食に関する猫の習性
猫は、食に対して2つのアプローチを行う習性があります。1つは「好奇心」、もう1つは「警戒心」です。
ハンターである猫たちには「生きるためにはいろいろなものを食べるべき」という考え方が習性として定着しているようです。そのため本能的に栄養のバランスを取ろうと、新しい食感や形状の物を食べたがります。
また生きていくための知恵として、非常に強い「警戒心」も備えています。過去にある物を食べて体調不良になった経験は忘れず、その食べ物は2度と口にしません。
さらにハンターである猫たちは、いつでもすぐに臨戦態勢が取れるよう、満腹でも身軽に動けるよう体に対して小さな胃袋を持つようになりました。そのため、少量の食事を何回も行うという食べ方をします。
猫がフードを食べなくなる原因
上記の習性も踏まえた上で、猫がフードを食べなくなる原因をまとめると下記のようになります。
- そのフードを食べて下痢や嘔吐、腹痛などを体験した
- いつも食べている安全なフードとはにおいが異なる
- 今は満腹なので後で食べたい
- ずっと同じフードなので異なるフードを食べたい
- 老齢化により食欲が落ちた
- 病気である
猫が「満腹なので後で食べよう」と思っている場合は、前脚でフードに砂をかけるような仕草をします。
病気の場合は、明らかに元気がない、食べようとしてすぐやめるので口の中などに異常がありそうだなど、猫の様子から判断できる場合もあります。
猫がすぐにキャットフードに飽きてしまう3つの理由
猫がフードを食べなくなる原因を踏まえて、今までずっと食べていたフードを急に食べなくなる、つまり猫がそのフードに飽きてしまう理由を考えてみましょう。
猫がフードを食べない原因から「満腹である」、「老齢化による食欲減少」、「病気」を除くと、下記の3つが残ります。
- そのフードを食べて、下痢や嘔吐、腹痛などを体験した
- いつも食べている安全なフードとはにおいが異なる
- ずっと同じフードなので、異なるフードを食べたい
つまり、急に飽きて食べなくなったように見える理由は、上記の3つだったのです。
猫がキャットフードに飽きた時の対策
過去の嫌な経験
これは、猫の「警戒心」から来る行動です。食事が原因で猫が体調を崩した場合は、飼い主さんがきちんと覚えておき、その猫に合わないフードは食べさせないという管理を行いましょう。
いつもと異なるにおい
これも、猫の「警戒心」から来る行動です。いつもと同じフードでも、保管方法によってにおいが飛んだとか傷んだ場合に食べなくなります。大容量ではなく少量の袋を買う、保管方法を改善する等の工夫を行いましょう。
ずっと同じフード
これは、猫の「好奇心」から来る行動です。同じものが続くと、本能が「他のもの」を欲するのです。愛猫に合うフードを複数種類把握しておき、ローテーションすることをおすすめします。
猫のフードを選ぶ時の注意事項
基本的には、総合栄養食を基本に据えて、食欲増進やご褒美などに少量のおやつを利用するようにしましょう。
子猫時代にいろいろな食材を食べさせると、偏食を予防できます。子猫時代にはさまざまな風味や食感、形状のフードを経験させると良いでしょう。
まとめ
味を感じる「味蕾」が人よりも少ない猫は、人が考えるほど味に対する好みは強くないようです。重視するのはにおいや食感等で、特ににおいが重要だと覚えておきましょう。
猫は、一度飽きて食べなくなったフードも、しばらく経ってから出すとまた良く食べてくれるようになります。複数種類のフードをローテーションしながら、上手に健康管理をしていきましょう。