猫の『虐待事件』を減らすためにできること3つ

猫の『虐待事件』を減らすためにできること3つ

悲しいことに猫の虐待事件は後を絶ちません。そんな心が痛くなる事件を耳にするたびにできることは何もないのかと無力感に襲われてしまいますが、実はこれらの痛ましい事件は猫と接する私達の行動次第でかなりの件数を減らしていける可能性が高いのです。今回はそんな猫の虐待事件を少しでも無くしていくために私達が普段から気をつけたいことについてまとめてみました。

1.猫の居場所が分かる投稿は控える

パソコンを見る人と猫

最近ではSNSが普及し、一瞬のうちに大勢の人達が情報を得ることができるようになりました。しかしこれは多くの人が有益な情報をすぐに共有できる一方で、逆にその情報を悪用しようとする人もたくさん閲覧している可能性があるということになります。

SNSの代表格であるインスタグラムには「僕らの居場所を言わにゃいで」という#→ハッシュタグがあるそうですが、これは2016年に誕生した野外で暮らす猫達を守るためのメッセージです。

ハッシュタグ考案の経緯

野良猫

このハッシュタグの考案者である末吉弦太さんという方は、最初趣味で猫の写真撮影をしていたそうですが、SNSで知った情報を元にたくさんの人が猫に会えるスポットにやって来るのを見て、同時に猫を捨てにきたり、虐待をするために来る人もいるのではないかと危惧していたそうです。

そしてその予感通りに、末吉さんが撮影した猫と出会えるスポットが雑誌に紹介され、そこに猫が30匹以上捨てられるという事態が発生してしまったのです。現在、現在末吉さんの自宅には2匹の猫がいるそうですが、この猫達もその捨て猫の中から保護したのだそうです。

安易に猫のいる場所を知らせない為に

隙間からのぞく猫

末吉さんは自身のこのような経験からSNSのハッシュタグ→#「僕らの居場所を言わにゃいで」を広めることで、猫の居場所が分かる写真を安易にSNSに投稿することで起こる危険について、警鐘を促しています。

猫はとても可愛いのでつい誰かとその姿を共有したくなってしまいますが、悪意はなくても猫達の居場所が判明する写真をSNSに流すことが、結果的に捨て猫や虐待事件などを増やしてしまうことにも繋がるので十分気をつけなくてはならないでしょう。

2.安易に猫を譲渡しない

キャリーケースのなかの猫

猫を譲渡する理由としては例えば飼い主自身が病気になってしまったなど、どうしても猫の面倒を見ることができずやむを得ず譲り渡す場合や、他にも野外で保護した猫を一時的に預かっていて里親を探しているなどのケースがあります。

ネットの簡単なやりとりだけで信用しない

スマホを猫に見せる人

このように、猫の新たな飼い主さんを探す事情は人によりそれぞれですが、どのような場合でも気をつけなくてはならないのが、ネット上などで探した里親募集を信用して安易に猫を譲り渡してしまうということです。ネット上の簡単なやりとりだけで会ったこともない人を里親にしてしまうことは、今まで可愛がってきた猫達の命を危険にさらすことにもなりかねません。

猫の里親に募集してくる人の中には、本当に猫が好きで引き取りたいのではなく虐待目的だったり、中には動物実験の業者に売り渡す目的の人達もいるようです。また、他にも可愛がろうという意志はあるものの、異常な多頭飼いをしていて飼育環境が劣悪な状態の飼い主に譲り渡してしまう可能性もあるでしょう。

きちんとした団体を使って譲渡する

スマホを見る猫

このような事態を防ぐためにも、安易にネット上で里親になりたがっている人に譲り渡すのではなく、きちんとしたしくみで猫の譲渡を行っている団体の元で里親を探すべきでしょう。

例えば東京都中央区日本橋にある「ねこざんまい」という団体は猫の譲渡会を毎週行っていますが、ここでは飼い主さんと新たな里親になる人がきちんと会ってから、その後セミナーを受講する、トライアル飼育などのきちんとした流れを経て、やっと猫の新しい飼い主になることができます。

猫を飼うということは命を預かるということですから、猫達を後々危険にさらさないようにするためにも、きちんと顔見せして時間をかけてでも引き取りたい、という人に譲渡するべきでしょう。

3.虐待かもと思ったら動物のプロに相談する

獣医さんに抱っこされる猫

最近では悲しいことに、ネット上に猫の虐待動画がアップされたりして問題になっています。また、この他にも猫に対し直接暴力的な行為をするだけでなく、飼っているのにご飯をきちんとあげていない、掃除をしていない、狭い場所での異常な多頭飼いなど環境的な虐待が行われているケースもあります。

警察に通報をするべき?

電話と猫

このような虐待事件をネット上も含め身近で目にした時、まず考えなくてはならないのが警察への通報ですが、これについては、通報により相手に逆恨みされないかなどの心配があり(警察は通報者の身元は明かさないので、本来は心配ないそうですが)やはり連絡しづらい、という面もあるかもしれません。

そんな時は動物愛護センターに相談するという方法もありますが、他にも、もし自身が猫を飼っていてかかりつけの獣医さんがいるならば、そこで相談してみることも一つの方法のようです。

獣医さんにも相談出来る

獣医さんに抱っこされる猫

獣医さんは改正動物愛護法により、虐待を見つけた時は警察に通報する努力義務が課せられているのだそうです。この通報をするかどうかは努力義務なので、最終的に獣医さんの判断に委ねられますが、獣医さんは動物の問題のプロなので、相談することで今後の対処法や有益なアドバイスを得ることができるでしょう。

このように、動物虐待を目にした場合には自分で通報することも可能ですが、なかなかそれが難しい場合は、まず動物愛護センターや獣医さんなど動物の専門家に相談してみることが必要でしょう。

まとめ

のら猫

いかがでしたか?猫の動物虐待事件を聞くと、本当に悲しくなりますが、私達の心がけ次第で猫が辛い目にあったり、捨てられてしまうことを減らすことは可能です。

SNSで多くの人がより良い情報共有できるようになった一方で、悪意なく投稿した写真や動画が場合によっては、猫達の今後に関わる危険性もあるということも、同時に知っておかなくてはいけないでしょう。

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