やっぱり完全室内飼いが安心♡意外に狭い猫の外での行動範囲

やっぱり完全室内飼いが安心♡意外に狭い猫の外での行動範囲

ある国際的なプロジェクトチームによる、飼い猫の外での活動に関する研究結果が発表され話題になっています。飼い猫たちは、飼い主が思っている以上に外での行動範囲が狭いようです。この結果を踏まえ、猫の完全室内飼いの安全性と飼い猫に与えるストレスの少なさについて考えてみたいと思います。

完全室内飼いの猫はかわいそうか

部屋でボーッとしている猫

平安時代、猫は宮廷で繋ぎ飼いされ、女官たちからとても可愛がられていました。しかし、ネズミの被害がひどくなり、慶長7年(1602)に京都所司代が猫放し飼い令を発布したことで、猫たちは自由に外と家を出入りするようになりました。これ以降猫は放し飼いが当たり前となりました。

交通網が発達し住居が密集するようになった現在、交通事故、感染症、ご近所トラブルや虐待被害のリスクを低減するため、猫を室内で飼育することが推奨されています。しかし、外に出られないのはかわいそうだし、外出できる猫たちは外でどんなにのびのびと暮らしているのかと想像してしまう飼い主さんも多いのではないでしょうか。

キャット・トラッカーによる大規模調査の結果が発表されました

首輪をつけた猫

キャット・トラッカーとは

キャット・トラッカーという国際的なプロジェクトによる、飼い猫たちの外での行動に関する6年間の研究成果が、2020年3月11日付で学術誌に発表されました。

このプロジェクトは生物多様性を研究する研究者や学生の団体と、ノースカロライナ自然科学博物館のメンバーからなるチームによって運営され、6カ国で900匹を超える飼い猫について、GPS付きの首輪を1週間装着させてその行動範囲や活動内容を調査してきました。

調査結果

庭でまどろむ猫

調査の結果は「国を問わず、約75%の猫はほとんどの時間を人の手が入った庭などの場所で過ごしていた。そして、大半の猫がすべての時間を自宅の庭から100メートル以内で過ごしていた」というものでした。かなりの広範囲を活発に歩き回る猫もいましたが、それは全体の7%だったそうです。

また、狭い行動範囲でありながらも6日間の追跡中、平均4.5回は道路を横断しており、調査の数ヵ月後に確認したところ、実際に複数匹の猫が車に轢かれていたということです。

BBCのドキュメンタリー「密着!ネコたちの1週間 その秘密の世界に迫る」の調査

英国風の庭にいる猫

実は、とてもよく似た調査を行っているBBCのドキュメンタリー番組を見たことがあります。2013年に制作されたもので、イギリスのシャムリー・グリーンという村の飼い猫50匹に対してGPS装置付きの首輪を1週間装着し、その記録から猫の行動範囲や内容を調査するというものでした。(一部の猫には小型のカメラも装着)

この調査では、主に下記のことが判明しました。

  • 猫はそれぞれの縄張りを持っている
  • 猫の縄張りはかなり重複しているが、活動時間をずらすことで上手に共有している
  • オス猫は自宅を中心に半径100メートル以内、メス猫はその半分程度の行動範囲である

行動範囲についてはキャット・トラッカーの調査結果とほぼ同じだったのです。

このドキュメンタリー番組は、現在もAmazon Prime Videoで視聴できますので、興味のある方はご覧になってみてください。

まとめ

窓から外を見る猫

自由に外出できる猫たちの行動範囲は意外と狭いことが分かりました。その割には道路を横断する回数が多く、調査後に交通事故で命を落としている猫も多いです。

外でのリスクは交通事故だけではなく、感染症や虐待などさまざまです。猫の習性に応じた、かつ適度な刺激を与えられる環境を用意することで、完全室内飼いでも猫たちのストレスは多くなく、安全で快適に暮らしてもらえるということが分かりました。

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