猫と仲良くなるために
猫をお家に迎えて暫く経つのに、「猫が一向になついてくれない」と悩んでおられる方はいらっしゃいませんか。もしかすると、知らず知らずのうちに猫が嫌がることをしてしまっているのかもしれません。
猫の感覚は人と異なっており、音やニオイにとても敏感です。私達には何でもない刺激でも、猫にはストレスかもしれません。また私達にはとても心地良い環境でも、猫には居心地が悪いのかもしれません。
愛猫と仲良くなり信頼されるためには、愛猫がイヤだと感じている原因を排除しなければなりません。そのためには、何がイヤなのかを知る必要があります。
本記事では、猫がイヤだと強く思っていることやイヤだと感じているときに見せるサインをご紹介しますので、参考になさってください。
猫がイヤだなぁと強く思っていること
では、猫が「イヤだなぁ…」と強く思っていることにはどんなことがあるのでしょうか。
1.汚いトイレ
猫は、汚いトイレをとても嫌がります。他の猫や自分の排泄物が残っていると、トイレを我慢したり、トイレの外に排泄したりします。
トイレの外で排泄してしまうと掃除が大変ですし、トイレを我慢してしまうと愛猫が泌尿器系の病気に罹りやすくなります。ご家族にとっても愛猫にとっても、良いことは何一つありません。
2.逃げ場のない環境
猫は、とても縄張りにこだわります。猫にとっての縄張りは家の中ですので、来訪者は全て不審な侵入者です。たとえそれがご家族にとってとても親しい友人であってもです。
猫は、同じ空間でも高さを活用して他者と上手に空間を棲み分けます。ですから高い場所も含めて、来客時に猫が姿を隠せるような場所が必要です。
自由に上がれる高い場所や身を隠せる場所がない環境は、猫にとってはとてもイヤな環境です。
3.過度な聴覚・嗅覚への刺激
猫の聴覚や嗅覚は、人間とは比べ物にならないくらい精度が高いため、人間には聞こえない高音が聞き取れ、人間が嗅ぎ分けられないニオイも嗅ぎ分けられます。
反面、私達には快適な音量でも、猫にはイヤな騒音に感じることがあります。また私達にとっては良い香りの香水や芳香剤も、猫にとっては強すぎて本来嗅ぎたいニオイの邪魔となり、イヤだと感じるようです。
4.落ち着きのない行動
自由気ままに暮らしているように思われている猫ですが、実はとても保守的です。自分の縄張りがいつも通りであることを望み、決まった時間に決まったエリアをパトロールしながら暮らしているのです。
そのため、周囲に落ち着きのない行動をする人がいると、猫はとても嫌な思いをします。よく子どもから逃げ回る猫を見かけます。子どもは落ち着きがなく突然何をしでかすかわからないため、嫌がられるようです。
5.自分勝手なかわいがり方
猫にとっての飼い主さんは、母親のような存在です。そのため、基本的には飼い主さんを信頼し慕っているのですが、あまりにも猫の心情を理解せず、自分勝手なかわいがり方をすると、猫から嫌がられてしまいます。
愛猫の気持ちにお構いなくいつまでも抱っこしたり撫でたりし続ける、必要もないのに服を着せる等、自分勝手なかわいがり方は猫からイヤだと思われてしまいます。
猫がイヤだなぁと強く思った時に見せるサイン
では、猫がイヤだなぁと強く思っている時に見せるサインにはどのようなものがあるのでしょうか。
しっぽ
猫のしっぽが下がっているのは、緊張や恐怖を感じているサインです。またしっぽを激しく振ったり、床にパタパタと叩きつけているのは、不快や不満、イライラを感じているサインです。
猫は、最初は気持ちよさそうに撫でられていても、それが続くとある時点から不快感にスイッチが切り替わることが知られています。愛猫を撫でながら、しっぽの様子を観察してやめ時を察知しましょう。
耳
「イカ耳」といって、猫が耳を後ろ外向きにピンと張っている時は、怒ったり怖がったりしているサインです。
リラックスしている時の耳は少し横向きで張り詰めた感じがありませんので、耳の様子からも愛猫の気分を察知できます。
ヒゲ
ヒゲが顔に反ってピタリと張り付いたような状態の時も、緊張したり怖がったりしているサインです。ヒゲの様子にも気を配りましょう。
目
人間と同じように、猫も気分が良い時には目を細めてとろんとしたような表情を見せます。
しかし、緊張したり不安になったりすると、目が見開き、光の量とは関係なく瞳孔が大きく真ん丸な状態になります。
まとめ
愛猫と信頼関係を構築しようとどんなに愛猫をかわいがっても、それが自分本位のものであれば意味がありません。信頼どころか、愛猫に嫌な思いをさせることになるでしょう。
そうしないためには、猫の習性を知り、人との感覚の違いを理解することが大切です。
猫がされてイヤになることを学ぶことで、知らず知らずのうちに愛猫を嫌がらせてしまうことのないよう気を付けたいものです。