猫が『甘えてきている時』の絶対NG行為3つ

猫が『甘えてきている時』の絶対NG行為3つ

愛猫が自ら近寄って甘えてくれると、嬉しいものです。そういう時は、やっていたことを中断してでも、愛猫が喜ぶ場所を優しく撫でるというご家族も多いはずです。でも、何をしても大丈夫だと思うのは間違いです。対応を間違えると、痛い目を見たり、築いてきた信頼関係を崩したりしてしまうかもしれません。猫が甘えてきた時の絶対NG行為をご紹介します。

猫の心も秋の空?

空を見上げる猫

「女心と秋の空」ということわざをご存知でしょうか。これは、女性が男性を思う愛情が変わりやすいことを、秋の空模様になぞらえている言葉です。本来は「男心と秋の空」だという説もありますので、人間の愛情は性別問わず変わりやすいのかもしれません。

実は、猫の心はその人間以上に切り替えが速いといわれています。よく「猫はツンデレ」だと言われますが、この「ツンデレ」と思われている原因は、猫の気分のスイッチングの速さにあるようです。

猫が甘えてきている時の絶対NG行為

甘えている猫

前述しましたように、愛猫のスイッチの切替に気付かずにいると、嫌がられたり信頼を失ったりするかもしれません。

ここでは、せっかく甘えてきてくれた時だからこそ間違ってもやってはいけないNG行為をご紹介します。

1.愛猫が嫌がることをする

自ら甘えてきたのをこれ幸いと、甘えさせることなく爪切りや歯磨きなどの嫌がることをすると、警戒されてしまいます。

愛猫が甘えてきた時には、それに応えて優しく撫でてあげましょう。

2.愛猫の気分を考えない

甘えてきた愛猫に応えて優しい言葉をかけながら撫でてあげながらも、愛猫の気分の切り替えにはアンテナを張っておきましょう。

愛猫の気分が切り替わり、もう撫でてほしくない気分だということに気付けずに撫で続けていると、急にネコパンチをされたり引っ掻かれたりといった目に遭うでしょう。猫のこの行動は、「愛撫誘発性攻撃行動」と呼ばれています。

3.逃げた愛猫を追いかける

甘えてきた愛猫を抱き上げたり撫でたりしていると、別の場所へ行こうとすることがあります。その時にしつこく追い回してはいけません。すでに子猫の気分ではなくなっています。これを無視してしつこく追いかけ回すと、せっかくの信頼関係を崩すことにもつながりかねません。

特に小さいお子さんが猫に嫌われる原因になりがちな行為なので、注意してあげましょう。

猫が出している「やめて!」のサイン

イカ耳で怒る猫

愛猫の気分の切り替えスイッチが入ったことを察知するために、猫が「やめて!」という意味で出しているサインをご紹介します。

甘えてきているからといってかまってあげるのは良いのですが、「やめて!」のサインに気付いたら即座にやめてあげられるようにしましょう。

しっぽを速く振る

しっぽを速く振っている時は、機嫌が悪いサインです。抱いている時に愛猫がしっぽを素速く振り始めたら、イライラし始めているので解放してあげましょう。

逃げようとする

大人しく抱かれていたのに、急に身を捩って逃げようとしたり、ご家族のそばから離れようとしている時も、「もう嫌!」というサインです。

落ちそうになったなどと勘違いして拘束すると、激しく抵抗されることもあるので注意してください。

イカ耳

耳を後方外側に向け、先端がピンと上を向いている形は「イカ耳」と呼ばれています。この耳の形は、怒りや身を守ろうとする気持ちを表しています。

耳を後ろに倒している時も攻撃するチャンスを伺っているので、すぐ解放してあげましょう。

片手を上げてフリーズ

愛猫が片方の前足を上げて固まっている時は、「逃げるか、パンチするか…」と悩んでいます。

唸り声を出す

低い唸り声は、自分の身を守ろうとして発している警告です。愛撫誘発性攻撃行動を起こす前にも、警告として唸り声を出すことがあります。ボディランゲージの他に、猫の声にも注意を向けましょう。

猫の気分とスイッチング

撫でられる猫

動物学者の今泉忠明氏によると、猫は「子猫」「飼い猫」「親猫」「野生の猫」という全く特徴の異なるの4つの気分を持っていて、それが瞬時に切り替わるために、気まぐれだと思われているのだそうです。

子猫の気分とは母猫と一緒に暮らしていた時の気分で、甘えたり遊んで欲しがったりする時は、この気分だと考えられます。ご家族に見守られている猫は、自分で狩りをしたり身を守ったりする必要がないため、いつまでも子猫の気分が残っているのです。

飼い猫の気分とは、家の中で安心してくつろいでいる時の気分です。信頼しているご家族や同居動物だけの家は、猫にとって安心してくつろげる大切な縄張りなのです。

親猫の気分とは、頼りないご家族に対して「自分が世話をしなければ」と思う気分です。最もわかりやすい行動は、自分が捕まえた獲物の死骸をご家族の元に持ってくるというものでしょう。獲物を捕まえられないご家族の面倒を見ているのだと考えられています。

野生の猫の気分とは、心身ともにエネルギーが充満していて、狩りをする気満々の気分です。夕方や明け方の薄暗い時間帯になると突然始まる夜の運動会が、この気分の代表的な行動だといえるでしょう。

猫は、これらの気分を驚くほど速く切り替えるようです。というのも、成功率10%程度の狩りに失敗してもくじけずに気持ちを切り替えて次の狩りに挑む暮らしをしていた習性を、そのまま引き継いでいるからだと考えられています。

たしかに、10回のうちわずか1回しか食事にありつけないのであれば、いちいち落ち込んでいる暇はありません。また、すぐに気持ちを切り替えなければ、折角のチャンスも逃してしまうでしょう。

まとめ

猫と絆を結ぶ

自ら近付いて甘えてきたのだから、愛猫はすっかり気を許しているだろうと思って自分の気がおさまるまでかわいがってしまうことはありませんか。

しかし、気持ちよく撫でられていた猫の機嫌が突然変わることもあります。

猫は「子猫」「飼い猫」「親猫」「野生の猫」の気分を次々と切り替えます。子猫気分で甘えていても、急にひとりでくつろぎたくなったり、走り回ったりしたくなるかもしれません。

そのような愛猫の気分の変化を見逃さないように猫からのサインをしっかり察知して、愛猫にNG行為をしてしまわないように気を付けましょう。

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