猫の飼い主に関係する法律や条例など
生活していればさまざまなトラブルが発生します。当事者間の話し合いで解決できない場合に拠り所となるのが法律です。猫の飼い主が知っておくべき主な法律や条例などを下記に挙げます。
(1) 法律
- 民法
- 消費者契約法
- 動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)
- 愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード法)
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律
(2) 政省令
- 家庭動物等の飼養及び保管に関する基準
(3) 条例
- 各自治体のペット条例(東京都動物の保護及び管理に関する条例等)
- 多頭飼育の禁止条例(鳥取県民に迷惑をかける犬又は猫の飼育の規制に関する条例等)
- ふん害防止条例(山形県舟形町環境美化推進条例等)
『動物愛護管理法』とは
動物愛護管理法は、1973年に制定された「動物の保護及び管理に関する法律」が始まりで、2019年6月に4回目の改正が行われました。
人と動物が共生する社会の実現を目的に、飼い主の責任、動物取扱業の規制、マイクロチップ装着の義務化など多岐にわたる内容が定められており、猫の飼い主が知っておくべき法律の筆頭です。
『動物愛護管理法』で飼い主が知っておくべきポイント
猫の飼い主の責務
この法律では、猫の飼い主の責務として次のことが定められています。
- 猫の習性を正しく理解し、飼い猫の健康と安全の保持に努めること
- 飼い猫が人に危害や迷惑を及ぼさないように努めること
- 飼い猫に起因する感染症の知識を持ち、予防に努めること
- 飼い猫の逸走を防止する措置を講ずること
- 飼い猫は出来る限りその命を終えるまで適切に飼養すること(終生飼養)
- 飼い猫をむやみに繁殖させ飼養困難な状態にならないようにすること
- 飼い猫の所有者を明確にするための措置を講ずること
動物虐待
動物への虐待や遺棄については、罰則規定付きで禁止されています。ここで注意したいのは、虐待の内容です。暴力や抑圧などのやってはいけない行為だけではなく、やらなければならないことをやらないのも、ネグレクトといって虐待にあたります。
つまり、病気のまま放っておく、排泄物が溜まっている場所で飼養するといった行為も虐待にあたることを知っておきましょう。
『ペットフード法』
もう一つ猫の飼い主が知っておくと良い法律は、ペットフード法です。
日本でペットフードが販売された1960年当時は、法的な基準がなかったため、粗悪品も流通していました。アメリカで有害物質が混入したペットフードによる犬猫への健康被害が多発したことを機に、2009年6月に施行されたのが、ペットフード法です。
この法律を知ることで、成分や製造法の規制内容、規制の対象となるのは何かなどを理解できます。また、ペットフードの袋や缶に表示しなければならない情報も理解できます。
食事は愛猫の健康の基盤となるものです。ペットフードの安全性に疑問を持っている方も、きちんと知れば、いたずらに恐れることなく上手にペットフードを利用できるようになるでしょう。
まとめ
今回ご紹介した法律は、環境省のホームページからあらましをまとめたパンフレットが公開されていますので、一読されることをおすすめします。また、お住まいの自治体が制定している猫に関する条例も、ホームページで検索してみてください。
いざという時のために備えて、法律や条例、政省令などを知っておくことは大切です。原文を直接読まなくても、パンフレットなどを利用して正しい知識を身につけましょう。