猫の『冬の留守番』で注意すること4つ!対策と併せて解説

猫の『冬の留守番』で注意すること4つ!対策と併せて解説

地域により温度差や降雪量の違いなどがあるものの、「冬は寒くて空気が乾燥する」というのが日本の冬の特徴です。人間と同じように、猫にとっても寒さや乾燥は体調に良い環境とはいえず、必ず寒さや乾燥に対する対策が必要になります。そこで、猫だけで留守番をさせなければならない時の、冬特有の注意事項をご紹介します。

寒さが猫に与える影響

雪の中で寒そうに座る猫

日本の冬の特徴は、「寒さ」と「乾燥」です。寒くて空気が乾燥している環境は、実はウイルスにとってはとても快適です。そのためウイルスが非常に活発になり、人も動物もウイルスへの感染リスクが高まる季節でもあります。

空気が乾燥すると皮膚の表面を覆っていた皮脂がダメージを受け、体内の水分が蒸発しやすくなります。すると皮膚の構造が崩れ、さらに体内の水分が蒸発しやすくなるというように、負のスパイラルに陥ります。このように、動物たちが自らを守る防衛力も弱まっていくのです。

猫の祖先であるリビアヤマネコは、非常に暑くて乾燥した砂漠地帯などに生息していました。そのため、乾燥には強そうに思えても、寒さ対策が必要なのはご理解いただけるでしょう。

さらに、活発なウイルスの感染リスクを下げるためには、乾燥に強そうな猫に対しても乾燥対策は欠かせないのです。

猫の冬の留守番で注意すること

冬の窓際で雪景色を見つめる子猫

留守番中は、ご家族が愛猫の様子を確認したり、万が一の場合に迅速に対処することができません。そのため、前述の「寒さ」や「乾燥」に対する対策に伴い、冬特有の注意が必要になります。

1.低温やけど

冬に寒さ対策は欠かせません。それは猫だけで過ごす留守番中でも同じです。しかし、使用する暖房器具によっては愛猫に低温やけどを負わせてしまうことがありますので、注意が必要です。

低温やけどとは、体温よりも少し高い温度に長時間接触していた部位の皮膚の深部がダメージを受けるやけどです。ダメージを受ける部位が深い部分なので、治癒するために時間を要し、愛猫につらい思いをさせることになります。

留守番時には、温度が一定以上に上がらないよう制御されているペット専用の暖房器具や、湯たんぽ・カイロなどの高温状態が徐々に低下していくもの、フカフカで全身を包める形状の猫用ベッド、毛布・ブランケットなどを活用した防寒対策を採用しましょう。

2.感電・火事・停電などの事故

ストーブなどの高温になる暖房器具は、火傷リスクだけではなく火事のリスクもあるため、たとえ柵で周囲を囲ったとしても、留守番中のご使用はおすすめできません。

電気を使う暖房器具は、猫が電源コードをかじってしまって感電するリスクを高めます。留守番中は使用せず、コンセントを抜いておくか、市販の電源コードやコンセントのカバーを利用して感電事故を防ぎましょう。

エアコンも含め、電気製品は突然の停電により運転が停止してしまうことがあります。エアコンをつけっぱなしにしてあるからといっても安心できません。必ず、冬用の猫専用ベッドや毛布を用意するなど、電気を使わず猫の体温を活用して暖を取れる対策も併用してください。

3.乾燥

加湿器と猫

エアコンも含めて暖房器具を使用すると、室内の湿度はどんどん下がっていきます。暖房器具を付けたまま留守番をさせる場合は、加湿器などの乾燥対策もそのまま継続してください。

なお湿度を上げる方法は、加湿器だけとは限りません。シンクの洗い桶に水を溜めておく、室内に湿ったタオルや雑巾、洗濯物を干しておくといった方法も有効なので、試してみてください。ただし、水を張った洗い桶に猫が入ってしまわないような対策も忘れないでください。

4.水分補給

もともと猫の体は少ない飲水にも耐えられるようにできています。しかしそれは、腎臓などの泌尿器系臓器に負担をかけているということです。そのため、水を飲まなくなる寒い冬は、いつも以上に水分補給に気をつけないと、泌尿器系の病気にかかりやすくなります。

いつでも新鮮な水が飲めるようにウオーターボウルを複数箇所に置いたり、中の水を少しぬるい水にするといった工夫をしましょう。また、流れる水を飲みたがる猫には、環流式の給水器を使用してみるのも良いでしょう。

猫の寒さ対策の考え方

丸まって寝る猫

猫にとっての適温は、品種や育ってきた環境、年齢、健康状態によっても異なります。そのため、文献によっても異なった温度が記載されていますが、最大公約数をとるとだいたい21〜28℃の範囲だと言えそうです。

ただし、一般的には22〜23℃あたりで寒がる猫が増えてくるようです。また生後2ヵ月未満の子猫は25〜28℃が目安、生後6ヵ月未満の子猫や老猫の場合は22〜24℃が下限温度と考えると良さそうです。健康な成猫でも、21℃を下回ると体温維持が困難になるといわれています。

同時に気をつけたいのが、湿度管理です。湿度に関しては、年齢や健康状態などに関わらず50〜60%が理想範囲だといわれています。いずれにしても、室内には温湿度計を設置して具体的な温度や湿度を数値で確認できるようにしておきましょう。

ただし、最適温度は個体により異なるため、数値を把握するとともに、猫の様子をしっかりと観察して調整することが大切です。

なお、愛猫に下記の様子が見られる場合は寒さのサインですので、室内の温度を少し高めに調整しましょう。

  • 体を丸めて寝ている
  • 毛布などに潜って出てこない
  • 毛を膨らませている
  • 飲水量が減る
  • 積極的に暖かい場所にいたがる

まとめ

暖炉の前で暖をとる猫

暖かい空気は上の方に溜まり、床面には冷たい空気が溜まります。猫は上下も含めて自由に移動し、家中で最も居心地の良い場所を選ぶ能力に長けています。

そのため、「寒さ対策」ばかりに気を使うのではなく、暑すぎた時に避難できる場所も用意し、留守番中でも愛猫が自分の居場所を自由に選べるようにしておくことが大切です。

留守番中も、愛猫が安心して快適に過ごせる環境を作るように、いろいろと工夫してみましょう。

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