1. 遊びの中の「やるか?こら!」
「挑発のパンチ」は遊ぼうパンチ。
子猫が精一杯怖い顔をして喧嘩を売り、相手をレスリングに誘います。
飼い主さんが近づいてドアップ写真を撮っているとき、もし猫パンチが飛んできたら、それはお遊び気分のお誘いパンチかもしれません。
2.「いい加減にしろ!」
遊びが行き過ぎたときのパンチが「制止のパンチ」。
おとなの猫が子猫のしつこい遊びの誘いにうんざりしたとき出てきます。
しかしずっと見ているとパンチというより、頭を押さえつけているのが目に付きます。
目的は「遊びは終わり」と諭すこと。
どうやら、やり過ぎはよくないことを相手に教えるときに使うようです。
3.「こっち来るなよ!痛い目に合うぞ!」
「牽制」あるいは「虚勢」のパンチは、強すぎる相手に負けまいとして繰り出すパンチ。
おとな同士の喧嘩や大きな犬が近寄ったときなど、怖い相手が側に来たときそれ以上近寄らせないようにするのです。
実は猫は喧嘩が大嫌い。
できうる限り相手の牙から離れようと、身体を縮め前肢をうんと伸ばしてパンチします。
4.「ちょっと。止めてよ!」
お腹に不意に触ったりなど、相手に嫌なことをされたときに繰り出されるのが「拒否のパンチ」。
状況によっては噛まれることも珍しくありません。
猫は普段仲良しの同居ペットや飼い主さんには怪我をさせないよう十分気を配っています。
しかしあまりにしつこかったり、相手がそれほど好きでなかったりする場合には、爪を出して叩きます。
5.「懲らしめてやる!」
おもしろいのは「教育的指導」あるいは「うっぷん晴らし」「仕返し」とでも呼べそうな通り魔的パンチです。
一見通りすがりに見えますが、実はわざわざ近寄っていきなりパンチしています。
被害者は日頃から苦々しく思っている同居犬や、得体の知れないもの(掃除機や人間のおもちゃなど)。
普段は怖くてうかつに近寄れないので、相手が寝ている(止まっている)隙に一発思い知らせてやるのです。
まとめ
猫パンチは猫の手と肩の関節が柔らかいからこそできる独特な攻撃方法です。
しかしその猫パンチも、観察すると実は挑発・制止・牽制・拒否・うっぷん晴らしなど、いろいろな場面で使われていました。
軽くポンポンと叩く動作も加えると、猫パンチの意味はもっと広がります。
もしかするともっと別の意味があるかもしれません。
改めて愛猫を観察し直して、その猫ならではの使い方を探してみるのも楽しいですね。