスキンシップも大切で、お互いの信頼関係を深めることができます。
科学的にも、飼い主さんと愛猫とのスキンシップはお互いの幸せホルモン(オキシトシン)の分泌を促進し、母子間のような愛情を育むことが分かっています。
さらに愛猫の全身を毎日触ることで、身体の異変にもいち早く気付くことができ、早期の対処も可能になります。
このように愛猫とのスキンシップは、愛猫にとっても飼い主さんにとっても、メリットの多い行為だと言えます。
猫が大喜びする最高の「スキンシップ」方法
ではここからは、猫が大喜びする最高のスキンシップの方法をご紹介します。
1.あごの下を掻くように撫でる
あごの下は、撫でられると猫が喜ぶ部位の一つです。ここにはニオイの強い皮脂を分泌する臭腺があってむず痒くなりやすいため、指先を少し立てて掻くように撫でると、うっとりする子が多いです。
撫で方の基本は「毛並みに沿って」なのですが、この部位に限っては掻くように指を往復させると、喜んでもらえることが多いようです。
2.顔周りを指の腹で優しく撫でたり揉んだり
顔にも臭腺が集まっているため、気持ちよく撫でられてくれる子が多いです。
口の脇にあるひげの付け根から耳の付け根に向かう頬の部分は、指の腹を使ってゆっくりと、そして優しく撫であげましょう。
耳の付け根も猫が喜ぶポイントです。耳の裏側の付け根の部分を優しく揉むように撫でましょう。額の部分にも臭腺があり、よく自分から家具や飼い主さんの体にこすりつけてくる部位です。
また、両目の間から額の上に向けて、指の腹で撫でるとうっとりする子が多いです。
3.肩と首周りを押すようにマッサージ
肩と首周りは重い頭を支えていることもあり、人間と同じように凝りやすい部位です。そのため、指先で押すようにしてマッサージをすると喜ばれます。
マッサージの範囲は、肩甲骨の間から腕の付け根までで、順に指先で軽く押していきましょう。ただし、力の入れすぎには気をつけてください。
4.背中は手のひら全体でやさしく
背中を撫でる時は、頭の上からしっぽの付け根に向かい、毛並みに沿って優しく撫でると喜ばれます。
指先ではなく、手のひら全体を使いましょう。この時、毛並みに逆らうと非常に嫌がられますので、気をつけましょう。
5.しっぽの付け根はリズミカルに叩く
しっぽの付け根の腰の部分は、猫によって好みが大きく分かれるところです。
喜ぶ子はお尻を高くあげてうっとりしますが、嫌がる子も多いです。様子を見て、愛猫の好みを判断しましょう。
しっぽのつけ根を触って喜ぶ猫の場合は、軽い力加減でリズミカルにトントントンと叩くと効果的です。
愛猫との「スキンシップ」に無理強いは禁物
愛猫とスキンシップを図る時に、気をつけなければならないポイントがあります。それは以下の2点です。
- 嫌がる部位は撫でない
- 嫌がるタイミングではしない
愛猫とのスキンシップで撫でるのは、愛猫が喜ぶ部位にしましょう。
猫によって喜ぶ部位や嫌がる部位が異なります。撫で方の好みも猫によってさまざまです。様々な部位でのスキンシップを試しながら、徐々に愛猫が喜ぶ部位や撫で方を見つけてください。
また、スキンシップのタイミングも、飼い主さんの都合や気分ではなく、愛猫のタイミングを優先することが大切です。食事中、睡眠中、排泄中などは構わずあえてそっとしておきましょう。
ベストなタイミングは、愛猫が自ら飼い主さんに近づいてきて、甘えたそうな素振りを見せたときです。
猫は、気持ちよさそうに撫でられていても、限界点を超えてしまうと急に不機嫌になり、攻撃的な行動に転ずることがあります。しっぽを激しく振る、イカ耳になる、唸るなどのストレスサインを察知し、止めるタイミングを見逃さないことも重要です。
愛猫とのスキンシップでは、撫でる部位もタイミングも「猫ファースト」が重要なのです。
まとめ
今回は、猫が大喜びする最高の『スキンシップ』方法についてご紹介しました。
まだ慣れていない時に無理やりスキンシップを図ろうとすると、お互いの関係構築の障壁になってしまいます。
無理強いせず、愛猫の気持ちを優先して優しく少しずつ慣らしていきましょう。お互いが幸せになれる最高のスキンシップをみつけてください。