愛猫との出会いは保護猫カフェ

そう、愛猫と出会ったのは保護猫カフェでした。短いしっぽと大きな耳が印象的な3ヵ月位のキジシロの男の子がそこにはいたのです。
抱っこしたら、黄色い目でちろ~っと私を見上げ、「ボクのママになってくれるの?」と、帰り際、戸口から振り返ると、かわいい顔でじっと私を見つめていました。
我が家にやって来た愛猫は・・・

猫嫌いだった父をも虜にし、父が「ちゃめ」と命名しました。ちゃめはとても臆病で控えめな性格でしたが、我慢強くて、人間よりも気遣いのできる猫でした。
スリスリはせず、ゴロゴロも控えめで、そしてちょっと不器用。自分からの膝乗りも3年かかりました。そして、大人になってからは、ツンツンツンデレな猫へ。
ちゃめの思い出をいくつかご紹介します。
甘えるのは、カッコ悪い

ちゃめにとって、うちの母が「ママ」。私のことは、友達と思っていたようです。そのせいなのか、甘えるところを私に見られるのは恥ずかしい様子でした。
膝乗り
「ママの膝に乗りたいけど、友達が見ているからカッコ悪いなぁ・・。」とそっぽを向いて、気のないそぶり。でも膝に乗りたいのはミエミエで、じらしても最後には乗るんですけどね。
モミモミフミフミ
ちゃめのモミモミフミフミを、私は一度も見たことがありません。いつも私が見に行くと、モミフミを辞めてしまいます。
「ボクは、そんな子供みたいなことしないよ。大人だからね。」
キャットタワー

ちゃめのお気に入りは、キャットタワーのてっぺん。
ちょっとおデブちゃんになって体がはみ出ても、そこで寝るのが大好き。キャットタワーはちゃめのお城でした。
ねずみ投げゲーム

ちゃめは一緒には寝ない子でしたが、私が寝ようと寝室まで向かうと、いつも後ろをついてきていました。遊んでもらうのをじっと待っているのです。
遊びの最後にドアの外に向かってねずみのおもちゃを投げると、ちゃめはねずみを追いかけていきます。
「おやすみ」と言って電気を消すと、ちゃめはゲームの終わりを理解して、そのまま階段をおりていきます。毎晩繰り返された「おやすみ」の儀式でした。
ちゃめの病気

ある日ちゃめの呼吸が早いことに気づき病院へ。そこで言い渡された病名は「乳び胸」という病気で、乳白色の胸水が溜まっていました。
原因はわからず、薬とサプリで経過をみることに。しかし、胸水はまた溜まってしまい、亡くなるまでの20日間に5回ほど胸水を抜きました。
最後の日、病院へ行く途中に車の中で亡くなりました。呼吸が苦しいのに、病院へ行きたくないと全力で抵抗したのでした。臆病なちゃめに本当につらい思いをさせてしまったと思います。思い出すと、今でも悲しく切なくなります。
まだ9歳半でした。
愛猫が亡くなってから

1ヵ月ほどしてから、ちゃめの夢を見ました。夢の中のちゃめは、ちょっと毛色が薄くて寂しそう。「どこに行っていたの?」と、背中を撫でると手にはしっかりと毛の触感がありました。
「生きている!」と嬉しくなり、ちゃめも嬉しそうに走りまわっていたのを覚えています。短い夢でしたが、ちゃめが会いに来てくれたのだと胸が熱くなりました。
不思議な体験
不思議なことも幾つかありました。寝ているとき、布団の上に「どん!」とまるでちゃめが乗ってきたかのような衝撃を感じました。そのとき、私の体は金縛りにあったかのように動かず、ただちゃめの重さを感じていました。
あるときには、ちゃめがそばを通ったときのように、空気がさっと動くのを感じたり、またあるときには、ひげが手や足に触れるようなモソモソする感じがしたり。
まるで「ボクはここにいるよ。」と言っているかのようです。
まとめ

愛猫のことを思い出さない日はありません。今思うのは、愛猫が死後も幸せであってほしいということです。死後の世界は誰にもわからないので、いつも私は自由に空想します。
愛猫だって私たちと同じように一緒にいたいはず。私たちのそば、おうちが一番好き。だから見えないだけできっとそばにいる。
お日様が当たる布団の上で、気持ちよさそうに寝ていたのを思い出します。そこにくぼみがあって、温もりがあって・・。

「ボクはここにいるよ。」
「いい子だね、ずっと一緒だよ。」