︎人と猫の人獣共通感染症4つ

1.猫ひっかき病
猫ひっかき病は猫に引っ掻かれたり、噛まれたりする事で猫から人へ感染する病気です。この病気は、猫が持っているバルトネラヘンセレという菌が傷口から入り込む事で発症します。この菌は猫では無症状ですが、人では傷口の腫れ、リンパ節の腫れ、発熱、倦怠感、吐き気、関節痛などの症状を引き起こします。
バルトネラ属菌は多くの猫が保有しており、健康な飼い猫でもこの菌を持っている場合もあります。猫に引っ掻かれたり噛まれた後に、数日腫れが引かない場合や、脇などのリンパが腫れてくる場合には、猫ひっかき病に感染している可能性が高いため、皮膚科を受診して猫に噛まれた事を伝えるようにしましょう。
2.トキソプラズマ症
トキソプラズマという寄生虫が原因で感染する病気です。感染した猫の便に触れる事で猫から人へ感染し、症状としては発熱や倦怠感などが見られます。
健康な人であれば無症状で終わる事が多いのですが、免疫力の落ちている人が感染すると発症する事があります。
そして特に注意が必要なのは妊娠中の方で、このトキソプラズマに妊娠中のお母さんが感染してしまうと胎盤を介して胎児にも感染してしまいます。
3.重症熱性血小板減少症(SFTS)
マダニに噛まれることで感染する病気で、人では致死率20〜30%、猫では60%というとても危険な病気です。有効な治療法は見つかっていない事が致死率の高さにつながっていると考えられます。
SFTSに感染すると、発熱、食欲不振、消化器症状、黄疸、神経症状などの症状を引き起こします。また、SFTSは感染した猫に噛まれたり、その猫の血液に触れたりすることでも猫から人、もしくは猫から猫へ感染すると言われています。
このSFTSは近年増加傾向にあり、人や猫の死亡例も実際に起きているため今一番注意が必要な人獣共通感染症です。
4.パスツレラ症
パスツレラ症は猫に噛まれたり、引っ掻かれたり、猫とキスをしたり、猫のくしゃみを浴びたりする事で感染します。パスツレラ菌は猫の口の中にほぼ100%存在する菌です。
健康な人であればこのパスツレラ菌に感染をしても、パスツレラ症を発症する事は極めて少ないですが、高齢の方や病気で免疫力の落ちている方、子供などが猫に噛まれたりする事で発症する事があります。
猫に血が出るほど噛まれた場合は、すぐに病院を受診しましょう。軽傷と思われる場合でも、噛まれたりした後に、発熱やリンパ節の腫れが見られた場合には病院へ行き適切な治療を受ける事が大切です。
︎人獣共通感染症を防ぐために

人獣共通感染症を防ぐための方法として行うと良い対策は以下の通りです。
- 猫とキスをしない
- 猫の便を掃除した後は手をよく洗う
- 猫に噛まれた際はすぐに傷口を洗い、傷が深い場合は病院を受診する
- 猫に噛まれた後に発熱やリンパの腫れなどが見られた場合すぐに病院を受診する
- 猫のダニ予防など適切な予防措置を行う
- 妊婦さんが猫のトイレ掃除をしないよう配慮する、掃除をする場合は手袋を着用する
- 猫を外に出さない
︎まとめ

猫から人へ感染する人獣共通感染症には、身近な接触によって感染するものから、重症化する恐れのあるものまでさまざまな種類があります。猫と暮らしている方はもちろん、普段から猫と触れ合う機会のある方も、こうした感染症について正しく理解しておくことが大切です。
人獣共通感染症の中には、日頃の衛生管理や適切な予防対策によって、感染のリスクを減らせるものもあります。愛猫とのスキンシップを楽しみながらも、手洗いやノミ・マダニの予防など、基本的な対策を忘れないようにしましょう。また、猫に噛まれたり引っ掻かれたりした際には、傷口を適切に処置し、気になる症状があれば早めに医療機関を受診することも大切です。
人獣共通感染症について知ることは、自分自身の健康だけでなく、大切な愛猫を守ることにもつながります。正しい知識を身につけ、日頃から感染予防を意識することで、人も猫も安心して健康に暮らせる環境を整えていきましょう。