もったいない!
我が家のお坊ちゃまは、子猫用ミルクが嫌いな子猫でした。子猫のミルク作りって、必要な量は少ないのに、手順は多いし、洗い物も多くて、チマチマと面倒な作業です。
ビャービャーと鳴きながら頭突きを連打する「腹減った攻撃」をいなしながら、お湯を沸かして、ビンに粉ミルクを入れて、少し冷ましたお湯を注いで、シャカシャカ振って混ぜて、平べったいお皿に移して適温まで冷まして…。
という、一連の作業を経て「はい、どうぞ」とお出ししたら、速攻で「ミルクなんか飲まねぇぜ、ガキじゃねえよ」とお皿にザザッと砂をかける仕草をしてプイと去ってしまうわけで…。
やれやれ、触るものみな傷つけるお年頃なんですか、あなたは。
と言うわけで、我が家には、大量の子猫用ミルクが残っております。
食べないなら捨ててしまえばいいのでしょうが、昭和生まれでお婆ちゃんっ子なせいか、食べ物と本を捨てるのは、どうにも気が引けて仕方がありません。何かに使いたい!
さて、ミルクと言えば、やはり、お菓子が王道ですね。暑い日が続きますので作り置きの利かない「生っぽいもの」はやめておいたほうが良さそうです。そこで、ビスケットのようなものを焼いてみることにしました。
余談ですが
「ビスケット」「クッキー」「クラッカー」の違いって、皆さん、ご存じですか?この記事を書くにあたって、ちょこっと調べてみたところ、「一般社団法人 全国ビスケット協会」という、何やら楽しい名前がついた団体さんの公式サイトにたどり着きました。興味のある方は、一度、ご覧になってください。
猫用ビスケットのレシピ
材料
- たまご1個
- 片栗粉60g
- 子猫のミルク{粉末タイプ}大さじ5
- 鰹節 一握り
作り方
1. 全部の材料を順に混ぜる
卵をボウルに割りいれて混ぜ、片栗粉を入れて混ぜ、子猫のミルクを入れて混ぜ、鰹節を混ぜます。花かつおなど、1枚ずつが大きい鰹節を使う時は手をこすり合わせるようにして、細かくしながら入れてください。
2. 広げる
オーブン用の天板の上にクッキングシートを敷き、①の生地を薄く広げます。
3. オーブンで焼く
160度のオーブンで15~20分焼きます。パリッと焼き上げるために、オーブンが切れても取り出さずに、ある程度冷めるまで放置します。
※焼き時間はオーブンによりますので、調整してください。
4. 適当な大きさにカットして完全に冷ます
まだ、ほんのり温かい間に適当な大きさにカットして、完全に冷まします。
5. 完成
パリッと固めの仕上がりです。密閉できる袋やビンなどに入れて冷蔵庫で保存します。日持ちはしますが、手作りなので1週間くらいを目途に食べきるようにしましょう。
お猫様達の反応は?
出来上がると、すぐに食べてほしいのが人情ですが、間の悪いことに、お猫様たちは30分くらい前に食事を終えたところです。召し上がっていただけるでしょうか?
まずは、やはり、最年長のかたから。
お年寄りには好評です。熱心に食べていただけました。では、子猫のミルクが嫌いなお坊ちゃまはどうでしょうか?
最初は不審げな顔をしてクンカクンカしておりましたが、1個食べたら「もっともっと」と。やはり、おかかパワーは偉大ですね。
そして・・・
お犬様にも好評です。まぁ、コヤツは何でも食べるんですけど。
注意点
なお、手作りおやつを猫にあげる場合は、アレルギーや病気の有無を確認して、獣医さんに相談してからにしてください。特に、このビスケットは、卵や魚(鰹節)が入っています。人間と同じように、猫の食品アレルギーの中でもこれらのアレルギーは一般的だと聞きますので、充分に注意して、心配な子には与えないようにしてくださいね。
また、焼く前の状態から鰹節の香りが強烈に漂うので、猫たちが「何それ?ちょうだい!ちょうだい!」と、ものすごく集って来ます。
見た目はカスタードクリームのようですし、ちいさなベロでクリームを「ペチョペチョ」する姿は可愛らしいので、ちょっとつまみ食いさせたくなってしまうのですが、猫に生卵は禁物です。下痢をする可能性もありますし、生の卵白に含まれる「アビジン」という成分のせいで、ビタミンの一種である「ビオチン」が破壊されて、皮膚病の原因になったりします。
どんなに「頭突き攻撃」をされても、「スリスリ尻尾巻き付け攻撃」をされても、ぐっと我慢です。シッカリ焼けるまで、待たせてくださいね。
最後に
人間用のお菓子を作る場合は「分量が命」で、キッチリシッカリ計量して作る必要がありますが、これは、かなり大雑把で大丈夫です。粉末の子猫ミルクの量を増やしたり減らしたりして、生地の固さを調整してください。
目安としては、鰹節を入れる前の生地が「固いカスタードクリーム」くらいです。素敵なブランジェリーで売られているクリームパンの、とろけるようなカスタードクリームではなく、スーパーで「1個98円」とかで特売している方の固さです。