気付くと狭い場所に入っている猫
「さっきまで近くにいたのに、いつの間にか愛猫の姿が見えない」という時に探してみると、空のダンボールの中、空の紙袋の中、家具の裏や隙間、カーテンの陰、押し入れの中の布団の隙間等、暗くて狭苦しい場所で丸まっていたという経験があるのではないでしょうか。
息もできないくらい狭い場所のように見えますが、当の愛猫はなんだかとても気持ちよさそうにしていることも多いです。
猫が暗くて狭い場所を好むのは、どうやら野生の頃に生き残るために身につけた習性が原因のようです。
今回は、猫が狭い場所を好む理由として考えられていることをご紹介します。猫の気持ちを理解し、愛猫が快適に暮らせる環境づくりに役立ててあげましょう。
猫が狭い場所を好む理由
1.好奇心がくすぐられる
本来、猫はとても優秀なハンターでした。猫が主に獲物としていたのは、ネズミなどの小動物です。猫が獲物とするネズミのような小動物は、薄暗い明け方や夕方に活発に行動します。そして、狭い場所に身を潜めていることが多いのです。
そのため薄暗くて狭い場所を見ると、狩りをする必要のなくなった猫たちも、本能的に好奇心がくすぐられ、思わず中に入りたくなってしまうようです。
おそらく、猫にも具体的な「○○だから」というような理由はないのかもしれません。ただ、薄暗くて狭い場所を見つけると、入りたくて仕方がなくなるといった感じなのかもしれません。
2.安全な場所に身を隠す
猫は、とても優秀なハンターでした。と同時に、身体の小さな猫自身もまた、外敵に襲われる獲物でもありました。
どこに外敵が潜んでいるかわからない状況であれば、見通しの良い広い場所に身一つでぽつんといるのではなく、身を隠せる場所にいたいと思うのは当然でしょう。
周りをなにかに囲まれているような暗くて狭い場所は、猫が自分の身を守るための隠れ家として安心できる場所でもあるのです。
その場合、自分の体が入れるだけのごく狭いスペースであればあるほど、外敵が侵入する隙間がないため安心できます。
人見知りの猫は、来客の都度どこかに隠れて気配を消してしまいます。それは、このような防衛本能のためなのです。来客の都度恐怖を感じてしまうのでは、愛猫も辛いはずです。
小さい頃から積極的にいろいろな人や動物に会わせる機会を作り、飼い主さん以外の人や動物にも慣れさせるようにすると良いでしょう。
3.居心地が良い
獲物が身を潜めていそうな薄暗くて狭い場所を見つけると、本能的に好奇心がそそられたり、落ち着けそうに感じて思わず入り込んでしまう猫。
そうした過去の経験から、猫は居心地の良かった場所、安心して落ち着ける場所を覚えています。
そのため、そこが猫にとってのお気に入りの場所となり、なにかあるとそこに入るようになるようです。
4.誰にも邪魔されずにゆっくりできる
猫は、元々単独での生活が当たり前でした。そのため、人と一緒に暮らすようになった猫も、時には誰にも邪魔されずにのんびりと寛ぎたいと思っても不思議ではありません。
家族と一緒に暮らしている自立する前の子どもが、自分専用の部屋を欲しがる心理と似ているかもしれません。
猫にも、「自分だけの空間」で飼い主さんからも追い出されることはないという場所が必要なのです。
知らない人が訪ねてきた時、近所で工事をしていて大きな騒音が続いている時などに、こういった愛猫が安心して過ごせる自分専用の空間があると、精神的にも落ち着けるのです。
まとめ
今日のねこちゃんより:アビ男♂ / 3歳 / アビシニアン / 5kg
知らない間に愛猫が暗くて狭いところに入り込んでしまった場合、見つけやすい場所であればよいですが、見つけづらい場所であることの方が多いように感じます。それは、身を隠せる安全な場所に入り込んでしまうので、当然かもしれません。
例えば少し開いていた引き出しの隙間から中に入り込んでしまった、スイッチを入れる前の洗濯機に入り込んでしまったなど、閉じ込めやスイッチを入れて稼働させてしまうような、危険を伴う場所も多いです。
危険なところには入り込めないような対策を施すと共に、猫が好むような狭くて安全な場所を積極的に作り、愛猫が安心して過ごせる安全な隠れ家として提供してあげると、愛猫も精神的に安定した暮らしを確保できるでしょう。