オババニャンの食欲がない!
我が家のオババニャンは、推定15歳。去年の春にやって来た子ニャンコの面倒を見ながら、元気に暮らしています。 野良猫のサバイバル経験があるせいか、放っておくと他のニャンコのお皿にも顔を突っ込んで、平気で3匹分くらい食べてしまうオババニャンでしたが、ここ最近、少し食欲が落ち気味になってきました。
さて、普段よく食べる人が食べなくなるのは、恋をしているか、悩みがあるか、体調が悪いからです。オババニャンに今さら色恋はちょっと考えにくいですし、体調を心配して獣医さんに連れて行くには、もう少し様子をみてもよさそう。ん、悩みは?
思い起こせば
思えば去年の春以来、パワー全開の子ニャンコと連日の「プロレスごっこ」を強いられているオババニャン。最初の頃は、活動量が増え、食欲も体重もアップしていました。
しかし、今や子ニャンコも1歳近くなり「身体は成猫、脳内は子猫」という、一番、相手をするのが疲れるお年頃なはずです。これは、人間界でよくある「祖父母が孫を預かると、最初は楽しいけれど長くなると疲れてしまい、次に預かるのが憂鬱になる」なんて話と同じではないでしょうか。
ここは一発、オババニャンに何か美味しいものを食べさせて、ねぎらいと感謝を伝えるとともに、ストレスを解消させてやらなければいけません。
新鮮なアジが手に入ったら
オババニャンに何を買ってあげようかなぁ、世の中には「ちゅーる」とかいう猫たちを悪魔的に熱狂させるブツがあるらしいなぁ、などと思いながら、人間用の夕食の買い物に出かけたところ、お魚屋さんで、お目めキラッキラのアジと出会いました。おお、これだ!
お刺身用に3枚におろしてもらって、「アラの所も下さい」とお願いしました。中骨の周りや、アタマの後ろの所の身をスプーンでこそげて、そのまま食べさせてもよかったのですが、細かくなったアジと言えば「なめろう」だなぁ、などと思ってしまいました。
「なめろう」に一工夫
「なめろう」となると、何か他のものを混ぜて、一緒に包丁で叩きたくなるのが人情。そういえば、子ニャンコの「子猫用のミルク」が大量に残っています。このミルク、子ニャンコには不評でほとんど飲んでもらえず、オババニャンがいつもキレイになめていました。
「生魚にミルクは気持ち悪いぞ」という人間的な感覚は脇に置いて、細かくしたアジの身に子猫用ミルクを混ぜてみたところ、色と言いなんといい、なんとも、憧れの「ちゅーる」のようにも見えるではありませんか! という事で出来たレシピです。
猫の「にゃめろう」レシピ
材料
- アジなど魚のあら 1匹分
- 子猫のミルク 大匙1
※もちろん、リッチな方はお刺身の切り身でどうぞ。
※魚は生で食べられる新鮮なものを。
作り方
①魚のアラにくっついている身をスプーンなどで削り取る。
②①を細かく包丁でたたく。
③子猫のミルクを加える。
④包丁でたたきながら混ぜ合わせる。
⑤完成
オババニャン、大興奮
買い物から帰った時からウニャウニャと足元にまとわりついていた子ニャンコに比べ、調理中は爆睡、出来上がった頃にのっそり起きてくる、という経験値の違いを見せつけたオババニャンですが、お皿を前にしたとたんに大興奮で「フガフガフガ」と一心不乱に完食しました。
これによって、ある程度の量を一度に食べきる感覚を思い出したのか、その後は普段のごはんも以前の量に戻っています。
子ニャンコは
一方、子ニャンコですが、どうしても子猫用ミルクが嫌いらしく、ちょこっと口を付けた程度で「もう、いらない」と砂をかける仕草をされてしまいました。これ、飼い主としては、そこそこ傷つきます。
与える際の注意点
魚のアラも子猫のミルクも栄養タップリですし、愛猫も喜んでくれますし、いいことだらけですね。ただし、全ての猫ちゃんが、魚やミルクを食べて大丈夫なわけではありません。アレルギーのある子もいますし、持病によっては食べさせてはいけないもの、避けた方がいいものもあります。特に生魚はお腹を壊す子もいます。与える際には注意しましょう。
最後に
ついこの間まで、先住のオジイニャン達にプロレスをしかけて、ご飯を横取りしていたのに、いつの間かすっかり老猫となったオババニャン。心配な事も増えていますが、ちょっとでも長く、喜びのある暮らしをしてもらいたいと思っています。
我が家のワンニャン達には、日常的にはオヤツを食べさせていないのですが、昔の人がよく「調子の悪い時には『桃缶』」と言ったように、ちょっと調子が悪そうなときにはパッと元気が出るように、おいしいものを食べさせています。
このレシピも、そんな「桃缶」的オヤツです。本当は捨ててしまうものを上手に活用できた時の「ちょっと貧乏くさいかもしれないけど、なかなかの充実感」という楽しさにも共感していただけたらいいな、と思っています。
体にいいものでも食べ過ぎは禁物ですし、体調の悪い時には却って成分が強すぎることもあります。アレルギーや持病が心配な時は獣医さんに確認する、初めてあげるときには少量ずつにするなど、手作りのフードやオヤツを与えるときには、充分に注意するようにしてくださいね。