猫の『つま先からかかとまで』は超長い!足の秘密4つと意外と知らない「かかと」の位置

猫の『つま先からかかとまで』は超長い!足の秘密4つと意外と知らない「かかと」の位置

人間と猫には、体の作りにさまざまな違いがあります。歩く時の足の使い方もその一つです。この違いをはじめとして、人間と猫では、足に着目しただけでもたくさんの違いを見つけることができます。今回は、猫の足の構造や仕組みなどに着目して、猫の足が持つすぐれた能力の秘密について見ていきたいと思います。

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人間と猫の歩行様式の違い

歩く猫

哺乳類の歩行様式には、「蹠行性(せきこうせい)」「趾行性(しこうせい)」「蹄行性(ていこうせい)」の3種類があります。歩行様式とは、歩く時の足の着き方のことを指します。

「蹠行性」とは、歩く際に地面に足裏の全面を着ける歩き方で、人間やネズミ、クマなどが該当します。「趾行性」とは、歩く時地面に指先だけを着ける歩き方で、猫や犬が該当します。「蹄行性」とは、歩く時地面に爪先(つまさき)だけを着ける歩き方で、馬や牛、鹿などが該当します。

かつて哺乳類の共通祖先は蹠行性でした。蹠行性だった祖先が大型化して趾行性に進化し、趾行性だった動物が大型化して蹄行性に進化したという研究報告があります。体が大型化すると、歩く時の接地部位がどんどん足の先の方になっていく傾向があるというのは、意外な事実ですね。

蹠行性の場合、接地部位が広く安定感があるため長時間の歩行にも耐えられます。一方、猫のような趾行性は、接地部位が狭く安定感がないために疲れやすく、長時間の歩行には向きません。

しかし短距離選手のスタート姿勢のような状態のため、いつでも俊敏に走り出すことができ、また獲物に見つからないよう音を立てずに歩くには良い構造だと考えられています。

こうして比べてみると、人間は蹠行性のまま二足歩行になり、自由に使える器用な腕と長時間にわたって安定して活動できる身体を手に入れ、猫は持久力はないものの、名ハンターとしてより効率的に獲物を捕まえるための能力を手に入れたと考えて良いでしょう。

今回は、足に着目して猫の体の構造や能力を探ってみたいと思います。

猫の「かかと」はどこ?

猫の骨格解剖図

私達人間は蹠行性のため、爪先からかかとまでを全て地面につけて歩いています。しかし、猫は趾行性のため、地面についているのは指先だけです。では、猫の「かかと」は一体どこにあるのでしょうか。

蹠行性と趾行性の違いはありますが、人間と猫の足の作りは、同じ構成でできています。人間の腕に当たる猫の前足は、肩甲骨、上腕骨、前腕骨(橈骨と尺骨)、手根骨、中手骨、指骨で構成されています。人間の足に当たる猫の後ろ足は、大腿骨、下腿骨(脛骨と腓骨)、足根骨、中足骨、趾骨で構成されています。

前足でいうと、上腕骨と前腕骨の関節が肘に当たり、後ろ側に曲がります。手根骨が手首、中手骨が手の甲、指骨が手の指に当たります。後ろ足でいうと、大腿骨と下腿骨の関節が膝に当たり、前側に曲がります。足根骨が足首、いわゆる人間でいう「かかと」の位置に該当します。そして中足骨が足の甲、趾骨が指に当たるわけです。

この骨の構成と前掲の猫の骨格解剖図を見比べていただくと、猫の足の甲が実に長く、かかとに当たる部分が随分上の方にあると感じられるのではないでしょうか。

意外と知らない猫の足の秘密

片足を上げる猫

1.前足と後ろ足で異なる長さ

猫の骨格解剖図を見ると、前足よりも後ろ足の方が長いことにお気付きになるのではないでしょうか。前述の通り、足の甲に相当する中足骨がとても長いため、後ろ足の方が長くなるのです。

そのため、猫は普段後ろ足を折り曲げてかがんだような姿勢で過ごしています。しかし、この後ろ足の長さとずば抜けた筋力を活かして、体の10倍の高さを超えられるというジャンプ力を発揮したり、後ろ足を伸ばして体を大きく見せ、敵を威嚇したりできるのです。

2.器用な猫の前足

猫の前足は、人間ほどではありませんがとても器用です。前腕骨は、橈骨と尺骨という2本の骨で構成されており、この2本の骨は回内筋と回外筋という筋肉で繋がれています。

この回内筋と回外筋がとても発達しているため、猫は自分の前足をひねることができ、舐めた前足を使って顔の隅々までをきれいに毛繕いできるのです。この動きは、犬にも真似ができません。

3.出し入れ自在の爪

犬の爪は常に外に出っぱなしですが、猫の爪は自由に出し入れできます。

猫の足先の構造を細かく見ていくと、中手骨の先に基節骨、その先に中節骨、更に先に末節骨があり、爪へと連なっています。しかし、中節骨と末節骨は靭帯で繋がれているため、普段は2本の骨が密着したような状態で爪が隠されるのです。

しかし、爪の下に付いている深指屈筋腱が深指屈筋に引っ張られることで靭帯が伸び、密着していた中節骨と末節骨が離れた状態になり、爪が外に飛び出すのです。

待ち伏せ型の狩りを得意とする猫には、音を立てずに歩ける隠せる爪が役に立ちます。しかし同じネコ科動物でも、待ち伏せせずに脚力で獲物を捕まえるチーターは、より速く走ることを優先して隠せない爪の構造に進化しました。

4.猫は狭い場所も通り抜けられる

前足の起点となるのが肩甲骨です。人間の場合、肩甲骨は鎖骨によって胸骨と繋がり固定されています。鎖骨とは首の付根にある骨で、人間の場合、襟元の広いシャツを着ているとはっきりと目視できます。

しかし猫の鎖骨は非常に小さく、どの骨とも繋がっていません。そのため、猫の前足の可動域は自由度が高く、木の幹や獲物の体を抱え込めるようになりました。

また狭い隙間を通る時にも、肩が引っかかりません。猫は自分の頭さえ通れば、全身を通り抜けられるような柔軟性を獲得したのです。

まとめ

ガラスの上に乗る猫

今回は猫の足にまつわる構造や仕組み、能力について代表的なものをご紹介してきました。

猫の爪先からかかとまでの距離がかなり長いことを知らなかった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

猫と犬の違いや猫と人間の違いなどを調べることで、猫の不思議な魅力をさらに知ることができそうです。

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