猫はドライヤーが嫌い!なぜ嫌がるの?
猫が雨に濡れた時やお風呂に入れた後に、ドライヤーで乾かそうとしても、いつも嫌がってうまく乾かせない…と悩んでいる飼い主さんも多いと思います。
嫌がるからと濡れたままの状態にしておくわけにもいきませんし、かと言って、無理に押さえつけてドライヤーをかけるのもかわいそうです。そもそも、なぜドライヤーが嫌いな猫が多いのでしょうか?怖がる理由を解説します。
猫はドライヤーの大きくて低い音が苦手
ほとんどのドライヤーは「ブォーン」と低くて大きな風の音がしますが、これが猫がドライヤーを嫌う原因になっているようです。
猫にとって、低音域の音はうなり声に似ていて、自分を狙う体の大きい捕食動物を連想させるようです。そのため、ドライヤーの音を聞くと、不安、不快、恐怖などのネガティブな感情が沸き起こり、逃げ出したくなってしまうのです。
逆に、高音域の音は、体が小さくて害を加えるような動物ではないと連想するので、安心や喜びといったポジティブなイメージを与えます。「男性よりも女性の方が猫に懐かれやすい」と言われるのも、声の高さが関係しているのでしょう。
ドライヤーで嫌な経験をしたことがある
これまでドライヤーが嫌いではなかったのに、急に逃げるような仕草をする猫もいます。そのような場合、猫にとって何らかの嫌な経験や不快感を得たと考えられます。
例えば、ドライヤーで乾かしていた時に、猫に近づけすぎて熱い思いをしたり、押さえつけられて逃げられない状況だったり。
猫にとって、恐怖や危険と感じた経験が記憶に残っていると、ドライヤーを見たり音を聞いたりするだけで怖がることがあります。
人間には聴こえない音が聞こえている
猫は聴力が非常に優れているので、ドライヤーの音がかなりうるさく聞こえている可能性があります。
猫が聞き取れる周波数は6~10万ヘルツ、人間の場合は1. 5~2万ヘルツです。猫は人間の3倍以上の聴力があるため、人間には聞こえない音も聞き取ることができるのです。人間でも大きな音だと感じるドライヤーの音は、猫にとってとてつもなく大きな音に聞こえるのでしょう。
自然界にはない温度と風圧が苦手
ドライヤーのように熱風が、一定の強さで吹きつけるというのは自然界にはないので、苦手と感じる猫もいます。
ドライヤーが嫌いな猫を上手に乾かす方法
猫がドライヤーを嫌がるなら、自然乾燥で乾かせば良いのでは?と思うかもしれません。しかし、長い間濡れたままの状態にしておくと、風邪を引いてしまう可能性があります。また、長毛種の場合、自然乾燥させると毛玉ができやすくなってしまいます。
根元からしっかり乾かしてあげないと皮膚病の原因にもなるので、ドライヤーでしっかりと乾かす必要があります。ドライヤーが嫌いな猫でも、次のことを意識すると上手に乾かすことができます。
タオルドライで入念に水分を拭き取る
できるだけ短時間でドライヤーを終わらせられるように、ドライヤーを使う前にしっかりとタオルドライして水分を拭き取っておくと良いです。特に、おしりやお腹は、ドライヤーの風が当たるのを嫌がる猫が多いので、タオルで重点的に拭き取っておきましょう。
マイクロファイバーのタオルは吸水性が高く、効率よく水分を吸収するためおすすめです。また、タオルドライで拭き取れない水分は、キッチンペーパーを使うと良いです。キッチンペーパーは、肉球部に溜まった水分も拭き取りやすくて便利です。
猫が嫌がる場所は最後に乾かす
おしりやお腹へのドライヤーを嫌がる猫が多いので、その部分を最後に乾かすようにしましょう。
ドライヤーをかける順番としては、背中→横腹→胸の順に乾かしていき、最後におしりやお腹を乾かします。 他の部分をドライヤーで乾かしているうちに、苦手な部分は自然と乾いてくるので、そこにドライヤーをかける時間を短くすることができます。
ドライヤーが当てられるのが苦手な部分は猫によって異なるので、愛猫の嫌がるところを見極めて、そこを最後に乾かすようにしましょう。また、顔はタオルドライ後に自然乾燥させて、直接ドライヤーをかけるのは避けましょう。
タオルで猫の頭部を包んでドライヤーで乾かす
大きめのタオルを猫の首から上にふんわりとかけて、ドライヤーの音を聞こえにくくして乾かす方法もおすすめです。
ドライヤーを見るだけでも逃げてしまう猫でも、タオルでドライヤーを隠すことで、嫌がりながらも乾かすことができるでしょう。ただ、タオルをかけて猫を支える人と、ドライヤーをかける人が必要なので、1人ではできないのがデメリットです。
ドライヤーを離し気味でかける
早く乾かそうと思うと、ドライヤーを近づけたくなりますが、そうするとより大きな音になりますし、一部が熱くなって火傷をしてしまう危険性もあります。これでは、よりドライヤーを嫌うようになってしまいます。
そのため、ドライヤーの乾かし方としては、猫から離し気味の位置からゆっくりと動かしながら、風が体の大きな面に当たるようにしましょう。
ドライヤーの音を抑える
ペット用のドライヤーは、音による恐怖心を抑えるために、運転音が静かになるように作られています。人間用でも静音設計のドライヤーはありますし、風量が選べるものなら弱い風量で乾かしてあげると、安心感を与えられるでしょう。
静かな音と弱い風でドライヤーに慣れさせることができたら、少しずつパワーを強くしていきましょう。ドライヤーを使う時間も短くできて、猫へのストレスも軽減できるようになります。
猫をドライヤーで乾かすための4つのステップ
ドライヤーが苦手な猫を乾かす場合、ドライヤーをかける時間をできるだけ短くして、恐怖心やストレスを与えないことが大切です。
そのためには、シャンプーをした後に、タオルドライを入念に行って水分をしっかりと拭き取ってから、ドライヤーを使うことが大切です。
ただし、長毛種の猫は、自然乾燥だと毛が絡まって毛玉になってしまいます。ふんわりときれいに仕上げるために、ドライヤーを使って毛の根元から丁寧に乾かす必要があります。
用意するものは、ドライヤー、タオル、くしです。タオルは吸水性に優れたもの、ドライヤーは風量の調整可能なもの、くしは猫の皮膚に優しいペット用スリッカーブラシがおすすめです。それでは、猫を怖がらせないようにドライヤーで乾かす方法を手順に沿って紹介します。
ステップ1
洗い終わったら、タオルで猫の全身を包んで水分を吸い取ります。この時、ゴシゴシと強く拭くのではなく、上から優しく押さえるようにして、毛の根元までしっかりと水分を吸わせます。
ステップ2
人間用の手持ちタイプのドライヤーで1人で作業を行う場合、服やエプロンにドライヤーを差し込むと両手があくので、手早く乾かせて嫌がる猫の負担を減らせます。ドライヤースタンドがあれば便利ですし、ペット用のドライヤーならスタンドが一体型になったものもあるので、それらを使うと効率よく乾かせます。
ステップ3
ドライヤーを温風に設定して、猫から20cm以上離れたところから風を当て、最初に手で熱くないか確かめてから猫に当てます。
ステップ4
くしで毛を根元からとかして整えながら、ドライヤーの風を当てて乾かしていくと、ふんわりと美しく仕上がります。猫が嫌がらないようなら、首→肩甲骨と背中の高い部分から乾かしていきましょう。
猫にあったドライヤーの選び方
猫に使えるドライヤーの選び方のポイントは、低音性、静音性、速乾性、利便性に注目して選ぶことです。
猫の皮膚はデリケートなので、ドライヤーの風が熱くて火傷をさせてしまう恐れがあります。低音性のドライヤーなら、猫に熱い思いをさせることなく、安心して乾かすことができます。ドライヤーの音は、猫にとってかなりストレスとなります。
音が大きいと恐怖を感じ逃げ出してしまう猫もいるので、静音設計のドライヤーを選びましょう。
ただ、音の静かなドライヤーは速乾性に欠けることが多いです。乾かす時間が長くなると、ドライヤーが嫌いな猫にとって大きなストレスとなります。
静音設計で速乾性に優れたドライヤーがあれば一番良いのですが、なかなか見つからない場合は、猫の性格で選んだりデメリットを補う工夫をしたりしましょう。ペット用のドライヤーには、利便性に優れたものが多くあります。
例えば、ドライヤーとブラシが一体になったものや、箱の中に猫を入れておくだけで乾かせるドライヤーハウスやドライヤーボックスなどです。飼い主さんの負担を減らせるので、使いやすいものを選ぶと良いでしょう。
猫のドライヤーおすすめ5選!
VOOPH 猫犬用グルーミングヘアドライヤー
- ドライヤーとブラシが一体化で便利。
- 静音設計で恐怖心を与えない。
- 過熱防止装置搭載で安全。
ドライヤーとブラシが一体になっているので、1人でも猫を押さえながら乾かすことができます。静音設計で風量の調整も可能なので、音に敏感な猫や強い風が苦手な猫も安心です。過熱保護機能も付いているので、熱い思いや火傷の心配はありません。
ブラシはスリッカータイプなので、特に長毛種におすすめです。ブラシヘッドは取り外し可能なので、いつも清潔に保てますし交換も可能です。しかし、風量が弱く完全に乾かすまでに時間がかかるという意見もあります。ただ、乾かしてながらグルーミングもできるので、一度にきれいに仕上げられるというメリットもあります。
ANGELNEWS ヘアドライヤー口
- 猫にストレスを与えないドライルーム。
- 使用していない時はコンパクトに収納できる。
- キャリーバッグとしても使える。
ドライルームは、ハウスの上部と側面にドライヤーを固定する送風口があり、猫を入れておくだけで乾かすことができます。ドライヤーの風を猫に直接当てずに乾かすので、ドライヤーが苦手な猫に適しています。
中に入った猫がよく見えるようになっているので、様子を確認しながら乾かすことができます。キャリーバッグとしても使えますし、コンパクトに折りたたむことができるので、使用しない時は場所を取りません。
ただ、熱を逃がすためにメッシュ素材の部分もありますが、温風を送っていると、中がどんどん高温になるようです。使用中は猫の様子を見ながら、ドライルームの中の温度を何度も確認した方が良いでしょう。
ドギーマン フリーハンドドライヤー
- スタンド一体型のドライヤーで両手が使える。
- 上下の風向、風温の調整可能。
- 軽量設計で持ち運びしやすい。
スタンドとドライヤーが一体化しているので、猫をブラッシングしながらドライヤーで乾かすことができます。風向を上向き、水平、下向きの3段階に変えられるので、猫の体型や年齢などに合わせて調整できます。
風温の調整もでき、冷風も出せるので夏場でも快適にドライヤーができます。また、軽量設計なので、使いたい時にすぐ使えて持ち運びも便利です。
ただ、実際に使っている人によると、少し音が大きいようで、音に敏感だと驚いてしまうことがあるようです。ただ、置き型のドライヤーで飼い主さんは両手が使えるので、音が気にならないように猫をタオルで包みながら乾かすと安心できるかもしれません。
meets ペットドライヤー PETION
- 自立型ドライヤーで両手が使える。
- 静音設計で音に敏感な猫も安心。
- マイナスイオン発生&オゾン発生で脱臭効果。
自立型なのでドライヤーを持ちながら乾かす必要がなく、両手が自由に使えて便利です。ドライヤーが苦手で動き回る猫でも、両手で固定して支えながら乾かせるので、猫に安心感を与えます。
吹出口が広く音が静かで、一部分に風が集中することもないので、大きな音と風に恐怖心を持っている猫にも安心して使えます。
また、マイナスイオンが発生するため、うるおいとツヤのある美しい毛を実現し、同時にオゾンも発生するため、脱臭効果も期待できます。風量が少ないという意見もありますが、音は静かなので怖がらずにじっとしていてくれるようです。
AORTD ペット用速乾ドライヤー
- ハンズフリーで操作も簡単。
- 温度と風速の調整可能。
- 静音仕様で猫を怖がらせない。
置き型タイプのペット用ドライヤーなので、ハンズフリーで操作ができます。騒音低減機能を搭載しており、温度も30~55度に調整できるので、音や熱で猫を驚かせる心配もありません。
風量も5段階に調整できタッチパネルで操作できるので、最初は弱い風量から始めて、慣れてきたら徐々に強くしていくと、ドライヤーを使う時間も少しずつ短縮できるようになります。
ホースの手持ち部分には断熱カバーが付いているので、飼い主さんも熱くなく快適に作業ができます。過熱防止装置も付いているので、本体が熱くなりすぎると自動的に停止するようになっています。
ただ、静音設計ですが、実際に使っている人の中には、風量を弱くしても少し音が気になるという人もいます。それでも人間用のドライヤーに比べると静かなので、これまで人間用で乾かしていた飼い主さんにとっては静かに感じると思います。
まとめ
聴力に優れた猫は、人間には聞こえない音まで聞こえるので、ドライヤーの音が非常に大きく不快に感じてしまいます。
しかし、猫が水に濡れた時にそのままにしておくと、風邪を引いたり毛玉ができたりしてしまいます。そのため、ドライヤーを使ってできるだけ早く乾かしてあげる必要があります。
ドライヤーを嫌がる猫には、ドライヤーを使う前にタオルドライで十分に水分を吸い取っておくと、短時間で乾かすことができます。音が特に苦手な猫は、頭からタオルで覆い、猫から離した位置からドライヤーをかけると、恐怖心を和らげることができるでしょう。
また、ドライヤーをペット用のものにするのもおすすめです。音に敏感なペットのために静音性を追及したもの、飼い主さんがハンズフリーで使える置き型タイプのもの、ペットの火傷防止のために低温設計になっているものなどがあります。
飼い主さんの負担も軽減できるので、ペット用のドライヤーを利用してみると良いですよ。