家猫として飼う場合のメリットと注意点

家猫として飼う場合のメリットと注意点

完全室内飼育の家猫は、外に出してあげなくても本当に良いのでしょうか。もしも自分が一生家の中だけで生活しろと言われたら、あなたは耐える事ができますか?ところが家猫の場合は、それが全く苦痛では無いようです。ここでは家猫として飼う際のメリットや注意点について、詳しくご紹介していきます。

家猫の幸せについて

カーペットの上で眠っている家猫

昭和の時代には猫が外をうろついているのはよく目にする光景でしたが、最近はあまり目にする事が無くなりましたね。それは多くの家庭で、猫を室内だけで育てる家猫として飼うようになったからです。

里親募集や譲渡会などで猫を引き取る場合も、「室内飼育だけで猫を育てる事ができる人」というのが飼い主としての条件になっていたり、獣医さんから薦められるという人も多く、今や家猫のスタイルはすっかり定着しています。

けれども、産まれた時から死ぬまでの一生を家猫として家の中で過ごさなければならないというのは、動物にとって酷なのでは無いでしょうか。犬は毎日外へ散歩に行きますし、外へ出るととても喜びますよね。猫も同じ動物ですから、一日に一回は外に出て、自由に伸び伸びと暮らしていきたいのでは無いでしょうか。

ところが猫は、家猫として一生家の中で生活する事にストレスを感じる動物では無いのです。それは猫の習性からくるもので、猫は自分の生活スペースを「テリトリー」としているので、他の猫が侵入して来ることに強いストレスを感じますが、家の中では侵入者は来ません。また、家猫として飼われることで外から病気をもらってきたり、事故に遭ったりという命の危険からも守られ、長生きする事ができるのです。

家猫にする事のメリット

飼い主の横でソファーに座っている猫

自由に家から外へ行き来できる猫と違い、家から一歩も外に出さない家猫にはどんなメリットがあるのでしょうか。

家猫にすると事故から守る事ができる

猫が外に行けるようにしていたことで起こる事故の多くが、車に轢かれてしまう交通事故です。猫には狩猟本能から突然道路に飛び出していく事も珍しくなく、車が向かってきたら驚いて立ち止まってしまう場合が多いです。実際に猫が交通事故で死んでいる頭数は、殺処分されている猫の3倍にもなっています。

家猫にすると伝染病から守る事ができる

猫を家から出すと、他の猫との接触は避ける事ができません。外で徘徊している猫が全て飼い猫であるのなら、予防接種を受けている可能性もありますが、野良猫も多いという事や、飼い猫ですら予防接種をしていない場合もあるでしょう。

また、エイズのように予防法の無い病気を持っている猫と接触した場合、感染から避ける事はできません。こちらから寄って行かなくても、向こうから襲い掛かって来て病気をうつされてしまうこともある事を忘れないでください。

家猫にすると周囲に迷惑を掛けない

猫は一度オシッコをしたところに、繰り返し排尿や排便をします。外へ行かせることで、よその家の庭先でその行為が行われる可能性があるわけです。また、庭の大事な草花で遊んでしまったりする事も考えられます。

被害に遭っている家でも、面と向かって「お宅の猫が」とはなかなか言いづらく、ストレスは積もる一方で挙句に事件にまで発展してしまったという話も耳にします。外に猫を出す事で、近隣住民に迷惑を掛けている可能性があるのです。

家猫にする事の注意点

窓の外を眺めている猫

家猫として飼育する際に、注意しなければいけない点は運動不足です。猫は家猫として家の中だけで生活することに幸せを感じているので、まったりと一日を過ごします。動き回る必要も無いので、外で放し飼いにしている猫に比べると、運動量が不足してしまいます。また、運動不足による肥満になる場合もあり、肥満により病気になる事も考えられます。

家猫として飼育する場合には、猫が運動不足にならないように家の中を工夫してあげる必要があります。猫は敷地の広さより上下の空間を楽しみたい動物です。キャットタワーのような上から下へ、下から上へと動き回れるようなものを設置してあげたり、おもちゃや爪とぎなども必須です。あとは飼い主さんがたくさん遊んであげる事で、運動不足を解消してあげてください。

家猫のしつけ

テーブルの上にのっている猫

猫を飼うのであれば、家の中だけで飼う家猫にしてしまうのが一番です。一度でも外へ出してしまうと、家の中だけで飼われている事にストレスを感じる猫になってしまう事もあります。ですから、猫を買ってきたら、その日から絶対に外へは出さないようにして家猫にしましょう。

家猫にしつけをする際には、体罰などを行わないのは当然ですが、褒めてあげるというしつけもあまり意味がありません。例えば、大事な家具に爪とぎをする。これはよくある事なのですが、その場所で爪とぎをしたときには猫が驚くような音を鳴らすなど、不快に思わせるようにするのです。

また、入ってほしくない部屋がある場合にも、同じようにその部屋の中に入ると不快になるような工夫をします。猫の気配で超音波を発生させる装置なども販売されているので、利用してみるのも良いのではないでしょうか。

まとめ

ソファーで少年に撫でられている猫

家猫として一生家の中で過ごす猫は一見可哀想に見えますが、実はその方が健康を維持して長生きする事ができることに繋がります。家猫は家の中だけが自分の世界であり、窓から見える外を見て羨ましいとは感じていません。

時折窓から家猫がじっと外を見ている事がありますが、それは自分のテリトリーによそ者が侵入して来るのを、見張っているだけです。猫を飼うのであれば、ケガや事故の心配の無い家猫にするのが一番です。

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