猫の「顔・表情」に影響を与える要因
1.飢えの心配
どんな動物でも、生きていくために最も切実な問題が、食料の確保です。
飼い猫は人から食事を与えられるため、狩りに失敗して飢えるという心配がなくなりました。
しかし飼い主さんの仕事が不規則でなかなか食事をもらえない、同居動物に横取りされる、栄養バランスが偏った食事であるといったような場合、餓えのリスクからは解放されません。
愛猫に険しい表情をさせないためにも、栄養バランスのとれた質の良い食事を規則的に与えられるような生活を確保しましょう。
2.敵に襲われる心配
外敵から身を守ることも、大切な要素です。
いつ外敵に襲われるかわからない環境では、警戒心を解くことができず顔つきも険しくなってしまいます。
愛猫に穏やかで優しい表情をして欲しければ、家の中でも安心できる隠れ家が必要です。
見知らぬ来客時などにすぐ身を隠せるよう、複数箇所に設置しましょう。
3.縄張りの監視
前述の外敵の心配にも通じますが、猫はとにかく自分の縄張りを常に気にしています。
そのため、猫は縄張りの全体を見渡せる高いところから監視することで、安心を得ます。
愛猫に不安の表情を浮かばせずに、無防備で安心してくつろげる環境を作ってあげるためにも、家具の上を開放したり、キャットタワーやキャットステップを設置したりしましょう。
4.耐え難いストレス
とにかく猫は、臆病で保守的で神経質な傾向があります。
家の中はそのまま猫の縄張りであるため、ちょっとした室内の模様替えでも変化を嫌い、緊張します。
一緒に暮らしているご家族の不仲といった目に見えない変化にも敏感です。
愛猫にとってストレスとなる要因をなるべく排除し、愛猫が安心できる環境を整備できれば、愛猫はとても穏やかで無防備な表情を見せてくれます。
まとめ
特に猫に興味のない方にとっては、どの猫も同じような顔に見えるでしょう。
しかし、飼い主さんから愛情をたっぷりと受け、安心して暮らせる環境にいる猫達は、誰が見ても分かる程穏やかで優しい表情になります。
加えて、愛猫は無邪気で無防備な姿を、飼い主さんにだけ見せてくれます。
一方、厳しい環境を過ごしてきたばかりだったり、今の環境に不安・不満があって安心できない猫の表情は、それとは明らかに異なります。
どうか、愛猫が生涯穏やかで優しい顔つきで過ごせるよう、快適な環境を整備してあげてください。