直接通うだけじゃない!『猫の受診スタイル』5つ

『愛猫の通院』それはまさに避けては通れない試練の1つといえるでしょう。中にはキャリーケースに入れることすらできずに断念せざるを得ない猫もいるはずです。
今回は、そんな病院嫌いな猫たちの診察ハードルを下げられるかもしれない『受診スタイル』の選択肢を5つ紹介いたします。
1.完全予約制or猫専門の病院を選ぶ
他の猫や動物との接触が苦手な猫の場合は、『完全予約制』や『猫専門の動物病院』を探してみると良いかもしれません。
近隣にない場合は通院を検討している動物病院に事情を伝え、比較的混雑が緩和されている時間帯を聞いてみるのも1つの手です。
2.飼い主さんが代理受診をする
愛猫が長いスパンで治療をする場合は、時々飼い主さんのみが病院に出向くという選択肢もあります。例えば『検査結果を聞きに行くだけ』といったケースです。
病状が落ち着いており、継続的な投薬が必要な場合も検討されることがあります。ただし、獣医師法では獣医師が自ら診察せずに薬を処方することは禁じられているため、飼い主さんだけで薬を受け取れるかどうかは、直前の診察状況などをもとに獣医師が判断します。自己判断はせず、必ず事前に動物病院に相談しましょう。
また、薬の継続だけで大丈夫に思えても、実は背景に疾患や状態の変化が潜んでいて、さらなる体調や症状の悪化につなげてしまう危険性もあります。その危険性をきちんと理解したうえで、獣医師の指示に従う必要があるでしょう。
3.オンライン診療を活用する
コロナ禍で話題になったオンライン診療。実は動物界にも存在します。電話もしくはテレビ電話で獣医さんとやり取りをするスタイルです。
猫にとってはストレスフリーな手段と言えそうですね。ただ、オンライン診療には『直接診る(触診・聴診)』ができないという弱点があります。
これを踏まえ、活かし所を見極めることが大切です。活用例としては、特定の状況に対する応急処置のやり方を教わる・夜間救急を受診すべきか否かを相談するなどが挙げられます。
また、オンライン診療では一度に処方できる薬の量に制限がある場合もあります。こうした特徴を理解したうえで、有効な場面で上手に活用しましょう。
※ただし、獣医療のオンライン診療は「原則として初診は対面で行う」などの条件があります。誰でもすぐに利用できるわけではないため、まずはかかりつけの動物病院に相談しましょう。
4.往診に来てもらう
オンライン診療と同様に、動物界にも『往診』というシステムがあります。往診は獣医さんを自宅にお招きするスタイルになるため、先ほどの弱点をカバーすることが可能になります。
例えば病状が重く通院が困難な場合や、デリケートな性格ゆえに慣れた環境での診察が最適な猫にマッチしやすいです。
往診の場合、持ち運べる機器の限度があることや、逆にホームである自宅で行うことで猫が強気になって診察しにくかったり、自宅が安心できる場所でなくなる可能性があることなどのデメリットもあることを理解しておきましょう。
5.ペットドクターカーを活用する
一部地域では『ペットドクターカー』が活躍しています。ドクターカーには検査や処置に必要な機材が積み込まれているため、往診よりも高度な診療が可能になります。
ただ稼働時間が夜間になるため、その診療費も夜間救急扱いとなります。具体的には概ね30,000円~60,000円(税別)程度が目安の一例です(※実際の料金は病院により大きく異なります)。
どうしても高額になるため、気軽に活用できる手段とはいえないでしょう。ただ"いざという時"の選択肢として記憶しておくと便利でしょう。地域も限定的になるので、事前に調べておくと安心です。
『通院が困難な猫』が医療を受けるには?

ここまで通常の通院以外の受診スタイルを5つ紹介してきましたが、『病院が本当に苦手な子』『気性が荒く通院が困難な子』が安心して医療を受けるにはどうするのが良いか、まだまだ不安が尽きない飼い主さんもいらっしゃるはずです。
しかも状況次第では、通院を避けられないケースまであります。そこで、ここからはさらに踏み込んだ方法を紹介いたします。
キャットフレンドリークリニックを探してみる
"猫に優しい動物病院"として厳しい国際基準をクリアした病院があります。それが『キャットフレンドリークリニック』です。
具体的には猫専用の待合室がある・猫専任のスタッフ(キャット・アドボケイト)が在籍するなど、猫に配慮した基準を満たしている・猫がリラックスできる環境を整備しているなど、猫と猫の飼い主さんが安心して通えるような工夫を凝らしています。
実際に検索してみると、該当する病院の一覧を見ることができます。気になる方は参考にしてみてください。
デリケートな猫専用の時間枠を活用する
先ほどの項目でも少し触れましたが、通常の動物病院でも"デリケートな猫専用枠"という予約に近いシステムを設けている病院があります。
また、事前に相談すれば他の猫たちとの接触を極力避けて通院ができるよう配慮してくれる場合もあります。
診療内容によっては往診では賄えない場合もあるため、これらのシステムの活用も視野に入れてみてください。
安心感が得られる工夫をしてみる
猫の場合はキャリーケースに入れて通院するのが一般的です。そのキャリーケースにひと工夫するだけでも案外落ち着くことがあるので参考にしてみてください。
- 周囲が見えにくいタイプのものを選ぶ
- ケースを布で覆う
- 洗濯ネットに入れたうえでキャリーに入れる
猫は暗くて狭い場所を本能的に好みます。通院に使用するキャリーケースは安定感があり、周囲が見えにくいタイプのものが最適です。
さらに"特別感を出さないこと"も大切です。キャリーケースは日頃から出しておき、遊び場として活用してもらいましょう。そうすることでキャリーに対する警戒心が薄れます。
まとめ

今回は、様々な『猫の受診スタイル』を紹介いたしました。大切なことは"諦めないこと"です。
どんな猫でも避けられない通院があります。その際に、可哀想だからと受診を放棄してしまうと取り返しがつかなくなることも少なくなく、後々後悔することになるかもしれません。
ここ最近では、キャットフレンドリークリニックの基準を満たしていなくても猫に優しい工夫を凝らした病院が増えています。
また往診やペットドクターカーなど、これまでにない選択肢も登場しつつあります。愛猫に合った受診スタイルが見つかるといいですね。今回の内容が皆様のお役に立てれば嬉しいです。