猫が出産する時期と飼い主にできること

猫が出産する時期と飼い主にできること

愛猫が出産を行う時期っていつだろう?そんな疑問を抱いている方もいらっしゃるでしょう。猫は決まった季節に発情期を迎え、一定の妊娠期間を経て出産を行います。そんな愛猫の出産時期に飼い主はどのようなことに気を付けて、どのようなフォローをしてあげるべきなのでしょうか?

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫が出産を行う時期

子猫を舐める猫

猫の出産時期は年に2回

猫の出産時期は春と秋の2回来ることが多いです。この時期が猫の出産時期となるのは、猫の発情期に大きく関係があります。

猫の出産時期が2回ある理由

猫は生後7ヶ月~9ヶ月頃までに発情期が訪れます。この発情期の時期に交配をすることで妊娠をするわけなのですが、この発情期の時期が2月~4月と、6月~8月がピークとなるためです。

猫の出産までの時期

メス猫が発情するこの時期に、オス猫も発情し交配をして出産となるのですが、この妊娠期間は60~66日間と言われています。つまり発情時期から2か月後が出産を行う時期のピークとなるのです。

よって出産時期は年2回の春と秋、特に5月と11月に多いといわれているのです。

猫が出産を行う時期に向けての準備

出産直後の猫

猫の出産時期に向けての準備

猫が妊娠していることがわかったら、出産時期に向けての準備を直ちに行いましょう。猫は妊娠期間が大変短いため、出産時期に向けての準備期間も大変短いのです。

猫の出産時期までに揃えておくもの

  • お産箱(ダンボール)を2つ
  • タオル
  • 毛布
  • 栄養価の高いフード

猫の出産時期までにお産箱を用意する

出産時期に必要なものは以上のようなもので、まず早めにやっておきたいのが産箱の準備です。猫が出産をするときは、隠れられる狭い場所を好む傾向にあります。そのため、猫が出産をするときには、隠れられるような箱を用意してあげるようにしましょう。

猫の出産でおすすめなのが、ダンボールに清潔なタオルや毛布を引いたものです。もともとダンボールのような箱を好む猫ちゃんは多いですし、ダンボールなら猫が出産して汚れてもすぐに取り換えることが可能です。

猫が出産する際は清潔なタオルを敷いてあげることと、お部屋の隅などできるだけ静かで人目に付きにくいところに置いてあげましょう。

猫の出産後用の箱を用意

また、お産の時に使ったダンボールは汚れてしまい不潔になることも多いので、出産後に使えるきれいなダンボールをもう一つ用意してあげ、出産が終わり落ち着いたらそっと子猫と母猫を移動させてあげれるようにしましょう。

猫の出産後は食事が重要

また出産後の母猫は通常よりも多くの栄養を必要とします。そのため出産が終わったらたくさんのご飯が食べられるように、栄養価の高いフードを用意してあげましょう。

猫が出産する時期までにできる部屋作り

出産時期に向けての準備は、お部屋の環境づくりにも気をつけましょう。

出産に適したお部屋は暗くて乾燥した場所となっています。もし家の中でそのような場所があるならば、出産時期に向けてお部屋の中を片付けて、事前に愛猫に慣れさせておき出産時期を迎えさせてあげるようにしましょう。

猫が妊娠した時の特徴

  • 乳頭がピンクになり膨らみが出てくる
  • 一週間ほど食欲が落ちる
  • 発情期特有の鳴き声をあげなくなる
  • 体重が増える
  • 攻撃的になる

猫は交配をしたら高確率で妊娠、出産をする動物です。そのため、愛猫が異性の猫と交配をする場面を目撃したら妊娠する可能性が高いということを覚悟しておきましょう。

もし、まだ避妊、去勢手術をしておらず出産を望んでいないという方は、早めに避妊と去勢手術を行うようにしましょう。

猫が妊娠をした時、特にわかりやすい変化が、発情期特有のあの響く鳴き声をあげなくなることです。また、妊娠をすると食欲が落ちるので愛猫の妊娠に心当たりのある方はぜひ早めに獣医師に相談し確認するようにしましょう。

猫はあっというまに出産時期を迎えてしまいます。お腹が膨らんできたなと思い受診したらすでに妊娠30日目!出産時期まで半月~1か月しかない!ということもありえます。ぜひ愛猫の妊娠の兆候を見逃さないようにしましょう。

猫が出産をする時期で注意する事

ロシアンブルーの親子猫

猫が出産する時は手を出さない

猫は出産時期になると、自分で出産場所を決めて自分で出産を行います。この時期は人間の出る幕はありません。

というのも、人間がこの時に手を貸してしまうと母猫を刺激してせっかく生んだ子猫を殺してしまったり、育児放棄してしまう可能性があります。

猫の出産時期の鉄則として覚えておいてほしいのは、「自然に任せる」ということです。愛猫の苦しそうな姿や、子猫が生まれて大変な姿を見ると思わず手助けしてあげたくなりますが、そこはグッと我慢するようにしましょう。

出産している猫に異常がないか

出産時期は人間が手出しをしては、母猫の育児放棄の原因を作りだすことになりますので極力控えるほうがいいのですが、あきらかに異常が発生した場合は飼い主が手助けをする必要があります。

例えば、出産途中で出血がともなった場合、陣痛がきてから明らかに1時間以上経っているのに生まれない場合、子猫が動かない場合、母猫が難産によってぐったりしている場合です。

これらの症状は子猫の命はもちろん、大切な愛猫の命にかかわる場合もあります。

猫は比較的安産な動物とは言っても、子宮の中で子猫がひっかかってしまい詰まっている場合や、あまりにも頭数が多すぎて母猫の体力がつきてしまった場合など、何かしらのトラブルが発生する場合もあります。

さらに大量の出血が伴う場合も大変危険です。

出産中の猫に異常があればすぐに病院へ

猫の出産時期が来たら人間は手出しをしてはいけないとは言っても、見守ることはできますし、あきらかに異常事態が発生したらすぐに獣医師に相談をする必要があります。

愛猫が出産時期を迎えたら、獣医師にすぐ連絡のつく状態で待機をしておくのはもちろん、すぐに動物病院に駆け込む準備もしておくようにしましょう。

猫が出産を行った後のケア

産まれたばかりの子猫

出産後は猫が過ごしやすい環境作りをする

  • 風が直接猫に当たってはいないか?
  • 室温は猫にとって最適か?
  • 部屋の中の安全確認

猫の出産時期が終わったら、愛猫と子猫が過ごしやすい環境を作ってあげるようにしましょう。

その時期に合わせての空調管理はもちろん、猫に直接エアコンなどの風があたらないようにする、風通しのよい快適な環境を作ってあげる、冬なら温かい場所を部屋の中に作ってあげる、子猫がいたずらをしないように部屋の中の安全確認を行う。

出産時期後は出産を終えた愛猫も非常にデリケートですし、子猫もまだ免疫力がなく、すぐに病気になってしまったり命の危険が伴うような時期でもあります。デリケートな時期だからこそ、環境作りをしっかり行い、健やかに育つ環境を用意してあげましょうね。

まとめ

出産食後の親子猫

猫の出産時期の注意点や過ごし方についてご紹介しましたが、参考になりましたか?猫の出産時期に立ち会うというのは誰でも経験できることではないですし、大切な愛猫の子供をこの手にだけるというのは幸せ以外の何物でもありません。

出産時期は大変デリケートで気を使いますが、その分幸せを感じられる時期でもあります。

生まれてくる子猫のためにも妊娠時期、出産時期は飼い主としてできる限りのことをしてあげるようにしましょうね。

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