猫に『体臭』が少ないのはなぜ?2つの理由

猫に『体臭』が少ないのはなぜ?2つの理由

猫だって体臭がないわけではありません。それはコタツのような狭い閉じた空間にずっとこもっていたときなどに感じます。しかしいわゆる「猫クサイ」のはトイレのにおい。犬のように体臭が気になることはほとんどないのが普通です。そんな猫のにおわない秘密とは?2つの理由をご紹介します。

1.汗腺が少ない

濡れて毛がぺたんこになったペルシャ

体臭のもととなるのは主に「汗」です。人には汗を出す「汗腺」が全身にありますが、猫には足の裏など一部分にしかありません。つまり汗をかく面積が極端に少ないため、猫は汗くさくならないというわけです。

しかしちょっと変ですよね。犬も汗をかきませんが、犬のにおいはかなり気になります。シャンプーの回数も犬は月に1~2回がおすすめですが、猫は長毛種でもない限りせいぜい洗って2ヵ月に1回。しかも仮に全く洗わなくても、においはほとんど気になりません。

どうして猫と犬の体臭に差があるの?

仲良し猫2匹と茶色のミニチュアダックス

汗腺には水のようなサラッとした汗を出すエクリン腺と、油っぽい汗を出すアポクリン腺の2種類があります。このうち時間と共に常在菌などが繁殖して、強いにおい出すのはアポクリン腺が出す汗です。

そして犬はこの汗腺を全身に持っています。ところが猫は足の裏などのごく一部だけ。このためよく似た動物同士なのに、においに大きな差が出るのです。

2.きれい好き

猫鍋で毛づくろいをするスコティッシュホールド

猫がきれい好きなことも、においが少ない理由のひとつです。猫は関節が柔らかいので身体のほとんどの場所を舐めることができますし、耳の後ろなど舌の届かないところは前肢を使ってきれいにします。

特に熱心なのは肉球のお手入れです。指や肉球の間や爪をとりわけ丁寧に舐めるのは、おそらくそこがアポクリン汗腺のある場所だから。放っておくとにおいが発生するため、丁寧な手入れが必要だと分かっているのでしょう。

なぜ猫は体臭が少なくなったの?

草の中に隠れる長毛子猫

もともと汗腺が少ない上に猫がきれい好きなのは、彼らが「孤高の待ち伏せ型ハンター」だからだといわれています。獲物に気が付かれないよう隠れるときに、強いにおいは邪魔でしかないからです。

一方遠い昔に同じ先祖から分かれた犬は、「追跡型のハンター」です。足の速さと持久力が武器であり、体臭はそれほど問題にならなかったのでしょう。むしろ自分たちのにおいを利用して、狩りを有利に進めることもあるようです。

まとめ

肉球を舐める子猫

猫があまりにおわないのは、猫の先祖の生活にその源がありました。単独で狩りをする猫は、目立たないためににおい原因の1つアポクリン汗腺を身体の一部だけに制限し、さらにきれい好きという習慣を持ちました。そのため猫は物理的ににおわない生き物になったのです。

一方犬や人は、身体中にアポクリン腺を持っています。もしかすると猫たちは、私たちのことを「なんてズボラでクサイ生き物だろう!」と思っているかもしれませんね。

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