猫の分類
猫の純血種の歴史は100年程です。猫の血統書を発行している団体はいくつかあり、団体によって公認数が異なりますが、猫の純血種の数はおおよそ62種だといわれています。
しかし一般的な猫の分類は、純血種の品種だけにとどまりません。
被毛を基準とした短毛種、長毛種という分類や、体型によるコビー、フォーリン、オリエンタルなどのような分類もあります。
犬の場合は、体のサイズにより小型犬、中型犬、大型犬といった分類もよく耳にします。猫にもサイズによる分類はあるのでしょうか。
今回は猫のサイズに注目して、平均的なサイズの猫と比べて小型の猫と大型の猫の違いや飼育する際の注意点などをご紹介します。
大型猫と小型猫の違い
1.体のサイズ
正式な定義があるわけではありませんが、ごく一般的によく見かける猫を「中型猫」、それより小さい猫を「小型猫」、中型猫より大きい猫を「大型猫」と分類することがあります。
概ね、下記の体重を分類の基準とすることが多いようです。
- 小型猫:平均体重約2〜3kg
- 中型猫:平均体重約3〜5kg
- 大型猫:5kg以上
この定義で考えると、代表的な小型猫はスキフトイボブテイル(1.7〜2kg)、シンガプーラ(2.5〜4kg)、マンチカン(3〜4kg)などとなり、大型猫はメインクーン(4.5〜8kg)、ラグドール(4.5〜8kg)、サイベリアン(4〜8kg)などが代表的な品種です。
特に大型猫の場合、10kgになる猫もいます。
分類の名前からも明らかですが、小型猫と大型猫の違いは体のサイズで、体重にすると大型猫は小型猫の2〜3倍ほどになります。
2.被毛
小型猫は短毛種が、大型猫は長毛種が多い傾向があります。
猫の祖先は暑い砂漠で暮らしていたリビアヤマネコでした。しかし世界各地へと生息範囲を広げ、寒い地域でも暮らすようになりました。
「恒温動物は寒いところに暮らすものほど身体が大きくなる傾向がある」という『ベルクマンの法則』から考えると、寒い地域原産の猫は大型化し、防寒のために長毛種になったからではないかと考えられます。
3.性格
大型猫は穏やかでおおらかな性格が多く、小型猫には活発かつ好奇心旺盛で、社交的な性格が多い傾向が見られます。
4.成長速度
小型猫と比較すると、大型猫は成長速度が遅い傾向があります。
小型猫は半年ほどで成熟し、1年もすれば成猫の体になりますが、大型猫の場合は成猫の体になるまでに2〜3年かかります。
可愛い時代が長いのは嬉しいですが、健康管理や栄養管理に気をつけなければならない期間も長くなるという点に注意が必要です。
大型猫や小型猫を飼う際の注意点
1.食事
一緒に暮らしている猫の食事管理は、健康管理にも繋がるためとても大切です。
特に小型猫の場合は、前述の通り運動欲求が高い傾向にあるため、運動不足や過食で肥満になるリスクが高く、過食に注意が必要です。
2.スペース
小型猫の3倍近い大きさのため、大型猫は生活空間としても広いスペースが必要になります。
大型猫を飼育する場合は、十分な生活空間が確保できるか、十分な大きさのトイレやキャリーバッグを準備できるか、飼い主さんに大型猫をお世話できる体力があるかといった点に注意が必要です。
3.キャットタワー
大型猫の場合体が大きく体重も重いため、特にキャットタワーには注意が必要です。
愛猫が飛び乗ったり飛び降りたりしても倒れたりぐらついたりしない頑丈な作りで、しっかりと固定できる製品を選びましょう。
4.存在感
大型猫が側にいれば、自然と視界の端に入ってきます。
しかし小型猫の場合は体高も低いため、視界に入らず尻尾を踏みつけてしまったり、体を蹴ってしまったりする事故のリスクが高いです。
常に愛猫の気配を察知できるように注意が必要です。
特に小型猫と一緒の布団で就寝している飼い主さんは、うっかり寝返りを打って上に乗っかってしまい、愛猫を潰してしまわないように注意してください。
まとめ
小型猫には小型猫の魅力が、大型猫には大型猫の魅力があります。
しかし、小型猫には小型猫ならではの、大型猫には大型猫ならではの注意点もあります。
もしも小型猫や大型猫と一緒に暮らすことになった場合は、それぞれの特徴や習性をよく理解し、事故などのリスクを高めないように気を付けてあげましょう。
飼い主さんが愛情を持って接し、常に愛猫の立場で考えてあげれば、小型猫とも大型猫とも、きっと深い愛情の絆を結ぶことができるでしょう。