1.許せることと許せないことを事前に線引きしておく
一人暮らしだった方が誰かと一緒に暮らす場合、どんなに相手と仲が良くても今まで通りには暮らせません。猫の場合もそれは同じです。
「これだけは傷つけられたくない」という物については、最初から猫が入れない部屋にしまう等の手段を講じておくべきです。
その代わり、一旦許すと決めた物については、多少傷つけられ、おしっこをかけられても許容できる広い心を持ちましょう。
2.「しつけ」を意識しない
犬は、人と同じように仲間と共に社会を形成し、その中で暮らしていく動物なので、私たち人と価値観が似ています。
しかし、猫は単独で暮らしていく動物なので、人には理解できない価値観を持っています。そのため、猫に接する時には「しつけ」という考えは持たないようにしましょう。
では、猫に最低限の生活ルールを覚えてもらうためには、どのように接したら良いのでしょうか。
猫を叱るタイミング
最も重要なのは、タイミングです。猫は数分前に行ったことで叱られても、問題となる行動と飼い主さんの怒りを結びつけられません。叱ったり褒めたりするのは、対象となる行動の直後にしましょう。
猫には褒められるという感覚がない
猫には、群れの中でリーダーからよく思われたいという発想がありません。犬は、飼い主さんから「よし」と声をかけられると喜びますが、猫には褒められるという感覚がないので喜びません。
猫が行動を決める要素
猫が行動を決める要素は、その行動によって「良いことが起こる」かまたは「嫌なことが起こる」かということです。前者の場合は積極的にその行動をしようとしますし、後者の場合はその行動を取らないようにします。
猫のこの心理を上手に利用することが、生活のルールを覚えてもらうコツです。
3.猫にとっての良いことと嫌なことを知る
猫にとっての良いこと
猫にとっての良いこととは、気持ち良い、楽しい、嬉しいことです。
飼い主さんは、猫に「いい子だねぇ」と声をかけるだけではなく、同時に猫が喜ぶことをしましょう。
猫が喜ぶ場所を撫でる、一緒に遊ぶ、ご飯をあげる等は、猫にご褒美と同じ効果をもたらします。
猫にとっての嫌なこと
猫にとっての嫌なことは、不快、寂しい、つまらないことです。これらは、猫にとって罰と同じ効果をもたらします。
ただし、叩いたり大声で怒鳴ったりしてはいけません。猫に対して「人間は怖い」という恐怖心を植えつけてしまい、厄介な性格を形成してしまいます。
4.猫にして欲しくない行動を教える
では、猫にして欲しくない行動を教えるにはどうすれば良いのでしょうか。
して欲しくない行動をした直後に、顔に霧吹き等で空気や水をかけてみましょう。テーブルに上らせたくない場合は、ガムテープのようなベタベタするものを貼っておくのも良いかもしれません。
かまって欲しいと夜鳴きをする場合は、無視して、鳴いても効果がないことを教えましょう。「うるさいぞ!」と怒鳴ると、猫は「鳴けばかまってもらえる」と思い、逆効果です。
爪研ぎは猫にとって必要な行動なのでやめさせられません。爪をといでも良い場所を作り、そこを教えてあげましょう。
いたずら中の猫をやめさせるには、おもちゃで遊びに誘う、手を叩いて大きな音を出す等で刺激したり驚かせたりするのが効果的です。
まとめ
猫には猫の感覚や常識があります。飼い主さんはそれを理解して、猫に合う方法でルールを教えてあげましょう。