1.許可なしに触られたくない場所を撫でられた
よくあるのは、撫でる手先がお腹周りに行ったとき。猫がお腹を見せるのでつい撫でてしまうパターンです。動物がお腹を見せるのは「服従のポーズ」だと思っている方が多いのですが、実はそれは犬の場合。猫は少し違うのです。
猫のお腹見せは単なる「歓迎のポーズ」であり、当然そこに猫に服従の意思などありません。それなのに相手が急に一線を越えるので、(はっ?!大事なお腹に急に何するの!?)と驚き怒ってしまうのです。
2.信用していない相手だった
さらに猫は相手を見ます。猫は相手が赤ちゃんや幼児で、さらに自分のお気に入りなら何をされても怒りません。しかし、相手が大人なら無礼な振る舞いは許しません。
また普段から撫で過ぎている人はそもそも信用されていませんし、猫が何度「嫌だ」と伝えても伝わらないなら遠慮なく怒りをぶつけます。
『親しき仲にも礼儀あり』は、人でも猫でも同じなのです。
3.たまたま機嫌が悪かった
「普段はどこでも撫でさせてくれるのに、今日は激しく怒られた」という場合は、機嫌が悪かったのかもしれません。
- たまたま大きな音がした(それを飼い主さんのせいだと思った)
- 低気圧で気分が優れない(気象病はペットにもあるといわれています)
- イライラしていた(工事の音がうるさい、同居ペットと喧嘩したなど)
猫にだって虫の居所が悪いことがあるのです。しかし些細なことで怒るのは、体調が優れないせいかもしれません。突然怒られたときには、原因を見極めるためしばらく観察してみましょう。
4.実際に体調が悪い
要注意なのは、威嚇行為に病気や怪我が隠れているときです。
- 異物を飲み込んだ
- 骨折、捻挫、脱臼
- 皮膚の過敏症
- 内臓疾患
などが原因で、触ると実際に痛みを感じて怒ったケースです。よく観察すると、元気がなかったり足をつかずに歩いていたりなど、いつもと違う症状が見られることが少なくありません。
またまれに、てんかん症の一症状として突然攻撃的になることがあるようです。「激怒症候群」や「特発性攻撃行動」と呼ばれるこの症状は、もしかすると大きな発作の前触れかもしれません。
いずれにしろ猫に病的な印象を持ったらすぐ病院へ連れて行き、異常がないか確かめてもらいましょう。
まとめ
人がそれほど意識せずに普通に撫でる力は、もしかしたら猫には少々力が強すぎるのかもしれません。
しかしそれ以外の理由で猫が怒ってしまうのは、撫でる場所や猫の気分、さらには体調が原因です。
大切なのは猫の反応を観察すること。「いつも怒るんだから…」とすぐに諦めて考えるのを止めるのではなく、本当はそのとき猫が何を言いたかったのかについて、考え続けることが必要ではないでしょうか。