招き猫の由来を解説!発祥とされている場所やご利益まで

招き猫の由来を解説!発祥とされている場所やご利益まで

招き猫と言えば豪徳寺という印象をお持ちの方は多いのではないでしょうか。でも実は多くの寺社仏閣で招き猫の由来が語られています。招き猫は幸せの象徴ですから由来には温かい逸話が多いです。それでは招き猫の由来を紐解き招き猫をもっと身近に感じてみましょう!

招き猫が猫である由来

なぜ招き猫は猫がモデルなのでしょうか?由来はどうなっているのでしょうか。

猫の習性が由来の元

テーブルに座って左手を上げる猫

猫の習性によって招き猫の由来となっています。猫は周りの変化に敏感ですからグルーミングをしたり顔を撫でているときは人が側にいるからなのだそうです。商いをしている家ではお客様が多く来て欲しいために敏感な様子を著している招き猫を置くようになったという事です。

猫は益獣のために招き猫

ねすみを狙う猫

書物や農作物を食べるネズミを退治していた猫が招き猫の由来とも言われています。特に養蚕農家では猫の存在価値は高かったようです。

また江戸時代に人々に人気のあった歌川国芳の描いた、「鼠よけの猫」という浮世絵も招き猫の由来のひとつのようです。この絵を貼っておけば、生きている猫を飼っていなくてもネズミよけに効果があると、お守りのような使われ方をされていたそうです。

日本猫は、海外においての魔女裁判のような哀しい歴史を持たず、「益獣」という地位を保っていました。これも猫が招き「猫」となった大きな理由です。

猫は日本人の生活に合う

神社に居る猫

日本人にとって猫が側にいることは呼吸をするように普通であり、自由さを持っている猫との共存に日本人は違和感を持たなかったのでしょう。犬は人間を主人としますが猫は人間を同じと見ているところがあるでしょうか。

猫は、エジプトでは神様として崇められていますが、日本では神様の使いとしての役割を持っていませんでした。

他の身近な哺乳類、爬虫類、鳥類は神様の使いとして信仰の対象になっているのに、猫と犬だけが信仰と結び付けられなかったのですね。信仰の対象にならずにずっと身近にいた事も、猫を招き猫にした由来でもあります。

今現在でも猫や犬に話しかけるとホッとすることはありませんか?猫はいつも日本人の側にいてくれる温かい動物なのです。

招き猫の由来

豪徳寺と井伊直孝伝説

豪徳寺の絵馬

荒れ寺であった豪徳寺の元である弘徳院は、和尚さまの生活もままならないくらいに大変な経済状態の中、迷い込んで来た猫を哀れみ世話を焼いていました。

ある日近江彦根藩主の井伊直孝が、鷹狩りの後に豪徳寺の前を通ると、一匹の子猫がおいでおいでの招き猫の仕草をして誘っているように感じたので豪徳寺の境内に入りました。和尚も動じる事無くお相手をしていた所、にわかに雷鳴がとどろいてきました。

直孝は猫に招かれて雷の難を逃れたと豪徳寺を菩提寺にしました。和尚も猫のおかげで良い運に恵まれたということで、猫が死んでしまった後は墓を作り大切に祀りました。これが招き猫の由来と豪徳寺では言われています。

直孝が生まれたのは1590年ですが招き猫という形になったのは大正時代だそうです。ちなみに彦根の「ひこにゃん」はこの招き猫の逸話を由来として作られているそうですよ。

住所:東京都世田谷区豪徳寺2-24-7

浅草寺 夢に出る猫

浅草寺の招き猫のお土産

江戸時代末期には浅草寺周辺で、地元の焼き物である今戸焼きの招き猫が流行ったそうです。歌川広重の「判じ絵」にも、浅草寺を舞台にした招き猫である丸〆猫が描かれています。

浅草寺には招き猫の由来である3つのお話があります。1つ目は飼い猫が老婆の夢枕に立つ話、2つ目は飼い猫が老人の夢枕に立つ話です。

どちらの場合も、夢の中で飼い猫が自分の像を作り拝めば良い事があると言います。早速「猫の像」を売り始めると、願いの叶う像であると評判になったため、老婆も老人も経済的に楽になったというお話です。

3つ目は病気を治す猫のお話。死んでしまった猫が老夫婦の夢枕に立ち「猫の像を拝めば病気を治す」と告げました。実際、焼き物の猫を作って拝んだところ、様々な人の病気を治したことが評判となったという話です。

このときに作られた焼き物の猫が、現存する最古の招き猫ともいわれており、名前を「丸〆猫(まるしめのねこ)」といいます。

住所:東京都台東区浅草2-3-1

西方寺 吉原の遊女を守る猫

おいらん行列

東京都豊島区の西方寺には、吉原の遊女であった薄雲太夫の墓を守る猫の置物があり、招き猫の由来と言われています。

江戸中期に実在していた遊女の薄雲には、可愛がっていた三毛猫がいました。ある日薄雲の着物の裾に噛み付いて前に進めなくしたため、恐ろしいと首を切られてしまいます。ですが切られた首は、物陰に隠れていた大蛇のところへ飛んでいき、かみ殺していました。実は大蛇から薄雲を守っていたのです。

大変反省して丁重に三毛猫の死を悼みましたが薄雲の哀しみは溶けませんでした。その様子を見た薄雲を贔屓にしていたお大尽が、舶来の伽羅に猫を彫らせて薄雲に贈ったそうです。これが大変に評判となり浅草で似たような置物が売られるようになったとか。元々浅草にあった西方寺ですが関東大震災の後に豊島区に移転しました。

住所:東京都豊島区西巣鴨4-8-42

檀王法林寺 黒招き猫伝説

京都にある法林寺は寺社関連の招き猫の由来では日本最古と言われています。主夜神(しゅやじん)という神様が祀られている寺社ですが夜を守る神様として黒猫と結びつき招き猫の由来の場所となったようです。右手上げの招き猫を扱う事を法林寺以外では禁じていたと文献にあるほど招き猫の由来としては強い伝説があるようです。

住所:京都府京都市左京区川端通三条上る法林寺門前町36

伏見稲荷大社説

伏見稲荷大社

招き猫は元々土人形であったという事です。全国に約100種類ある土人形はほとんどが発祥の地である京都の伏見人形を元として作られているそうです。招き猫の元祖である土人形が伏見人形であるために招き猫の由来の場所と言われています。

住所:京都市伏見区深草薮之内町68

自性院の猫地蔵説

招き猫の由来として新宿区の自性院の太田道灌の説もあります。太田道灌が戦いに破れて道に迷っている時に黒猫が自性院に招いてくれ難を逃れ、次の戦いでは勝利を収めたという逸話があります。

道灌が黒猫の死を悼んで手厚く弔い、地蔵像を自性院に寄付した事で招き猫の由来の場所になりました。江戸時代には猫の顔をしたお地蔵様も作られています。

住所:東京都新宿区西落合1-11-23

今戸神社

今戸神社の猫地蔵

今戸神社を招き猫の由来としている逸話や文献は残っていません。「今戸焼き」の招き猫を浅草寺で売り出したという浅草寺の逸話より「今戸焼き=今戸神社」が名乗りを上げているのではないかと言われています。浅草寺と今戸神社は大変に近いので浅草界隈の観光の助けになる事は間違いありません。

東京都台東区今戸1-5-22

招き猫の右手左手の意味

招き猫は上げる手によってご利益が違うといわれています。

右手上げ、左手上げ

右手を挙げた招き猫

右手を利き手にしてお金を払う人が多いという事から、お金を招いてくれる招き猫は右手上げ。人を招いてくれる招き猫は左手上げです。

両手上げ

両手を挙げる招き猫

両手上げの招き猫はもちろん「金と人」とを両方招いてくれるように願っています。ただし「お手上げ」というポーズにも繋がると見えるようで避ける方も多いようです。

手長と手短

手が長い招き猫

実は上げている手の長さにも意味があるのです。

控えめに耳より短く上げている招き猫は「手短」と言われます。近くのささやかな大きさの福を招くと言われています。

耳を越して上がっている手は「手長」と言われます。遠くの大きな福を手が長いほど招くと言われています。ただし長すぎると招き猫が壊れやすくバランスが悪いというイメージもあります。招き猫の由来には戒めも多く含まれているんですね。

招き猫の色柄とご利益

船が沈まない三毛の招き猫

遺伝的な理由から、生きている三毛猫はほとんどがメスなので、オスの三毛猫は現在でも希少価値の高い猫です。そこから三毛猫の招き猫は船が沈まないで福を呼ぶといわれ、大切にされています。

開運!九谷焼 太っちょ 招き猫 金三毛くん(布団付き)

開運!九谷焼 太っちょ 招き猫 金三毛くん(布団付き)

九谷焼の三毛猫の招き猫です。三毛猫の由来に基づくと大変にご利益のある招き猫ですね。

開運招福の白い招き猫

純真無垢である白色の招き猫は「開運招福」にご利益があると言われます。一軒に一つ置いておくと縁起が良いようです。

九谷焼 右手 招き猫 白盛(座布団付)

九谷焼 右手 招き猫 白盛(座布団付)

同じく九谷焼の白い豪華な招き猫です。上げているのは右手ですが、白色は全てに効果があるとされてもいるので、一つ家に飾りたい招き猫ですね。

厄除安全の黒い招き猫

夜目で見える事から由来し、黒い招き猫は厄除と安全にご利益があるといわれています。檀王寺の主夜神の御遣いも黒猫です。日本では西洋とは違い黒猫の地位は高いのです。

黒8寸招き猫

黒8寸招き猫(右) [24.5cm 600g] 【招き猫】

小判を持っている黒い招き猫です。夜目が利くと言う由来から夜に営業している店舗への開店祝いなどにも効果がありそうです。

金運に効果のある金色の招き猫

お金と言えば昔から小判と言うほど金色のイメージがあります。そこから由来し金色の招き猫は金運向上を望めます。店舗の開店祝いにも人気があるようです。

金色招き猫

金運アップグッズ 招き猫

色の意味に由来し、招き猫を手に入れるなら金色とお考えの方は多いでしょう。こちらの金色の招き猫は表情が柔らかくかわいらしいので、家庭に飾るインテリアとしても最適ですね。

金運と繁栄をもたらす黄色の招き猫

中国の風水では黄色が金運に効果のある色です。黄色は土に由来し「土」は「金」を生むそうです。大地に根付き金を生むという素晴らしいご利益で、中国でも人気のある黄色の招き猫です。

九谷焼 小判乗り招き猫 黄盛 4号

九谷焼 小判乗り招き猫 黄盛 4号 (右手) N76-10

この九谷焼の招き猫は、洋風のインテリアにも合うデザイン。右手上げ×黄色なので金運に絶大な効果がありそうですね。

健康や長生きに効果のある赤い招き猫

1955年に日本から無くなった天然痘は、それまで猛威をふるっていました。この天然痘が嫌う色が赤と言う由来から、健康にご利益があると言われています。抗生物質が見つかるまでは風邪も恐ろしい病気の一つでした。

大正ロマン 招き猫

瀬戸焼 古色三河猫 赤猫(大)
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瀬戸焼の立派な顔立ちのレトロな招き猫です。錆朱の味わいで赤い色由来の健康が向上しそうです。よく赤いパンツを履くとお腹が冷えないとも言いますから、女性は特に赤を身につけると良いのかもしれません。

恋愛成就のピンク色の招き猫

ピンクと言う色は風水では恋愛を想像させる力があるとされています。それが由来となりピンクの招き猫は恋愛成就に大変人気があります。

招き猫 ペア

[PLUS COMFORT] 招き猫 ペア 両手 陶器 お土産 日本 自宅 置物 (ピンク)

恋愛成就に由来する色としてピンクの招き猫を手に入れましょう。そして強く運を引き寄せるためにペアの招き猫を家に迎えるのが良いでしょう。

学業向上の青い招き猫

青色の招き猫は学業に効果があると言われています。青い色は心を整えてくれる効果があるので、そのような事が由来となり、青い招き猫は冷静さを必要とする学業に福をもたらすのでしょうか。

リヤドロ LLADRÓ 招き猫

リヤドロ LLADRÓ 人形 招き猫 ブルー 01008529

リヤドロの特徴である青を使った招き猫です。大変に美しい陶器であり両手が上がっているのが大変に個性的な青い色の招き猫です。青い色の由来も効果を発揮してくれそうです。

票が集まるヒョウ柄招き猫

ヒョウ柄の「ひょう=選挙の票」とかけて票が集まるように招き猫の柄にしているようです。選挙に関わる人以外にも売れ筋だそうです。

ヒョウ柄招き猫

リヤドロ LLADRÓ 人形 招き猫 ブルー 01008529

金運の右手ではなく人を集めるという由来である左手が上がっています。長野県で作られた陶器の招き猫で大変に美しい招き猫です。

まとめ

女性に抱かれて左手を触られている猫

招き猫の由来について、発祥とされている場所やご利益についてお伝え致しました。身近にある招き猫の由来を知ると日本人と猫の間には温かい絆があるのではと感じました。猫はこれからもずっと日本人と共に生きて行くのでしょうね。

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