猫の利き手の不思議！研究によって分かったその調べ方や性別との関係

猫に利き手はあるのか

• 猫にも利き手がある！
• 猫の利き手は性別でちがう

猫の利き手について2009年と今年2018年に発表された研究結果によると、お家で飼われている猫ちゃんたちの大半に、前足の左右どちらかを好んで使う"利き手” があるとされています。そして、猫ちゃんの性別によって左右どちらか分かれているのだそうです。

猫の利き手に関する研究

イギリスで行われた猫の利き手に関する研究

猫の利き手についての研究は、論文の著者でもある、英クイーンズ大学ベルファスト校の心理学者デボラ・ウェルズ博士と助手のサラ・ミルソップさんによって行われました。

この猫の利き手についての研究は2009年にも実施されましたが、今年（2018年）に入ってから新しい論文が発表されています。今回は、オス猫24匹とメス猫２0匹、合計44匹の猫ちゃんたちを対象に実施されました。

利き手の研究に参加した猫ちゃんたちはすべて去勢済み、1〜７歳と７歳〜17歳までの２グループに分けて調査されました。

猫の利き手を調べる方法

前回2009年の研究時に使われた、瓶に入った食べ物を取り出す利き手テストに加えて、

• トイレに入るのにどちらの足から踏み出すか
• 階段を降りるときはどちらからなのか
• 寝転がるときにどちら側を下にして寝るか

という、猫ちゃんたちが普段過ごしている環境の中で自発的に行うもので調査されました。

猫の利き手に関する研究の結果

• 73％の猫ちゃんが、左右どちらか優先的に食べ物に伸ばす利き足がある
• 70％の猫ちゃんが、階段を降りるときに先に踏み出す利き足がある
• 66％の猫ちゃんが、トイレに入るときに先に踏み入れる利き足がある
• 横になるときに特定の向きがあるかどうかに関しては、特に違いがなかった

以上の結果、４分の３の猫ちゃんが左右どちらかの足を優先的に使っているのがわかったということです。

そしてどの行動においても、やはりオスの利き手は左、メスの利き手は右が優位という結果が出ました。
その理由も先述の　”性ホルモン” 説に加えて、オス猫とメス猫の脳の構造の違いがあるのでは無いかとの記述があります。

どっちが猫の利き手か調べる方法

• 猫の利き手を調べる方法：瓶の中のおやつをどちらの手で取るか？
• 猫の利き手を調べる方法：どちらの手でねこじゃらしを掴むか？

では、お宅の猫ちゃんはどうでしょう？

調べてみると面白いかもしれません。調べる方法としては、ウェルズ博士のやり方をそのままお家でやってみるのはどうでしょう。

例えば、瓶の中にお気に入りのおやつを入れて、猫ちゃんがどちらの足を入れて取ろうとするか、猫じゃらしを振ってみて、どちらの足を伸ばしてじゃれつくかなど楽しみながらできそうです。記録ノートを作って本格的に調べることもできますね。

猫の利き手が性別で違う理由

• オス猫は左足が利き手
• メス猫は右足が利き手とされている

猫の利き手はオス猫は左足、メス猫は右足を使う傾向にあるそうですが、一体その原因はなんなのでしょう。最新の論文では、性ホルモンによるものである可能性が高い・・・と記されているだけで、まだこれと言ってはっきりとした結論には達していません。

まだ猫の利き手については研究が進んでいる段階ですが、性差による役割の違い（ハンティングや世話をする事など）、行動パターンの違いによる影響も考えられるとのことです。

まとめ

人間の90％は右利きなんだそうです。以前は人間のみに存在すると考えられていた利き手ですが、研究が進むにつれ科学的に証明されているだけでも、両生類、齧歯類、霊長類、有袋類、犬、馬、クジラなどに左右どちらかを好んで使う傾向があるとのことです。

また、ウェルズ博士が犬に対して行った同様の研究では、左利か両利きのイヌは右利きのイヌに比べると、怖がりでストレスを強く感じるという結果が出ています。

そして、ウェルズ博士はこれがネコにも当てはまるのではと考えておられて、さらに、トレント大学の神経科学者ヴァッロルティガーラ先生は、動物福祉の指標として利き手の研究は興味深い課題だと語っています。

確かに、利き足を通して個体の性格などが探れるとしたら、お世話する上で非常に役に立ちそうですよね。

まだまだ進みそうな、興味深い研究に目が離せませんね。

お宅の猫ちゃんは右利きですか、左利きですか？