人にはあるのに『猫にはない感情』3選 誤解されがちな仕草や行動の意味まで解説

人にはあるのに『猫にはない感情』3選 誤解されがちな仕草や行動の意味まで解説

私たち人間は、複雑な感情がグラデーションのように湧いてくるため、ときには自分の気持ちに困惑することもあります。一方、猫たちは人と似た喜怒哀楽は感じているものの、中には「ネコ」という動物が持っていない感情もいくつかあるのです。そこで今回は、猫にはない感情を間違えやすい行動とともに紹介します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

人にはあるのに猫にはない感情3選

植木鉢を割った猫

気持ちがよければ仰向けに寝転んだり、お腹がすくと子どものように催促したりする猫でも、すべて人間と同じような感情を持っているわけではないようです。

人にあるのに猫にはない感情とは、どのようなものがあるか見ていきましょう。

1.羞恥心

羞恥心は、周りからどう見られているかを想像する能力、いわゆる客観的な視点が土台となり、自分の期待とのギャップに対して感じる不快感のことです。

猫が恥ずかしそうにしていると見える行動には、たとえば高いところから落ちてしまい、それを見ていた飼い主と目が合った途端に何食わぬ顔で毛づくろいを始める、おもちゃのキャッチなどで失敗したあとにそっぽを向くなどがあります。

ところが、現時点での動物行動学では、失敗後の毛づくろいや知らん顔は葛藤やストレスを緩和するためにまったく関係ない行動をする転位行動だと考えられています。猫は行動をする際に「失敗するかもしれない」という計算をしていないことから、他者目線ではなく事実そのものに動揺してしまうだけなのです。

2.罪悪感

罪悪感とは、「自分自身のした行動が、予期せず自分の大切にしているモノや誰かに悪影響を与えた」と感じる感情です。過去の自分の行動内容とその結果を結びつける能力や何かを大切にする気持ちが基礎となって起こります。

猫のパターンに当てはめると、いたずらをしたあとに飼い主の顔を見て、まだ何も言っていないのに、ササッと逃げたり、耳を伏せて小さくなったりするような行動です。

「自分で悪いことをしたのを理解しているのね」と思ってしまいがちですが、実際は飼い主が登場したタイミングによる驚きや、落としたものが割れて大きな音がして警戒感が増したなど、集中力を突然遮断された経験がそうさせているだけです。

3.嫉妬心

嫉妬というのは、実はとても高度な感情で、他者との比較や関係性を理解し、「将来自分が損をするかもしれない」と予測をした上での怒りや不安、悲しみなどの感情のことを指します。

ほかの同居猫と遊んでいると割り込んできたり、パソコンに向かっていると画面の前に座ってきたりすると「ヤキモチかな」と感じることも多いでしょう。多頭飼いの家庭なら、仲良し同士の2匹の間にもう1匹入ることで、揉めているところを見たことがあるかもしれません。

猫は、時空を超えた同種に対するお知らせ(=マーキング)をすることから、猫でも「第三者」という存在を認識していると考えられます。ところが、そこに対して「自分たちの関係を邪魔する」、あるいは、「私の資源を奪うかもしれない」という予測から、特定の個体に嫉妬することは確認されていません。

割り込みは、単純に自分の縄張りや好きな相手の注目を取り戻すための行動であり、感情の複雑さは必要ないのです。

猫の行動を誤解してしまう危険性

ノートPCの上で香箱座りする猫

愛猫は家族同然ですが、体のつくりも考え方も人間ではありません。猫の行動から、その心理までを擬人化しすぎてしまうと行動の意味を誤解してしまう危険があります。

たとえば、猫が求めていることを取り違えてしまったり、体調不良の兆候を見逃してしまいやすかったりします。

猫がずっと隠れているのを「怒ってすねている」と思っていると、実は具合が悪くなっていたり、抱っこが嫌いだと思っていたけど、実は関節に慢性的な痛みがあったりするといった可能性もあります。本来であれば、すぐに対応しなくてはいけない場面で、意図せずに放置につながってしまうのです。

猫の行動で誤解し、楽観しすぎて困るのは体調不良だったときなので、いつもと様子が違う場合は、躊躇せずに動物病院で相談することが大切です。

まとめ

眉間にシワを寄せる猫

猫には人間と同じ感情があるように見える行動があります。たしかに、喜怒哀楽などの単純で素直な感情はどの動物にもあるものです。

ただ、羞恥心や罪悪感、嫉妬心などの複雑に絡みあう感情を、人間と同じ形で持っているとは現在の科学では確認することはできません。猫の本質的な行動から見た心理は、人間と比べると比較的シンプルなのです。

そのため、猫の行動を理解するときは、人間の感情をそのまま当てはめるのではなく、行動が起きた状況や身体の変化を合わせて見ることがポイントです。

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