【獣医師執筆】どうしてもケージに入りたがらない愛猫。いざ病気になったらどうする…?

【獣医師執筆】どうしてもケージに入りたがらない愛猫。いざ病気になったらどうする…?

ご紹介するのは、都内に住むKさんと猫のマロニエちゃんのお話です。マロニエちゃんとKさんの出会いは12年前。Kさんが保護猫の里親募集を見ていた時、ふわふわのしっぽ写真を見て、一目惚れしたのがマロニエちゃんでした。病気を患ったのは2022年7月。最初Kさんは膀胱炎のような症状が気になり、ケージに入ってくれないという理由から往診専門動物病院を受診しました。検査をしたところ、重い腎不全が見つかりました。今回は、飼い主のKさんのお話をもとにして、エピソードをご紹介していきます。

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保護猫だったマロニエちゃん。気位が高く抱っこはNG

赤いソファに乗る猫

Kさん:「今から12年ほど前のことです。一人暮らしをする時に猫のいない生活は考えられませんでした。そのため一緒に暮らす猫をと、保護猫の里親募集を見ていました。その時に、ふわふわのしっぽ写真を見て、一目惚れしたのがマロニエでした。

すぐに保護団体に連絡をとってマロニエが我が家にやって来ましたが、当時のマロニエは気位が高く、触れることも抱っこもNGな猫でした。

12年経った今でも抱っこはNGですが、マロニエは食いしん坊なので、お刺身やささみなど美味しいものをあげるうちに撫でることができるぐらい仲良くなることができました」

抱っこがNGなマロニエちゃん。触ると嫌がるのでケージに入れることもできませんでした。そのため、動物病院に連れていくことができず、健康診断は一度も行ったことがないという状況でした。

Kさん:「ある日、マロニエの様子がおかしかったんです。うろうろして落ち着かなくて、上にいったり下に行ったり。いろいろなところで少量のおしっこをしたり、布があるところでおしっこをする動作をしていてとても辛そうでした。

膀胱炎かもしれないと思い、受診できる病院を探しました。マロニエはケージにどうしても入れられないので往診を探しました。検索をして、アニホック往診専門動物病院に予約をしてすぐに来てもらいました。」

膀胱炎だけでなく、重い腎不全を患っていたことが判明

横になって寝る猫

Kさん:「最初に診察に来てくださったのは、朗らかな方で疑問に対してしっかり答えてくださり安心感のある先生でした。

膀胱炎ということが分かり、投薬をすることになりましたがせっかくきてもらったのだから血液検査も一緒にお願いすることにしました。その結果、思ったより症状の進んだ腎不全だったのです」

1.腎不全とは?

腎不全は、腎臓機能の低下により起こる病気で、慢性腎臓病のことを指します。腎機能は一度悪くなると回復しないため、進行を止める治療を行うことになります。

進行すると命に関わる病気です。腎臓機能が低下すると、食欲不振や多飲多尿、高血圧、消化器の出血が起こることもあり、嘔吐や下痢のような症状が出る尿毒症を起こすこともあります。

Kさん:「二つあるうちの片方の腎臓は使い物にならない状態で、もう片方でやりくりしている状態でした。もっと早くお願いしていれば…と思いました。治療では、点滴を週に2回、ご飯に混ぜるお薬で治療を開始しました」

2.腎不全の治療について

腎不全の治療には多くの方法があります。軽症の場合、食事療法や内服薬の治療を行います。重症化した場合は点滴療法になります。

マロニエちゃんの最初の治療では、点滴を行いました。点滴以外にも症状により投薬をし、腎機能の数値をみながら対応をしました。

冬に症状が悪化するため、点滴を習うことに

青いソファの上で正面を見つめる猫

Kさん:「点滴は、もし自宅でできるならやったほうがいいと獣医師の先生に言われました。

自分でマロニエに点滴をおこなうのは抵抗がありましたが、アニホックの先生がやり方を教えてくださるとのことでしたので、安心できました。冬のほうが悪化するそうなので、これからご自身でやっていこうと考えています。

余談になりますが、マロニエは日々のブラッシングでは追いつかず毛玉があったのですが、往診の際にそれを話したら、『そんなのバリカンがハサミでチョキっと切ってあげるよ!』と言われて、獣医師の先生にこんなこともお願いしても良いんだ!と、嬉しかったです。

マロニエのようにどうしてもゲージに入れられない子にとって、アニホックはすごくありがたいサービスだと思っています。これを続けていけばマロニエが現状維持ができると思うので、前向きに捉えて治療していきたいと思います」

往診の利用方法について

往診車

実際に往診を利用したい場合、まずはインターネットでご自宅に来てくれる往診専門動物病院があるか検索してみましょう。東京都・神奈川県では、往診専門病院が増えてきています。

私たち『アニホック往診専門動物病院』は、東京23区と23区に隣接した地域が往診対象エリアになりますので、その地域の方はお電話か予約フォームから予約をお受けすることができます。

また、それぞれ行っている治療内容や診療費も異なります。往診の場合、「通常費用」のほかに「往診費用」がかかることが一般的です。

さらに、獣医療は「自由診療」のため動物病院によって料金が異なります。まずはお電話かメールでお問合せして頂くと良いと思います。

まとめ

2匹の猫

マロニエちゃんのように、どうしてもケージに入ってくれないなど、様々な事情により動物病院に連れていけない飼い主さんも多くいらっしゃいます。適切な獣医療を受けられる選択肢が必要で、それらを増やしていけるように「往診サービス」を通して、私たちも努力し続けたいと思います。

執筆者

藤野獣医師

アニホック往診専門動物病院
総獣医師長/株式会社TYL 取締役
藤野 洋(ふじの ひろし)氏

日本大学生物資源科学部(旧 農獣医学部) 獣医学科卒業後、獣医師としてペットの総合商社に入社。主に獣医師として小動物臨床に従事しながら、ペット用品及び生体販売、フランチャイズ展開の知見を深める。2007年3月に株式会社フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。2017年3月に株式会社フジフィールドをファンドに株式譲渡。動物病院のグループ化とIPOの土台を築くために、譲渡先であるファンド出資の会社にて代表取締役としてM&A推進と既存グループ動物病院及び店舗の運営全般を行う。2021年2月TYLに取締役として参画。

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