アニマルホーダーについて
アニマルホーダーとは?
たびたび社会問題として取り上げられることのある『アニマルホーダー』は、ひとことで言うと名前の通り『異常な動物収集癖を持つ人』(アニマル=動物、ホーダー=収集)となります。別名『アニマルコレクター』なんていわれていたりもします。
そんなアニマルホーダーは『依存症』『収集癖』『強迫神経症』などの精神的な病にかかっていることが多い傾向にあり、自分の精神を満たすために飼育できない数の動物を飼う。もしくは集めることがよくあるそうですよ。
また、自らの「可哀想な動物を救いたい」という強い気持ちが間違った方向に進んでしまい、後先考えずにひたすら動物を保護し過剰多頭飼育になってしまうことで、動物を悲惨で不衛生な環境のもと飼育する、餓死させてしまう。といったケースになることが数多くあったりします。
例えば1人の女性が100匹の犬を過剰飼育しているといった事例や、数十匹の動物を面倒みきれていないのにさらに動物を迎えようとする。といった事例は珍しくないそうです。
アニマルホーダーの異常性
そんなアニマルホーダーは動物を『収集』するのが目的となっている場合が多く、動物を迎えたあとはキチンと飼育できていないことがほとんどだそうです。
ウンチやオシッコの掃除をせずそのままにする。病気になっても病院に連れて行かない。そういった劣悪な環境で動物を飼っていることがよくあり、なかには飼育放棄して亡くなってしまった動物の遺体をそのまま放置するといったケースまであります。
そして、そんなアニマルホーダーは腐敗した動物の遺体のそばで、普通に食事をすることもあるのだとか……。こういった現状を知ると、アニマルホーダーの異常性にゾッとせずにはいられませんよね。
2020年に起きたアニマルホーダーの事件
2020年の6月には、京都府であるアニマルホーダーの事件がありました。動物保護ボランティアをしていて『神様』というあだ名をもつほど有名な50代の女性の家を調べると、猫や犬の遺体が数十も放置されていて、なかには白骨化したものまであったそうです。
さらに放置されていたウンチやオシッコは天井付近まで積もっていたのだとか……。また、この女性は信じられないことに自ら積極的に猫や犬の保護活動をしていて、年間200匹ほど引き取っていたそうです。
こういった事件を見ると、いかにアニマルホーダーはただ自分の誤った正義や自分の欲求を満たすために、間違った保護(収集)活動をしているのかが分かるのではないでしょうか。とても残酷で悲しい事件ですね。
アニマルボーダーとアニマルホーダーの違い
アニマルボーダー
アニマルホーダーと似た意味合いのものとして『アニマルボーダー』というものがあります。ときどき同じものとして扱われることがあったりするのですが、アニマルボーダーはザックリいいますと、自分だけでは世話しきれない数の過剰多頭飼いをしている人のこととなります。
一例をご紹介すると、アニマルボーダーは元々動物が大好きで保護活動をしていた人が多く、避妊手術をしていない保護した動物が子供を産んでしまって飼育崩壊をしてしまった。といったケースが多かったりします。
アニマルホーダー
一方、先ほどもお伝えしましたがアニマルホーダーも動物が好きという面では同じですが、基本的にコレクター的な意味合いと、歪んだ正義感で動物を保護(収集)していることが多く、キチンとご飯の世話や衛生管理、体調管理などができていない状態になっていても、自覚できずにいる場合がほとんどだそうです。
また、明らかに無理な過剰多頭飼いをしてしまっているのにもかかわらず、さらに動物を迎え入れてしまうケースがほとんどとなり、アニマルボーダーよりも飼われている動物が悲惨な結末を辿ってしまう傾向にあります。
ちなみにアニマルホーダーは精神的な病が理由になっていて、本人がいけない事をしているという自覚がないことが多いので、一度全ての動物を愛護団体などに保護してもらって問題を解決しても、しばらくするとまた動物を収集して、同じ過ちを繰り返してしまうことがほとんどだそうです。アニマルホーダーとアニマルボーダーはとても似ていますが、少し異なるようですね。
まとめ
近年社会問題となっているアニマルホーダーは、自分の精神的な欲求や不安を満たすために動物を過剰に飼育したり、集め続けたりして安心感を得ようとすることが多いといえます。
また、アニマルホーダーの多くは室内で飼育している場合がほとんどとなるので、異臭を放つなどの最悪のケースにならない限り、周りの人が過剰多頭飼いをしていると気づくのはとても難しいそうです。とても厄介なアニマルホーダーの問題が、今後少しでも解決していくことを願わずにはいられませんね。