愛猫の生まれ変わりのように現れた保護猫

愛猫の生まれ変わりのように現れた保護猫

僅か一歳の愛猫を亡くした私達の前に現れた一匹の猫。愛猫の死を受け入れた飼い主の話。

愛猫の死

ふぅの写真

それは誰にでも訪れること。人間だろうと、犬だろうと、野性動物だろうと。もちろん猫だって例外ではない。そんなことは私達にもわかっていたし、猫を飼うその日から覚悟はしていたつもりでした。

でもあまりにも早すぎる死。僅か生後一週間程で親猫に捨てられ三匹身を寄せ合い震えていた子猫。驚く程小さく、母猫の栄養が足りていなかったのか寄生虫と身体の奇形により残念ながら二匹は間もなく息を引き取りました。

たった一匹だけ生き残った小さい子猫。「ふぅ」と名付けたその子を私達は大切に育てました。可愛くて可愛くて、愛らしくて。しかし、その僅か一年後ふぅもまた息を引き取る事になるのです。病名は「FIP」。原因不明のこの病気は治療法も無く、唖然としている間に診断を下された僅か3日後にふぅは私の腕の中でその尊い一生を終えました。

何度も何度も死にかけ、親に捨てられ、兄妹もいなくなり、悲しみも苦しみも乗り越えたのに。何か私達に出来ることはなかったのか?後悔と無念しかありませんでした。でも火葬場に入っていくふぅに私達は自然に声をかけていました。「次は健康な身体で私達のもとに帰っておいで」と。

生まれ変わりかのような保護猫

フーピー

それから半年後のことでした。何気なく見ていた猫関連のブログ、それは地域のボランティアさんによる野良猫の保護、里親を募集している団体のページでした。その中の里親募集猫の写真をスクロールしていくと・・・彼はいました。顔も毛色も耳の形もそっくり。

半年前に虹の橋を渡った愛猫そっくりな猫。民家の庭で出産されたとこを兄妹猫と共に保護されたという猫は何の縁か、保護主に「ふっくん」と言う仮名をつけられていてさらに驚きでした。

あまりの衝撃に困惑していましたが正直迷いました。まだ、ふぅの死から立ち直りきれておらず、子供も産まれたばかりの私達夫婦。またすぐに死んでしまったらどうしよう?正直怖かったんです。

その団体さんは一週間に一度譲渡会を開催しておりました。私達夫婦はある決断をしました。「あと一ヶ月、4回の譲渡会で里親が現れなければ引き取ろうと」。その結果、三匹いた兄妹猫は皆引き取られたのに、彼だけが残っていました。

これも運命だと私達はその子猫を受け入れました。名前は「フーピー」。本当に生まれ変わりなのかはわかりませんが、私達は彼が来たことにより心に空いた穴が塞がりつつあるような気がします。何よりも良かったのはフーピーと同じ年の娘がまるで兄妹のように仲良しであること。

娘とフーピー

これは本当に良かったです。見ている私達も、とても幸せな気持ちになれます。それと同時に保護猫のボランティア団体の方たちに感謝もしています。もし、ボランティアの方たちがいなければフーピーは保健所に連れていかれ私達に出会うこともなく死んでいたかもしれない。そう思うと恐ろしくなるのと同時に、彼がこの家に来てくれた奇跡に感謝の気持ちでいっぱいになります。

保護猫を受け入れる選択

眠る子猫

今世の中は空前の猫ブーム。ペットショップに多くの猫が並び、猫可のマンションも増え、SNSには猫の写真が毎日投稿される。しかしその裏で、心ない人間に捨てられる猫、保健所に連れていかれ殺される猫も増えているのが現状です。

もし猫を飼う事を考えている人がいるなら、ペットショップで猫を買う他に保護猫を受け入れる選択も視野に入れてほしい。ふぅのような野良猫を母に持ち、栄養が足りず餓鬼状態の中死を待つ、過酷な運命を産まれながらにして背負った子猫を少しでも減らすために。

フーピーのように野良猫でありながら運よく保護され私達の元に来てくれた奇跡の子猫を増やすために。

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