保護猫カフェ「ひだまり号」に行ってきました!
名古屋の市街地を車で通りかかった時、突如、猫のイラストで可愛くラッピングされたバスが目に飛び込んできました。一見すると広告用に置かれたバスのように見えましたが、後で調べてみるとなんと猫カフェ、しかも保護猫カフェだというのです。カフェの店舗がバス、というだけでもワクワクしますが、その中に子猫がたくさんいるとなればもう、行かない理由がありません。
保護猫カフェ「ひだまり号」の車内の様子や、乗車システムについてご紹介していきます。
保護猫カフェ「ひだまり号」の特徴
名古屋市西区の住宅街に鎮座した2階建てバス、それが保護猫カフェ「ひだまり号」の店舗です。行き場のない子猫たちを新たな飼い主さんにつなげるための出会いの場所として、また猫ファンと猫たちとのふれ合いの場としてにぎわう人気のスポットなんです。
2018年8月1日のオープンから3ヶ月で30頭の譲渡を成し遂げ、翌年(2019年)5月の連休では、譲渡可能な子猫のほぼすべてに里親さんが見つかったために、『ふれ合える猫スタッフが足りなくなる』という、なんともハッピーな理由で一時は臨時休業(※翌月には営業を再開)にもなりました。
保護された子猫の中には、既にFIPや猫エイズに罹患してしまっている猫たちもいます。そうしたキャリア猫たちもケージに隔離するのではなく、広いスペースでのびのびと暮らして欲しいとの思いから、2019年4月には別館をシェルターとして整備するためのクラウドファンディングを開始。2ヶ月で約450万円の支援額を集め、猫カフェながらも動物病院並みのICUを導入しました。
現在も継続的に、名古屋市愛護センターから子猫を引き受け、常時60~70匹の子猫たちが在籍しています。
乗車(入店)するとまず、システムの説明を受けて手を洗います。この時のウォーターボウルにもご注目。
絵付けを施した金魚の透かし彫りがなんとも美しいこのボウル。日本の水回りとは規格が違う海外製だったため、取り付けには苦労されたそうですが、乗車してすぐの場所ともあって大層目を惹かれます。手を洗っていると、まるで金魚鉢を覗き込んでいる時の猫のようなワクワク感が味わえますよ。
手洗いを済ませた後、プラコップを受け取り、ドリンクサーバーから好きなソフトドリンクを注ぎます。ドリンクはセルフ式で時間内お替わり自由です。ストローも用意されているのですが、あまり使用はお勧めしません。コップは蓋つきなので、猫が中身を誤飲したり、手を突っ込んでしまうような事はないのですが、挿してあるストローは抜いて遊ばれてしまうのです。
(私はお店の忠告を聞く前にストローを挿して使用してしまったのですが、案の定、着席3分もたたないうちにやんちゃな子猫に奪われてしまいました。本当に上手に引っこ抜きます)
ドリンクの準備を済ませ、貸与される猫じゃらしと入店時間のタグ(ネックストラップ式)を受け取ったら、いよいよバスの2階、ふれ合いコーナーへ。
バスの車内とはいえ、2階建ての大型タイプ。大きな窓からは外の景色も見え、床面積のわりに閉塞感はあまり感じられません。ベンチソファの中が荷物入れとなっていて、基本的には案内された席で猫とふれ合いますが、店内が空いていればお目当ての猫のところへ移動して遊ぶこともできます。
各ソファの前に置かれたミニテーブルも猫モチーフで可愛い作りです。がっちりとホルダーがついているので、猫が飛び乗って来て、ドリンクをフンフン嗅いだり、猫パンチしたりと奔放にふるまっても安心して見ていられました。
猫タワーやちぐら、窓に吸着するタイプの猫ベッドなども完備されているので、思い思いの様子で寛ぐ猫たちの自然な姿も眺められますよ。
猫たちがいちばん活発な時間帯として、お店がオススメしているのは11:30~13:30。この日は14:00ごろに乗車しましたが、運良くごはんタイムに居合わせられました。この時ばかりは、遊びに夢中だった子も眠たそうだった子もお目々キラキラ、尻尾を垂直に立てて一目散にお皿にダッシュします。
元気よくごはんをがっつく姿もまた、可愛いですよね。
保護猫カフェ「ひだまり号」にいる猫スタッフたち
ここの猫たちのほとんどは、ほんの小さな子猫のうちに愛護センターから引き出された子です。別館で育てられ、譲渡可能な年ごろになった子から20匹ほどずつふれ合いコーナーでお披露目されるため、子猫と成猫の中間くらいの年齢層の子がたくさんいます。オーナーさんは店内を「猫の幼稚園」と表現されていましたが、まさにその通りに、どの子も遊び盛りの跳ね盛り!
こちらは壁際の猫を写真に収めようと膝をついた瞬間に、足の間と横からにょっきり飛び出してきた2匹。
人の手で大切に育てられてきたせいか、どの子も人間大好き!といった感じでフレンドリーに接してくれます。お客さんの中には、かがんだタイミングで背中に登られ、そのまま寛がれてしまって身動き取れなくなってしまう方も。ここはまさに「猫の幼稚園」、幼稚園児の行動とは予測がつかず、そして何をしていたって可愛いものなのです!
遊び疲れた子たちは、ベッドでのんびり。一緒に育っているためか、どの子も兄弟みたいに仲が良く、アログルーミングしたり抱き合ったりと、仲良しな様子をたくさん眺めることができました。
保護猫カフェなので、次に来店してもまた同じ子に会えるとは限りません。でもそれは、良い里親さんに巡り合えて巣立っていったということなので、喜ばしい事です。お気に入りの子に再度会えたら嬉しい、会えなかったら幸せを願う、保護猫カフェとはそんな場所ですが、たぶんこの先もずっと、ひだまり号に行けば会えるのはこちらのアトムさんです。
アトムさんは2018年に名古屋市北区で起きた多頭飼育崩壊からのレスキュー猫です。崩壊現場の過酷な環境下では、自分の産んだ子猫を育てることは出来ませんでした。しかし、ここでたくさんの子猫に囲まれているうちに、避妊済みにもかかわらずお乳が出るようになり、今ではみんなのお母さん代わりです。
この日も、たくさんの子猫に囲まれてのんびりと目を細めていました。
保護猫カフェ「ひだまり号」のお店情報
- お店の名前 保護猫カフェ ひだまり号
- 住所 愛知県名古屋市西区香呑町3丁目74
- 営業時間 11:30~20:00(最終入店19:00)
定休日 毎週水曜日/第1・第3木曜日
- 利用料金
11:30~20:00 (ソフトドリンク飲み放題付き)
30分800円/60分1,200円( 5歳~小学生1000円)
15分延長ごとに250円
17:00~20:00(ビール、酎ハイ飲み放題付き)
60分1,800円/15分延長ごとに350円。
※料金は税抜き表示です。
- その他注意事項
夕方以降にはアルコールの提供もありますが、酔っぱらった状態での入店はできません。5歳未満のお子様の入店もできません。入店時は必ず靴下を着用して下さい。持参していない場合は店内販売もあります。専用の駐車場はありませんが、周辺にはコインパーキングが複数点在しています。
まとめ
ひだまり号の店舗として使われている車体は、三菱ふそう製のエアロキング。2010年に生産が終了したビンテージな2階建てバスです。猫カフェとして生まれ変わった今も、店内にはちょっとした段差や天井などにバスの面影が残り、運転席は現役時代のままに保存されています。
そのため、お店には猫好きのみならず、バスファンや、引退したバスの運転士さんも足を運んでは往年の名車を懐かしむのだそう。1階の受付スペースには、お店を作った時の様子がパネル展示されています。次第に猫の空間に作り替えられていくバスのビフォアアフターの様子も是非ご覧くださいね。
猫を迎えられない人でも、遊びに行くことが支援につながるのが保護猫カフェです。里親希望の人だけでなく、ただ猫とふれ合いたい人も、ひだまり号に乗車してたくさん癒されちゃいましょう!