『ネコの老いじたく』をご存知ですか?
猫も人間同様歳をとりますよね。獣医である壱岐田鶴子さんは、普段から様々な猫ちゃんの診療をされてきて、同い年でも、老化現象は猫によって状態が違うとおっしゃいます。普段の生活環境や、病気の早期発見など飼い主にできる事がこの『ネコの老いじたく』で紹介されています。
『ネコの老いじたく』はかわいいイラストで解説をしてくれていますので、とても読みやすい!と大変評判な本なのです。
『ネコの老いじたく』著者の壱岐田鶴子さんにインタビュー
『ネコの老いじたく』はどんな方への書籍になりますか?
本書では、現在飼いネコのおよそ半数近くを占める7歳以上のネコに的を絞り、ネコに穏やかな老後を送ってもらうためにお伝えしたいことをまとめました。
ネコの体の基本情報、老化の兆候、家庭でできる健康管理、動物病院とのつき合い方やシニアネコがかかりやすい病気について。また、シニアネコに適した食事と環境、お世話の仕方、さらに最期を迎えるネコとの向き合い方についてなどです。
近年ネコの平均寿命が伸び、ネコが長生きしてくれるのは喜ばしいですが、ネコの高齢化にともない、ネコも生涯つき合っていかなければならない病気になることも増えます。
そして、愛ネコを看取らなければならない日も必ずやってきます。この本は、現在ネコと暮らす飼い主さんの不安な気持ちを少しでも和らげることにつながれば、という思いで書かせていただきました。
書籍を執筆するきっかけ等はありましたか?
「サイエンス・アイ新書」より出版しました本、「ネコの気持ちがわかる89の秘訣」という本の中でシニアネコの食事について少し書かせていただいたのですが、ペットの高齢化が進む近年、シニアネコについてお伝えしたい内容をまとめたいと思っていたところ、編集者の方からもお声をかけていただき、今回「ネコの老いじたく」の刊行に至りました。
執筆する際特に意識した事はありますか?
「愛ネコに一日でも元気で長生きしてほしい」というのが飼い主の誰もの願いです。そのためには家庭での日々の健康管理と正しい知識が欠かせません。
ネコの健康管理を具体的にどうしたらいいのか分からないという飼い主さんのために、飼い主さんが実際に家庭ですぐにできるネコの健康チェック法をたくさんご紹介しました。
ネコにも個体差があるので、飼い主さんが日頃から定期的に健康チェックをしてネコが健康なときの基本データを把握しておくことで、些細な不調のサインにも気づきやすくなります。
ネコの病気に関しては、情報が溢れすぎて何が正しいのかわからないという飼い主さんも多いと思います。シニアネコがかかりやすい病気、その症状、診断方法、治療法について、イラストやデータを使ってわかりやすく、“広く浅く”を避けできるだけ詳しく解説しました。
病気についての正しい予備知識は、病気の早期発見に役立ちます。
また、最近はネコを2匹以上飼っている方も増えています。ネコを看取った飼い主さんが悲しいのはもちろんですが、どちらかのネコが先に旅立ったときの残されたネコへの気遣いやケアについても考えてみました。
この本を読んだ読者の方に一言お願いいたします
年をとったネコは寝ている時間が長く、活動も低下するためなんとなく影が薄くなってきてネコの体の変化に気づくのがどうしても遅れがちです。ネコの存在が目立たなくなってくることが、あまりにも顕著になってきてはじめて、「何かおかしい」と気づくことも多いのです。
ネコの体や行動の些細な変化に気づいてあげるためにも、日々の細やかな観察とネコとのスキンシップを大切にしてください。
ネコが病気になれば飼い主さんは誰しも不安になるものです。精神的、身体的、さらに経済的な負担がのしかかってくることもあるでしょう。
ネコが今、何をいちばん望んでいるのかを考えながら、飼い主さんは無理のない範囲でできるだけのことをして、ネコとの一日一日を穏やかな気持ちで
大切に過ごしていただきたいと心から願っています。
壱岐田鶴子さんってどんな人?
獣医師。神戸大学農学部卒業後、航空会社勤務などを経て渡独。2003年、ミュンヘン大学獣医学部卒業。2005年、同大学獣医学部にて博士号取得。その後、同大学獣医学部動物行動学科に研究員として勤務。動物の行動治療学の研修をしながら、おもにネコのストレスホルモンと行動について研究する。2011年から、小動物の問題行動治療を専門分野とする獣医師として開業。
最後に
いかがでしたでしょうか?猫は自分で具合が悪い事を伝える事ができません。人間の4倍のスピードで歳を取る猫のために、飼い主は日々の体調チェックが欠かせませんね。猫の老後について学べる、壱岐田鶴子さんの『ネコの老いじたく』を是非チェックしてみてください。