猫の歯が抜ける原因
猫の歯は、人間のように成長の過程で乳歯から永久歯へと生え変わります。突然猫の歯が抜けて驚く飼い主さんもいらっしゃいますが、生え変わりは病気でも何でも無いので全く心配はいりません。
しかし、それ以外の理由で猫の歯が抜けた場合は注意が必要で、歯周病などの口の中で起こる病気が考えられます。猫の歯も人間の歯同様に定期的なケアが必要であり、そのまま何もしないで放置して飼い続ける事で歯肉炎や歯周炎などを起こしやすくします。これが酷くなると猫は歯が抜けてしまい、そのまま生えてくることがありません。
人の歯医者さんのような歯の治療をできるわけではないので、飼い主さんの手で行う猫の歯のケアが大変重要となります。
猫の歯が生え変わるとき
猫の歯は、産まれてから約3週間で乳歯が生え始めてそのまま徐々に歯が生えていき、およそ2か月で全ての歯が揃った状態となります。その後、乳歯の下から徐々に永久歯が生えて来ます。その頃の子猫ちゃんはよく噛みますが、これは永久歯が生えてきていることで口の中がムズムズしてしまうからなのでしょう。そしてよだれも増える傾向にあり、舐める事が多くなるのもこの時期の特徴です。
猫の歯は生後3か月頃から7か月頃にかけて、永久歯へと生え変わっていきます。ただし、人間のように歯がポロッと抜けてすきっ歯になる事はありません。下から永久歯が生えてきて、乳歯を外へ押し出すので、歯が抜けてもどこの歯が抜けたのか分からない状態です。
また、猫の歯が抜けた時に歯を発見できるのはとても稀で、殆どの猫はそのまま歯を飲み込んでしまいますが、猫の歯を飲み込んでもカルシウムなので体への心配はいりません。もしも運良く部屋に落ちていて発見する事ができたらそれはラッキー。容器に入れて大事に取っておいてあげても良いですね。
猫の歯が順調に生え変わる事ができれば問題はありませんが、永久歯が下から生えてきているのにも関わらず乳歯が抜けない「乳歯遺残」という状態になってしまう場合があります。歯肉炎や歯周病の原因にもなり、餌が上手に食べられなくなったりもします。飼主さんが気付くのは難しいのですが、1歳未満の猫で餌の食べ方に違和感があったり口臭がきついと感じたら病院で診てもらった方が良いでしょう。
猫の歯が抜ける原因となる病気
猫の歯が生え変わる時期では無い、特に2歳以降に猫の歯が抜けてしまったとしたらそれは口の中の病気が考えられます。
ここでは猫の歯が抜けてしまう可能性がある2つの病気について詳しくご紹介します。
歯周病
猫の歯も人間と同じように歯石が溜まっていきます。表面的な歯石は飼い主さんが爪で弾いて取ったりすることもできますが、実はそれでは取りきれてはいないのです。
歯と歯茎の間にある歯周ポケットの中にも歯石はあり、ここまでしっかりと取ってやらないと歯肉炎の原因となります。歯肉に炎症が起こってしまう事でそこから歯周病へと進み、やがては猫の歯が突然抜けてしまうという事が起こります。
破歯細胞性吸収病巣
破歯細胞性吸収病巣とは猫の歯の病気の中でもかかりやすい、歯根が溶けてしまう病気です。これは歯と接してる歯肉の中にある破歯細胞が歯根を溶かしてしまいます。いろいろな原因はあるようですが、はっきりと解明されていません。猫が痛みを伴う事で食事が困難になると手術による抜歯が行われますが、痛みが伴わず歯根が溶けきってしまった場合には治療しない場合が多いです。
猫の歯が抜けない為のケア
猫の歯が成長による生え変わりで抜けてしまうのは問題ありませんが、口の中の病気によって猫の歯が抜けてしまうのは飼い主としても防いであげたいところですよね。
そこで、猫の歯の日頃のケアをご紹介します。
人間も同じですが、猫の歯もやはりできれば毎日歯磨きしてあげる事が一番です。猫の歯の歯石は数日で溜まってしまうので、手遅れにならないようにするには毎日ケアしてあげる事がポイントになります。
今はペットショップなどでも猫用の歯ブラシが販売されていますが、もしも入手が困難なようであれば人間の赤ちゃん用の歯ブラシでも大丈夫です。子猫の時から慣れさせてあげると毎日のケアがとてもスムーズにいきますが、もしもどうしても歯ブラシを嫌がる場合はガーゼを指に巻き付けて猫の歯を拭いてあげてください。もしくは、歯磨き粉をなめさせたり、口腔内の環境を整える目的のサプリメントやおやつをあげるのも一つです。
歯磨きを初めて行う際には、あまり身構えず猫がリラックスしている状態で始めてみてください。歯ブラシで遊ばせて慣れさせ、少しずつ口の中に入れるようにしていきましょう。この段階で失敗してしまうと、毎日の猫の歯のケアが難しくなってしまい、飼い主さんにも猫にもストレスとなってしまいます。
まとめ
猫の歯は生え変わるために抜ける場合と、口の中の病気が原因で抜ける場合があります。猫の歯は日頃から歯磨きしてあげる事で健康を保っていく事ができます。
ここでご紹介したケアの方法の他にも、猫の歯の歯石を取る効果があるフードなども市販されているので、色々な方法を併用しながらお口の中の病気予防をしてあげましょう。