猫に赤ちゃんを産ませないのなら、手術しましょう
我が家では2ヵ月ほど前から、TNR活動を始めました。
きっかけは2年前、元は野良だった雌猫を隣人が保護してきたのですが、その雌猫が脱走し、外で出産して、その時に生まれた8匹の中の3匹がうちの仔になり、2匹は隣人が引き取りました。
その後も、野良に戻ってしまった雌猫は2回出産。9匹の野良仔猫が増えました。その中の、後で生まれた1匹は庭に置いてあった、タイヤの中に落ちて鳴いていて、衰弱していたので保護しました。
翌年の春になって雌猫がまた、妊娠しているのに気づきました。その時の野良猫の数が10匹、これ以上増えたら大変なことになってしまいます。そこで、地域で保護猫、TNR活動をしているNPO法人さんにご協力をお願いして、TNR活動の申請をしました。
猫も手術せず放っておくと、急激に増えてしまうのを実感しました。不幸な命をこれ以上増やしたくありません。
地域で把握している全ての野良猫の手術は終わりました。妊娠していた雌猫も出産し、赤ちゃんが離乳をしたので手術しました。
猫の多頭飼育崩壊の現場
猫が増えてしまったのは隣人(Kさん)が、保護してきた野良猫を放置してしまったことが原因です。その隣人は逃げてしまった雌猫以外にも15匹飼育していました。
全て保護猫だそうですが、TNR活動をする際、隣人に「Kさんのお家には何匹飼っているんですか?」と聞いたところ10匹くらい飼育しているとの事。念のために猫の名前と毛色を1匹ずつ、聞いて書き出しました。
最終的には15匹いました。そして、後でわかったのですが1匹妊娠していることも判明しました。
ふだん、慣れている10匹は1階にいて、「手の付けられない、慣れない猫は2階に閉じ込めて、餌と水とトイレの掃除だけしている。」との事。
猫の避妊去勢手術
妊娠している猫が出産してから手術しましょう。ということになりました。もちろんTNR活動とは別で、自分で捕獲して、お金を払って動物病院で手術させるという事です。
それから1月半程が過ぎ、赤ちゃんもみんな里子のに出した、とのことでしたので手術をさせましょうという話になったのですが、Kさんは猫が捕まえる事ができなかったそうです。
手術していない猫は3匹で「雄が1匹なので雄を手術すればいいんだけど、その雄猫が凶暴で捕まえられないんです。」との事でした。そこで捕獲器を使用して捕まえる作戦にでたのです。
そして、Kさんには次の週に手術の予約をしてもらい手術の前日、一緒に猫を捕獲する事でその日は終わりました。
猫の捕獲当日まさかの事態に
主人が仕事から帰宅して、隣人宅にも「帰宅されたら声かけてください」のメモを玄関のドアに貼って待っていました。
隣人から、声がかかりました。この日に最後の仔猫を里親さんに引き取ってもらったそうです。
子猫を発見
捕獲器と100均で買ったネットで作った手作り捕獲ネットを持って、隣人宅2階にお邪魔して、捕獲のプランを相談していた時でした。
Kさんが、キャットタワーの中程のボックスになっているところから、衰弱して鳴かない、まだ目も開いていない小さな猫を取り出したのです!驚きました。
「4匹産んだんだけど、3匹は死んで、1匹だけ残って・・・」
それが、キキとの出合いです。
危機一髪の「キキ」
すぐに、キキを自宅へ連れていきました。ペットボトルにお湯を入れて、タオルを巻いたものとキキをタオルをひいたキャリーに入れて、ミルクを作って哺乳瓶で飲ませてみました。
キキはミルクをほとんど飲みません。一晩、様子を見ました。
キキの名前は危機一髪から取りました。黒猫なら、ジジが定番ですね。
その間、主人と隣人は格闘さながら、狂暴な雄猫とドタバタ戦って、捕獲器に入れることができました。一晩経って、キキは少しミーミーと鳴くようになりまり、ミルクも少しずつ哺乳瓶で飲めるようになりました。
保護してからの子猫キキの様子
保護してから1週間。ミルクの量も1回20~30ml位に増えて、体重も保護したときより40g増えました。
8ヵ月になるお姉ちゃん猫が、赤ちゃんのお人形を可愛がる子供のように抱っこしたり、お尻を舐めて世話もしてくれます。キキは5日間便秘だったんですが、お姉ちゃんのおかげで排便できました。
でも、お姉ちゃんは赤ちゃん帰りでしょうか、キキのいない間にキャリーに入って満足そうです。
まとめ
多頭飼い崩壊と言うと、高齢者などが、最初は1匹野良猫を保護して、だんだん数が増えて、経済的に手術ができない、など知識がなくて「手術はかわいそう」といった理由で手術をせず増えてしまうだけではありません。
飼育崩壊になりそうであれば、近所の人や知り合いにSOSを出す事が大切です。地域で猫の相談を聞いて協力してくださる所もあります。
できる限り当該動物がその命を終えるまで適切に飼育することに努めなければならないとされています。(終生飼養の原則)