飼い主さんが知らない猫の世界がある?!
最近はオンラインを利用して在宅でできる仕事や勉強も増えてきましたが、まだ多くの方々は昼間出勤や通学で不在となる生活スタイルが多いのではないでしょうか。薄明薄暮性で夕方や明け方に活動的になる猫にとって、昼間の留守番はちょうどよいお昼寝時となっていることでしょう。
では、ご家族が寝静まった夜中はどうでしょうか。いわゆる夜間は昼間と似たりよったりの活動量かもしれませんが、人間にとってはまだ深夜である明け方は、猫にとって最も活動的になる時間帯です。
中には、飼い主さんと一緒に布団に入り、一緒に起きだす愛猫の姿を見て、(夜中はずっと自分と一緒に眠っているのだ)と思っている飼い主さんもおられるかもしれません。さて、実態はどうなのでしょうか。今回は、夜中の猫たちの行動を覗いてみましょう。
猫の『深夜』にしがちな行動
ここからは、猫が深夜にしがちな行動について解説します。
1.室内の見回り
猫は、常に自分の縄張り内の安全確認を怠りません。それは、夜中でも同じことです。
人間の生活サイクルに合わせて、昼間活動し夜寝るようにしている猫も、人間のように一度にまとめて眠るということはあまりしません。うつらうつらと寝たり起きたりを繰り返しながら、目が覚めると家中のアチラコチラを見回って歩き回ります。
2.窓から外を監視
猫の縄張りの監視は、実は室内だけではありません。
愛猫のために、ぜひ外の様子をゆっくりと観察できる窓辺を用意してあげてください。昼間の留守番時や夜間に、窓辺からじっくりと外の様子を監視するはずです。
窓ガラスを通して伝わってくるかすかな音やニオイ、動物たちの気配や風のざわめきは、猫にはまるで映画のように刺激的なのです。
3.うたた寝
昼間と同様に、夜の猫もうたた寝している時間が多いでしょう。うたた寝しては室内を見回り、またうたた寝しては窓から外を監視し、という風に過ごしています。
4.遊ぶ
ようやく夜が明け始める薄暗がりの中、猫の目は爛々と輝き最も活動的な時間帯を迎えます。そして、なにかおもちゃになるような物をみつけて遊び始めます。ちょうど、野生の猫たちが獲物となるネズミなどの小動物を狩り始める時間なのです。
片付け忘れていた愛猫のおもちゃをみつけ、それで遊ぶこともあるでしょう。たとえおもちゃがなくても、布団やクッション、カーテンなど、目についた物は何でもおもちゃにしてしまうことができます。カーテンを駆け上ったり、咥えたものを投げ飛ばしたりと、結構激しく遊ぶはずです。
若くて元気な猫の場合、ものすごい勢いで部屋の中を走り回ることもあります。床の上を走り回るだけではなく、壁や棚の上など、部屋を立体的にフル活用して走り回るため、勢い余って眠っている飼い主さんのお腹の上にダイブすることもあるでしょう。これが、一般的に「夜の大運動会」と呼ばれている行動です。
5.飼い主さんを起こす
猫にとっては、ぐっすりと長時間眠り続ける人間が不思議なのかもしれません。猫たちは、熟睡している飼い主さんの様子を観察しに、時々寝室を訪れます。冬の寒い時期は、暖かくて居心地の良い布団の中で一緒にうとうとすることもあります。
しかし最もよく見かけるのは、飼い主さんの胸やお腹の上に座り、じっと顔や静かに上下する胸を観察している猫の姿です。決して座り心地の良い場所ではないはずなのですが、かなり長時間様子をうかがっています。
特に明け方の遊びが終わり、お腹が空くとやってきてはじっと観察します。そして目を覚ましそうな気配を察知すると、あの手この手で起こそうとします。
我が家の場合は、鼻の穴の縁に爪を引っ掛けてピンっと弾くというのが定番でした。おそらく、それが最も効果的に私を起こす方法だということをみつけたのでしょう。
安全対策は万全に
昼間の留守番とは異なり、夜はご家族が家にいるため、つい安全対策を怠ってしまうことがあるかもしれません。しかし夜間は、ご家族が在宅していても熟睡しているため、危険なことに変わりありません。しかも、猫が最も活動的になる時間帯が含まれているのです。
特に晩酌をする習慣のある飼い主さんは、気をつけてください。片付け忘れたおもちゃが床に転がっていると、愛猫が明け方の激しい遊びで壊してしまい、誤飲してしまうかもしれません。
また、枕元で充電中のスマホの電源コードをいたずらして、感電してしまうかもしれません。さらには飼い主さんの布団の中に潜り込み、ピッタリと寄り添って寝ている上に寝返りを打ち、ケガをさせるかもしれません。ご自身の寝相も含めて、夜の安全対策も、万全にしておきましょう。
なお明け方の大運動会は、成長とともに落ち着いていくはずです。しかしあまりにも激しくて耐えられないという場合は、飼い主さんが就寝される前に、愛猫と一緒にたっぷりと遊ぶ時間を作ることで、愛猫にもぐっすりと眠ってもらうことができるでしょう。
まとめ
昼間の留守番時よりも、ご家族が寝静まっている夜間の方が、猫がより活発に動き回っている可能性があります。それは、猫にとって本能的に活動的になる明け方という時間帯が含まれているからです。
ただし、基本的にはうつらうつらしながら室内や窓の外を監視するというのが、基本的な過ごし方です。少しでも愛猫に刺激的な過ごし方をさせてあげるためにも、ぜひ見晴らしの良い窓辺をいくつか用意し、愛猫のための場所として解放してあげましょう。
そして、夜間も安全対策をしっかり行った上で就寝するように習慣づけてください。