ペットも高齢化が進んでいる
人間だけではなく、ペット医療も現代では著しく発達しています。なので、必然的に犬や猫の寿命が延びているという現実があります。猫の高齢化が進み、医療行為も手を尽くした場合は猫と飼い主が迎える次の段階は「別れを待つ時間」となります。
愛猫の最期を後悔なく看取るためには、別れの時までにどのような時を過ごすかにかかっています。通常通り過ごすのも良いですし、いずれ来る別れの辛さを軽減するために猫に対して距離を置くのも悪い事ではありません。しかし、それで本当に後悔しないでしょうか。
本書には、寿命を宣告された猫に対して飼い主に何が出来るのかについて細かく記されています。愛猫との向き合い方に迷った場合に大いに役立つと考えます。
飼い主に必要なのは医療行為ではない
まず、本書は飼い主に医療知識や医療行為をするべきだという内容は記されていません。作者の経験に基づいて愛猫のターミナルケアについて漫画という形式で詳しく明確に述べられています。
猫のターミナルケアに必要なのは、動物病院への通院だけではなく飼い主の愛情です。美味しいご飯や、温かな触れ合いそして心地よい環境づくりです。つまり、余命僅かな猫との美しい思い出をつくるためには飼い主の細やかな日常ケアが不可欠となります。
本書では、猫の病状に沿った適切なケア方法を紹介しています。文字だけではなく、イラストも付いているので分かりやすいです。例えば、家にある道具を使って点滴を吊るしておける方法や投薬の方法まで自宅治療を続けている猫と飼い主にとって有益な情報が書かれています。
その他にも、エンゼルケアや治療法の一例など猫の飼い主にとって有益な情報が記載されている点が素晴らしいと言えます。
監修には獣医やボランティア職員が関わっている
医療行為や専門的な医療知識が記されていないとはいえ、素人の描くターミナルケアの漫画は信憑性が薄いと考える人もいます。しかし、本書では監修に獣医や保護猫のボランティア職員が関わっているため正確な情報が記されています。
勿論、本書は医療書ではないので頼り過ぎは厳禁です。しかし、自宅でのケア方法について専門家の知識が加わっているとなると安心感があります。つまり、本書に記されているケア方法は専門家の監修に基づいているので書かれている内容についての信憑性は高いと判断出来ます。
まとめ
いずれ訪れる愛猫との別れを後悔なく迎えるために、本書を一冊持っておくと良いでしょう。すぐに読む必要はないので、時が来たら愛猫の病状に合わせてゆっくりと読み進めていくのがオススメです。