シェルターに引き取られた2匹の子猫
2匹の出会い
2016年、アメリカ南東部、アラバマ州でのこと。
アラバマ州はアメリカの東海岸の、フロリダの左上あたりにある州です。名作映画の『アラバマ物語』で名前はご存知のかたも多いかもしれませんね!
州の北部には山にそって豊かな森が広がっています。そんな森の中で、白黒と茶トラの、まだ小さかった2匹の子猫が拾われました。子猫たちは、シェルター(アメリカの保護施設)に運ばれ、そこで新しい飼い主さんを探すことになります。
1匹だけのはずが……!
ダフネさんが地元のシェルターを訪れたのはたまたま、そんなタイミングでした。
そう、ダフネさんはみんなと同じように、猫を1匹だけ引き取ろうと思ってシェルターを訪れたのです。けれども、くっついている2匹を見て「この子たちを引き離さないでみんな家族になろう」と決意したそうです。
ダフネさんは言います。
「2匹を引き取ったとき、この子たちは森の中でとても孤独で、支えあっていたのだと分かりました。ですから、引き離すことはできませんでした」
2匹の猫は、スーキ(白黒)、マックリー(茶トラ)と名付けられました。
「2匹は兄弟だと思うんだけど、そうじゃなくても兄弟みたいに過ごしているわ」とダフネさん。
完全無欠の室内にゃんこ
自然豊かな環境に囲まれて
アライグマに挨拶するスーキ。完全室内飼いなので、窓越しにコンニチハー
2匹の暮らす家は、とっても豊かな自然に恵まれています。けれど、2匹はもうお外に出ることはありません。
「いまはスーキは5.4キロ、マックリーは8キロ。大きくなりましたが、いまでも子猫のようにくっついて、家の中で安心して寝ていますよ」とダフネさん。
森の中で見つかった小さな子猫、とても大きく育ちましたね……! そんな2匹の暮らす家には、ときおり、森からの友人もやってきます。
お家の中からでなくても、自然が向こうからやってきてくれる、うーん、羨ましい環境です。こんな珍しいお友達がくるなら、退屈なんてしないでしょうね!
スーキとマックリーなしの生活はもう考えられない!
1匹の猫を迎えようと保護施設に行って、2匹で帰ってくる。よく聞きますが、実は保護施設が勧めることもあるんですね。
ダフネさんの場合は、運命共同体にゃんこたちを引き離せなかったんですが、スーキとマックリーにとっては、それはとても幸せな決断だったようです!
ダフネさんより、メッセージをいただきました。
「安全で、安定した家と、十分なごはん。これはどんな保護猫を受け入れるときも心に刻んでおくべきです。猫を引き取ってすぐは、それまでの習慣を変えるのに時間もかかるでしょう。でも、決してあきらめないで下さい。あなたは命を救ったんです。どうか、地域の猫に関心をもってもらえればうれしいです。私自身、もうこの子たちなしの生活は考えられません」
メッセージからも猫との幸せがあふれていますね。
スーキとマックリーから私たちが学ぶこと
なんですかそのカワイイお手手は! いまでもぴったんこ!
猫は1匹より2匹がいいの?
猫の性格にもよりますが、子猫のうちに引き取るなら複数が飼いやすいとは言われています。お互いが遊んだり、ケンカするうちにルールを学んだりするので手がかからないのですね。また、人間に依存しすぎないこともよいとされています。
一方で、体が弱い子などは複数飼いがストレスになる可能性もあるので、そこは保護施設のベテラン職員さんにその子の性格を聞いてみましょう!
猫は室内飼いがベスト
もともと、家ネコはリビア山猫から枝分かれした種類だと言われています。リビア山猫は砂漠の猫。ですから、雨の多い気候はあまり得意ではありません。
また家ネコは、もともとが人間と一緒に暮らすために生まれた種類です。ですから、多くの地域で完全室内飼いがもっとも長生きすると言われているんですね!
それでは、みなさまも素敵なニャンコライフを!