猫の最期の様子
病気や老衰で旅立つ時が近い猫ちゃんには、最期どんな様子が見られるのでしょうか。
呼吸が速くなる
猫は下顎が下がり、口呼吸になります。
ハァハァと呼吸が速くなったかと思えば、その後再びゆっくりに。そして最期はそのままそっと息を引き取ります。この場合、あまり苦しまず安らかな様子で最期、亡くなる猫ちゃんが多いです。
鳴く
最期が近づくと鳴くことも困難となりますが、亡くなる前日や当日の最期に、なけなしのチカラを振り絞り、まるで「ありがとう」と言っているかのように鳴いてくれる猫ちゃんもいます。
歩行困難
少しずつ足腰も弱まり、ふらふらした歩き方から徐々に歩行困難になっていき、最期はほとんど寝たきりになります。
寝たきりになってもトイレは自力で行きたがる猫ちゃんが多いので、猫ちゃんの近くにトイレを設置し、トイレに行きたそうな様子でしたら、トイレ前まで抱っこして連れていってあげたりすると良いですよ。
痙攣、嘔吐
猫が最期に息を引き取る直前、身体が痙攣したり、場合によっては嘔吐をしてしまうことがあります。
脱糞、失禁
最期の死を受け入れた猫ちゃんであれば眠るようにゆっくり亡くなるのですが、中には抵抗をして頑張ろうともがく猫ちゃんもいます。そういったタイプの猫ちゃんは、苦しくて脱糞や失禁をしてしまうこともあります。
水やごはんが食べられなくなる
猫はごはんが食べられなくなり、水も飲もうとしなくなってしまったら、もういよいよ最期が近いと思ってください。猫が何も口にしなくなってしまったら、大体3日以内に息を引き取る可能性が高いようです。
姿を消す
死期を悟ると、大好きな人を悲しませたくない、弱っているところは見られたくない、または涼しい所や安全な場所を求めてひっそりと姿を消してしまう猫ちゃんも一定の数がいます。
見た目は変わった様子がみられなかったのに、ある日突然姿を消す場合もあるので、飼い主さんが気づかず、そのままになってしまうことも…。
猫を完全室内飼いであれば、その心配はありません。
猫の最期を看取る方法
上記の症状がみられ、もういよいよその時は近いと感じたら、飼い主としてどうしてあげるのが最善な方法なのでしょうか。
できれば自宅で看取る
1日でも長く生きてほしい、そう思うのは飼い主さんであれば当然です。
しかし、病院のケージの中で1人ひっそりと最期を迎えるより、今まで育った場所で大好きな家族と過ごし、最期は安らげる匂いに包まれながら亡くなる方が、猫ちゃんにとっては嬉しいのではないでしょうか。できれば自宅に引き取り、限られた時間をなるべく一緒に過ごしてあげてほしいと思います。
猫ちゃんの意思を尊重する
いくら体調が良くなくても、構ってほしい性格の猫ちゃんと、ほっといてほしい性格の猫ちゃんがいます。猫ちゃんのそばを離れると鳴いて寂しがる子であれば、できるだけ一緒にいてあげて部屋の隅や狭いところに移動し、1人で過ごしたそうであれば、できるだけそっとしておいてあげるのが良いでしょう。
体温を下げる手助けをする
最期、亡くなる前は体温が下がっていくので、温めてあげようと湯たんぽを用意したり、タオルを猫の身体にかけたりする方もいると思いますが、それらを嫌がる猫ちゃんもいます。嫌がる場合には無理に強要しないようにしましょう。
ただ、回復の見込みがある場合は温めてあげる方が良いです。
温めるのを嫌がるのには理由があり、体温が下がっている状態の時に逆に上げようとすると、その分余計な体力を使ってしまうのです。
死期が近く、いつ息を引き取るか…という時は、かえって保冷剤やひんやりマットなどで体温を下げる手助けをしてあげた方が、猫ちゃんはラクに過ごせます。
抱っこをしてあげる
最期が近そうな様子がみられたら、寂しがりな猫ちゃんであれば是非、最期は抱っこして看取ってあげてください。
あまり構ってほしくない猫ちゃんでも、膝や手を枕にしたり撫でてあげたりして、できる限り触れてあげると良いと思います。天国へ旅立っても、大好きな飼い主さんのぬくもりを忘れないことでしょう。
笑顔で声をかける
今まさに旅立とうとしている猫ちゃんを前に、笑顔を作るのはとても困難なことと思います。
しかし、一瞬でも構いません。猫ちゃんが一番見たいであろう、あなたの笑顔を最期に見せてあげてほしいです。そして名前と「ありがとう」「よく頑張ったね」と声をかけてください。
まとめ
猫ちゃんが長生きしてくれればくれるほど、最期の別れはとても辛いものになります。
運良く猫ちゃんの最期を看取ることができれば良いのですが、亡くなる前兆に気づき、頻繁に様子を見て、長い時間側にいたりしても、タイミングが悪く目を離しているうちに亡くなっていた、なんてこともあります。実際、最期を看取ることができた飼い主さんは半分くらいしかいないそうです。
亡くなってしまった後は「あの時ああしてれば」「こうしてあげたら良かった」など少なからず後悔は出てきます。猫を看取ることができなかった場合には余計にその想いは強いでしょう。
とてもありきたりな言葉ですが、猫ちゃんは飼い主さんに感謝をし幸せを感じながら旅だったはずです。亡くなってしまって悲しい、寂しいと落ち込むことは全く悪いことではありません。ゆっくり時間をかけて心の整理をつければ良いのです。
しかし、後悔して落ち込むのは天国にいる猫ちゃんも辛く、あまり良いこととは思えません。大好きな飼い主さんが、自分を愛し、自分のためにいろいろ考え、そして最善の努力を尽くしてくれたそのことこそが、猫ちゃんにはとても嬉しいことなのです。
亡くなってしまっても忘れることなく、たまに思い出したりしながら日々を過ごす…、これが天国に旅立った猫ちゃんにとって、一番幸せなことなのではないでしょうか。