母猫について
一言で「母猫」といっても置かれた立場によって状況も様々です。完全室内飼いの母猫と、野良猫の母猫では抱えているものの大きさが違います。室内飼いの猫の場合は飼い主さんが助けてくれますが、野良猫の場合は誰も助けてくれません。ここでは母猫について学んでいきましょう。
猫が母猫になるまで
個体差はありますが、メス猫は生後6か月から1年程の間に発情期を迎えます。もちろん、そのタイミングでの妊娠も十分に可能です。季節繁殖動物なので、メス猫の発情期はおよそ2月から9月頃までと限られています。
妊娠初期はホルモンが活性化して毛艶が良くなったり、食欲が減退したり、いわゆる人間で言うところのつわりのような症状が出ることもあります。妊娠15日〜18日になると、乳首がピンク色、あるいは赤みが増してきて大きく膨らみます。
「もしかしたら妊娠?」と思った場合は、自己判断せずに飼い猫の場合は獣医師の診察を受けた方が安心です。妊娠28日を過ぎた頃にはお腹も大きくなってくるので妊娠に気付きやすくなるでしょう。
猫の妊娠期間はおよそ60日〜68日で、その多くは63日〜65日で出産を迎えます。出産準備に入るのは60日からで、それ以前に生まれる子猫は早産となるため、死産や生後間もなく命を落とす場合があります。
猫は安産型の動物で、これも個体差がありますが、一度に平均3匹から5匹前後の子猫を産みます。多い猫では8匹の子猫を生んだ子もいるそうです。メス猫は年に3回ほど発情期が来ます。
親、兄弟との近親交配もあるので、繁殖を考えていない場合は、早めに避妊することをおすすめします。これもまた個体差はありますが、メス猫は12歳前後まで妊娠・出産が可能だと言われています。
しかし高齢出産は死産だったり、弱った子猫が生まれたりとリスクも高く、母猫の体力的な問題もありますので余りおすすめ出来ません。リスクのない出産を望む場合は7〜8歳くらいまでがタイムリミットです。
母猫の子育て
人間にもいろいろなタイプの母親がいるように猫にも様々なタイプの母猫がいます。正に野良猫の母猫に多いのは、餌を探しに行く時以外はずっと子猫のそばにいるタイプです。甲斐甲斐(かいがい)しく世話を焼き、子猫を天敵やあらゆる事故から守ります。正に命がけの子育てです。
それとは反対に育児放棄をする母猫もいます。このタイプはもしかしたら、野良猫より、飼い猫に多いのかもしれません。飼い猫は黙っていれば、飼い主があれこれと世話を焼いてくれる環境にいるので、本来なら出産と共に芽生えるはずの「母性本能」が全く芽生えないパターンもあるようです。
子猫が生まれたら、あれこれ手を出したい気持ちは理解できますが、母乳を与えなくなったら大変なことになるので飼い主は我慢しましょう。この時期は子猫にとってはとても大事な時期で、母猫との触れ合いがその後の精神的成長の糧となります。
母猫の母乳はその時期に必要な栄養分が全て入っているので、元気で丈夫な猫になるためには欠かせません。離乳期は生後6週〜10週で、徐々に乳離れをするので自然の成り行きに任せると良いと思います。
子猫の母猫離れ
ある程度、子猫が成長すると母猫は子供を縄張りから追い出そうとします。飼い猫も子猫を威嚇します。これは生後6か月頃に見られる行動ですが、「親離れ」が始まったと思ってください。
最初、突然ひょう変した母猫の態度に子猫はとても戸惑い、今まで通りに甘えようとします。しかし、もう受け入れて貰えないと思うと、やがて自立心が芽生え、野良猫の場合は一人で行動するようになります。そして母猫は次の出産の準備を始めるのです。
飼い猫の場合は、いつまでも良好な親子関係を築いていく場合もあります。しかし余りにも母猫の攻撃がひどい場合は、避難場所を用意して、子猫が隠れられるようにしてあげて下さい。
猫に限らず動物は時間が経つと、自分たちが親子だったという認識も薄れて来ます。少し寂しい気もしますが、それが自然の摂理なのです。
まとめ
我が家の近所は野良猫無法地帯なので、何度か子猫を生んだ母猫に遭遇したことがあります。野良猫だからか餌探し以外は、ほぼ子猫たちに付きっきりで、甲斐甲斐しく世話を焼いている姿に「人間よりよほどしっかり子育てしてるな」と感じたことがあります。
その反面、「自分には育てられない」と感じると、子猫を食べてしまう母猫もいると聞き、その奥深さに驚きました。人間の世界も猫の世界も、母は強しですね。
40代 女性 みなちゃん
母猫は、初めての妊娠で戸惑っている様子でしたが、出産も頑張りました。
子猫が生まれると、素晴らしい母猫になり子猫を守って育てました。途中で、母乳が出なくなり心配しましたが、乳腺炎を治してからは再び頑張って母乳を与えていました。
私たちが、手助けしなくても母乳を与え続けて素晴らしいと思いました。
離乳時期には、やわらかい缶詰を与えたりして助けることも多くなりました。子猫は、生後3ヶ月の頃に里親探しをして生後5ヶ月の時に1匹だけ残して里親に引き取ってもらいました。
とても、刺激のある日々でしたが母猫もよく、頑張ってくれたと思います。