猫の歯茎が白い、考えられる原因は?治療法も解説

猫の歯茎が白い、考えられる原因は?治療法も解説

猫の口の中を見た時に、歯茎が白いと感じたことはありませんか?通常であれば猫の歯茎はきれいなピンク色をしており、歯茎の色に異変が見られる場合には何らかの病気にかかっている可能性が考えられます。今回の記事では、猫の歯茎が白い理由として考えられる病気とその治療法、予防として飼い主ができることについて解説します。

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猫の歯茎が白いのは「貧血」

大きく口を開けてあくびをする猫

猫の歯茎が白い色をしている主な原因は貧血です。貧血とは、血中の赤血球やヘモグロビンの量が減少した状態を指します。猫の貧血の原因は大きく分けて2つあります。

中毒症状により赤血球が過剰に消費されている場合と、何らかの病気により赤血球が作られなくなっている場合です。

猫がネギ類を食べると、中毒症状によって溶血性貧血が起こります。これはネギやニラ、ニンニクなどに含まれる「アリルプロピルジスルファイド」という成分が、猫の赤血球を破壊するためです。重篤な症状に繋がる場合もあるので、速やかに動物病院を受診しましょう。

病気が関係している場合は、その原因によって治療法は様々です。なるべく早く動物病院を受診し、検査をしてもらいましょう。

猫の歯茎が白い時に考えられる病気

病院で口の中をチェックされている猫

猫白血病ウイルス感染症

猫白血病ウイルス感染症は、「猫白血病ウイルス(FeLV)」に感染することで引き起こされる病気です。発症した猫の約70%に、貧血の症状が見られると言われています。

初期症状として貧血によって歯茎が白い、発熱、全身のリンパ節が腫れるなどの症状が見られます。貧血に伴って疲れやすさや食欲不振といった症状も起こりやすくなり、口内炎、皮膚炎、鼻炎、下痢といった症状が見られるようになります。

猫白血病ウイルス(FeLV)の感染が骨髄まで及んだ場合、血液を作ることができず赤血球や白血球、血小板などが減少していきます。細菌感染などが起こりやすくなるため、感染した場合は5年以内に死亡する可能性が高いとされています。

ヘモバルトネラ症

ヘモバルトネラ症とは「ヘモバルトネラ・フェリス」と呼ばれる病原体が、猫の免疫システムを破壊する病気です。発症すると貧血により歯茎が白い色になり、食欲減退、黄疸などの症状も見られます。猫から猫へと感染するため「猫伝染性貧血」とも呼ばれています。

主な感染源はダニやノミによる媒介と考えられています。ヘモバルトネラ症にかかる猫は、猫白血病ウイルス感染症を併発するケースも多いようです。感染すると免疫力が低下し、他の感染症も引き起こしやすくなるため、異変を感じた際には早めに動物病院を受診しましょう。

子宮蓄膿症

子宮内部に膿が溜まるメス猫特有の病気です。1歳頃に子宮蓄膿症になる猫もいますが、多くの場合は免疫機能が低下してくる5歳以降に発症しやすい傾向があります。

高齢のメス猫の歯茎が白い、大量の水を飲む、陰部から出血がある場合には、子宮蓄膿症を疑ってよいでしょう。

細菌が子宮内に侵入し、繁殖することで発症する病気ですが、原因と考えられている菌は、大腸菌やブドウ球菌、サルモネラなど様々です。

症状が進行すると、膿が子宮から漏れ出して他の臓器へ細菌が感染します。腹膜炎や腎不全を引き起こす場合の他、子宮が腫れて死に至る可能性もあるため、早期の治療が重要になります。

腎性貧血

腎臓病などで腎機能が低下することで、貧血の症状が現れる病気です。腎臓は造血因子であるエリスロポエチンというホルモンを産み出しますが、腎機能の低下でエリスロポエチンが減ると、骨髄で血液を作れなくなり貧血を起こしてしまいます。

猫の歯茎が白い、大量の水を飲む、嘔吐などの症状が見られたら早めに動物病院を受診してください。

歯茎が白い原因となる腎臓病は猫に多い病気です。腎臓病には「急性腎臓病」と「慢性腎臓病」の2種類があります。

急性腎臓病は外傷による出血や、細菌感染、結石などによる排尿障害など原因が様々です。慢性腎臓病については、はっきりとした原因がわかっていません。全ての猫種に発症の可能性がありますが、特に高齢の猫がかかりやすいと言われています。

白い猫の歯茎を治療するには

横になって点滴を受けている猫

猫白血病ウイルス感染症

猫白血病ウイルス感染症にかかると、歯茎が白い色になる他にも様々な症状が現れます。治療法としては、症状に合わせて抗生物質や抗がん剤、インターフェロンなどを投与する対症療法が一般的です。貧血の症状を緩和するために輸血を行う場合もあります。

猫白血病ウイルス感染症を予防するには、感染猫との接触を避けることが重要です。ワクチン接種も有効とされています。日頃から免疫力を養うために、十分な栄養摂取を心がけ、ストレスがかかりにくい環境作りを意識しましょう。

ヘモバルトネラ症

猫の治療の際には「テトラサイクリン系」と呼ばれる抗生物質を投与します。重い貧血の症状が見られる時は、ステロイドの使用や点滴、輸血を行う場合もあるので獣医師に相談しましょう。

例え症状が改善しても、病原菌である「ヘモバルトネラ・フェリス」を完全に死滅させることは困難とされています。初期に治療を開始すれば助かることが多いので、歯茎が白いと感じたら早めに受診しましょう。

ヘモバルトネラ症の予防としては、ノミやダニ対策を行います。定期的な予防薬の投与や、室内飼いを徹底することも予防に効果的です。

子宮蓄膿症

子宮蓄膿症の治療では、膿の溜まった子宮と卵巣を取り出す手術を行います。猫に脱水症状が見られる時は手術前に点滴を行い、術後も点滴を継続する場合があります。

手術をせずに治療する場合は、抗生物質の投与と、子宮頚管への注射によって膿を体外に出すという方法があります。これらは延命効果は期待できますが、病気の根絶には至りません。

発症初期に手術が行われれば、ほとんど場合助かると言われている病気です。歯茎が白いなどの症状が見られたら早めに受診しましょう。

腎性貧血

治療の際には、赤血球が正常に作られているかの検査を行います。その後、原因となる腎臓病の症状に応じて、腎臓ホルモンであるエリスロポエチン剤を注射します。赤血球に不可欠な鉄剤の投与なども有効です。貧血の症状が進行している場合は輸血療法が行われます。

貧血の状態が続くと体に酸素が十分に行き渡らず、歯茎が白い色になる以外に、歩行困難を引き起こす場合もあります。予防のためにも、猫に定期的な健康診断を受けさせてあげましょう。

まとめ

女性に抱かれている猫

猫の歯茎の色は、健康状態を把握するバロメーターです。猫に多い歯周病では歯茎が赤く腫れますが、白い色をしている場合は貧血だと考えられます。

普段から猫の口の中をチェックする習慣があると、異変に早く気づくことができるでしょう。長く貧血の状態が続くと、全身疾患に繋がるリスクも高いので、歯茎の色がいつもと違うと感じたら早めに動物病院を受診して下さい。