猫が店員の「猫本屋」?クラウドファンディングで実現した「猫本の国」

猫が店員の「猫本屋」?クラウドファンディングで実現した「猫本の国」

「ネコのいる本屋をつくって、ネコを助けたい」という思いが生んだ「猫本屋」をご存知でしょうか。2017年8月8日(世界ネコの日)東京・三軒茶屋にオープンしたある本屋さんが話題になっています。

猫がいる猫本屋さん「Cat's Meow Books」

外観写真

2017年8月8日世界ネコの日に東京・三軒茶屋にオープンした本屋「Cat's Meow Books」さんは「猫のいる、猫本だらけの、猫と人を幸せにする本屋」をコンセプトに、保護猫が看板猫、書店店員を務め、そして書店の売り上げの一部を猫の保護活動に寄付するといった「猫と人との助け合い」で経営されている書店なのです。

本と猫ちゃん

そして店内は、新刊、古書を問わず「猫本だらけ」猫本と言っても猫の絵本や写真集だけではなく、主人公が猫を飼っている小説や、猫が表紙に描かれている人文書など「必ずどこかに猫がいる」書籍が並びます。

コーヒー

猫ラベルのドリップコーヒーや、クラフトビール等も用意されており「猫がいる空間で、猫本と、猫印のドリンク」を楽しむ事ができます。

「猫につぐないをしたい」

三郎君

Cat's Meow Booksの経営者である安村さんは、Cat's Meow Booksをオープンするきっかけのひとつとして、店を無事にオープンする事ができたら「猫につぐないをしたい」と考えていたそうです。

現在、安村さんの自宅で共に暮らす愛猫「三郎」は、かつて安村さんが住んでいたアパートの庭先で、生後間もなく目も開いていない頃に、母猫から育児放棄されたところを保護したそうです。三郎くんは現在15歳になり、今まで元気でいてくれたことには大感謝しているがひとつだけ、悔やんでも悔やみきれないことがあるというのです。

それは「三郎の兄弟を助けられなかった事」

当時、ペット禁止の部屋に住んでいた安村さんは、一晩中ミーミーと泣き叫ぶ彼らをどうすることもできず死なせてしまったのだと。今までは三郎くんだけでも、大切に育てていく事がせめてものつぐないだと思ってきたが、もっと他の猫たちにできることがあったのではないか。そんな気持ちが膨らみ続け、「理想の本屋をつくる」という自分なりの方法で、猫の保護活動を手伝いたいと思うに至ったそうです。

里親の見つからない猫達を積極的に受け入れ、本屋を助けてもらう。そして、売り上げの一部を寄付する事で猫の保護活動に協力する。そんな猫と人との助け合いを形にしたのがこのCat's Meow Booksなのですね。

店長代理

現在では、店長三郎くんの負担にならない様に出勤は控えめにされているそうで、その際は三郎モデルの店長代理さんがお出迎えしてくれるそうです!

クラウドファンディングサービス「CAMPFIRE」

イメージ図

Cat's Meow Booksをオープンするにあたり、リノベーションや猫本の仕入れなどに掛かる費用は、全て自己資金や銀行からの借入れによってまかなうつもりで計画していたところ、店舗物件の解体検査で見つかったシロアリ等の対策によって追加費用が必要となり、店員猫専用の内装にどうしても100万円程度不足することになってしまったそうです。

そこでクラウドファンディングサービス「CAMPFIRE」にて、店内の専用本棚やキャットウォーク、店員猫のトイレやベッド等の費用を募集するプロジェクトを立ち上げたのです。このプロジェクトは、2017/05/25に募集を開始し、303人の支援により2,727,842円の資金を集める事となり、Cat's Meow Booksは無事オープンに至りました。

寛ぐ猫

まさに、人と猫の繋がりと、人の温かさによって実現したのですね。この結果は、安村さんの人柄も大きく影響しているのではないでしょうか。安村さんは「残りの人生を猫の保護支援と本屋に捧げよう」と考えられており、また驚いたのは、店舗家賃等のリスクも含め、店員猫達に不自由させない為、以前と変わらず会社員を続けながらCat's Meow Booksを経営されるという事です。

そして、店員猫達に寂しい思いをさせない様、書店を店舗兼自宅とし、自身が出社中はご家族が店員猫達のお世話をするとの事。このような猫達に真摯に向き合う安村さんの気持ちが、多くの方の心を惹き付けたのですね。

猫と本

Cat's Meow Booksさんを知った時、最期に本を手に取りゆったりとした時間を過ごしたのは学生時代だっただろうかと考えました。インターネットやスマホ、電子書籍等の普及により、紙の本を手に取る機会は非常に少なくなってしまいましたよね。ただ、紙の本だけが持つ「温かさ」は、バタバタと過ぎる日常の中で、心にゆとりと豊かさ、忙しい日常に疲れた心に夢を与えてくれるものです。是非、Cat's Meow Booksさんの猫達がいる、猫本だらけの夢の国でゆったりとした大切な時間を過ごして下さい!

安村様より頂いたコメント

安村様と猫ちゃん

『猫を目当てに来られた方が本を読むきっかけになったり、反対に、本を目当てに来られた方が保護猫のことを知るきっかけになったら嬉しいです。もちろん、猫も本も(そしてビールも!)好きな方のお越しもお待ちしております。』

安村様、ご協力ありがとうございました!

まとめ

アイコン

Cat's Meow Booksには、オープンから1ヵ月余りで多くの愛猫家さんや有名猫本作家さんが来店されています。電子書籍の普及により、「本」本来の温かさに触れる機会が減っているこの時代に、猫がいる温かい空間で、本を楽しんでみませんか。

投稿者

40代 女性 かなこ

猫本の国、とても素敵だと思います。
猫ちゃんを、保護することは素晴らしいことですよね。苦い経験もあってのことだということで、いいことをされているなと思います。
家が近かったら、ぜひ行きたいなと思いました。猫ちゃんに、興味があったり保護猫のことが知りたかったり、はたまたクラフトビールを手に入れたくなったら、猫本の国を訪ねると良いことがありそうですね。

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