猫は白米を食べても大丈夫?注意点や正しい与え方について

猫は白米を食べても大丈夫?注意点や正しい与え方について

猫は白米を食べても大丈夫なのか、与える時の注意点と合わせてご紹介します。日本人にとっては、毎日の食事で欠かす事のできない白米ですが、猫にとって害はあるのでしょうか。また、猫にとって必要な栄養素についても改めて再確認してみましょう!

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

猫は白米を食べても大丈夫なのか

白米イメージ

猫は白米を食べても大丈夫なのかどうかについて、答えは「ごくたまに少量であれば問題ない」です。白米は、猫にとって害になるような成分は含まれていません。

猫に白米を与える時の注意点

お茶碗と猫

猫の主食を白米にしてはいけない

しかし、猫は完全肉食動物である事から、動物性たんぱく質がメインの栄養素となります。白米は炭水化物がメインの栄養素である為、人間と同じように白米を主食とする事はできません

生米は与えない

生米は消化しにくく胃腸障害を引き起こす可能性もありますので、必ず柔らかく炊いた白米を食べさせるようにしましょう。

猫への白米の正しい与え方

しかし、白米は水分と熱を加える事によって消化しやすくなる為、肉類等の食材と合わせた手作り食として与える場合や、ごくたまにおやつとして与える程度であれば問題ありません。

猫に白米を食べさせる時の「ねこまんま」は与えてもいいのか

お茶碗で食べる猫

一般的にねこまんまとは、味噌汁の残りやかつお節と白米を混ぜ合わしたものを指します。キャットフードが普及していなかった時代には、猫のご飯と言えば白米とみそ汁の「ねこまんま」でした。ねこまんまは、猫に与えても問題ないのでしょうか。

ねこまんまは猫に与えてもいい?

答えは「与えてはいけない」です。白米自体は、猫にとって害になる成分は含まれていませんが、味噌汁や人間用のかつお節は塩分が多く含まれている事から猫にとって害になる可能性があります。

猫に白米の入った猫まんまを与えてはいけない理由

みそ汁の具材には玉ねぎやネギ等が入っている事もありますよね。具を避けたとしても、汁の中に玉ねぎ等のエキスが出ているので、玉ねぎ中毒を引き起こす可能性もあります。

「昔飼っていた猫は、ねこまんまで育ったが長生きした」というお話しを聞く事もあるので、必ずしも病気になるという訳ではありませんが安全なキャットフード等が手軽に購入できる現代で、わざわざ猫にとって必要な栄養素が少なく、塩分の多いねこまんまを食べさせる必要はないと言えますね。

猫に必要な栄養素

犬と猫とごちそう

猫に白米を与えるだけでは栄養不足になってしまいます。それでは猫にとって必要な栄養素について見ていきましょう。

たんぱく質

猫にとって最も重要な栄養素は、このたんぱく質です。たんぱく質は骨や筋肉、被毛や皮、器官の成長や維持、エネルギーとしても必要不可欠なものです。

たんぱく質は、20種類のアミノ酸で構成されています。このアミノ酸の中でも、猫が体内で生成する事ができるものと、生成が遅い、少ない、または生成できないアミノ酸を必須アミノ酸と呼び、食事から摂取しなければなりません。

猫にとっての必須アミノ酸は11種類あるとされ、中でもアルギニン、タウリンの欠乏は様々な疾患を引き起こす可能性があるので、注意が必要です。

完全肉食動物である猫は、猫は人間や犬と比べても、良質な動物性たんぱく質を多く必要としますので、たんぱく質が欠乏しない良質な食事を心がけましょう。

脂質

炭水化物をエネルギーに変換する事が苦手な猫にとって、脂質はとても重要なエネルギー源となります。脂肪酸にも、体内で生成する事ができる非必須脂肪酸と、体内で生成する事が出来ず、食事で摂取する必要がある必須脂肪酸に分けられます。

中でも、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸は猫にとって重要な脂肪酸とされており、良質なキャットフードには含まれています。

ビタミン

猫にとっても、ビタミンは大切な栄養素です。ビタミンは主に、免疫機能や代謝を円滑にする働きを担っています。特に猫はビタミンAを体内で生成する事はできない為、食事から摂取する必要があります。

ただし、ビタミンは過剰摂取する事によって高カルシウム血症や、肝臓障害を引き起こす場合もあり、バランス良く摂取する事が重要になります。

ミネラル

カルシウムやリン、カリウムやマグネシウム、鉄、ヨウ酸等のミネラルは、様々な機能の構成を担っています。特にカルシウムやリンは、歯や骨の主要な構成成分でもあり、血液や体液のバランスを保つ役割も担っているとても重要な成分です。

しかし、このミネラルもビタミン同様、バランスがとても重要で、少なすぎても多すぎてもいけません。欠乏症はもちろん、過剰摂取にも十分に注意が必要です。

炭水化物

肉食動物である猫にとっても、炭水化物は必要な栄養素です。しかし、本来はあくまでも捕食した鳥やネズミ等の体内に残っていた穀類をついでに摂取する程度の存在で、人間程重要な栄養素ではありません。

消化やエネルギーへの変換が人間や犬とは異なり、食事中に必要な炭水化物の割合も少なくなります。

水遊びする子猫

猫は、水をあまり積極的に飲む動物ではありません。しかし、そんな猫にとっても水分はとても重要な存在です。猫はその本質から、濃縮された尿を排泄します。

その為、腎臓にも負担が掛かりやすく、泌尿器系の疾患の発生率も高いとされています。常に新鮮な水が飲めるように準備し、水分摂取量をできるだけ多くするようウェットフードを取り入れる等の工夫をしてもいいでしょう。

猫は白米を食べても大丈夫なのかについてのまとめ

口を舐める猫
  • 猫が白米を食べても害はない
  • 猫の主食を白米にしてはいけない
  • 生米を与えてはいけない
  • 猫に塩分の高いねこまんまは与えてはいけない
  • ねこまんまの味噌汁には入っているネギにも注意
  • 猫にはたんぱく質が豊富な食事が好ましい
  • 脂質、ビタミン、ミネラル、炭水化物も必要

猫は白米を食べても大丈夫なのか、についてご紹介しました。猫に白米を与える事自体は、特に問題はありません。しかし、あくまでも猫は肉食動物である事や、炭水化物を消化する事は苦手な事を踏まえ、主食に影響が出ない程度に与えるのが良さそうですね。

また、白米が入ったねこまんまは塩分が多いので、猫の健康に良くありません。愛猫の健康の為にも、良質なキャットフードを与える事を心がけましょう!

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  • 食べ物
  • 食べてはいけないもの(穀類)
投稿者

40代 女性 しほ

猫ちゃんには白米をたくさん、与えてはいけないみたいなので、うちの猫ちゃんにはおやつに少しだけ与えるようにしています。
便秘にもよく、お腹を温めてくれるので、少量の白米なら問題なく体にいいのだと思います。
昔はねこまんまというものを与えていましたが、塩分が高いので今は良くないということになっていますね。なんでも、ほどほどがいいのでしょうね。

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