猫の『しっぽ』に生じるケガや病気4つ 異常が起きているサインや適切な対処法まで解説

猫の『しっぽ』に生じるケガや病気4つ 異常が起きているサインや適切な対処法まで解説

猫が生きるうえで欠かせない存在であるしっぽ。今回は、『しっぽに生じるケガや病気』を紹介いたします!!あわせて見逃さないためのサインや、対処法についても詳しく解説いたします。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

猫の『しっぽ』に生じる4つのケガや病気

猫のしっぽ

猫同士は、お互いのしっぽの動きを見ればその時々の感情がわかります。また、猫が綱渡りのような動きが得意なのはしっぽでバランスが取れるからです。

このように、猫の日常を支える重要な役割を担うしっぽですが、思いもよらぬアクシデントによって負傷することがあるのです。さらにしっぽ特有の病気もあります。

今回は、猫と暮らす飼い主さんに知っておいてほしい『しっぽに生じるケガや病気』を4つ紹介いたします。後半ではさらに詳しく、しっぽに異常が起きているサインや対処法について解説いたします。

1.骨折・脱臼

猫のしっぽは18個〜24個の尾椎をベースに6種類の筋肉が脇を固め、根元から先端まで細かな神経と血管が通っています。つまり怪我を負うと相当な痛みが走るということです。想像するだけでもゾクッとしますよね。

そんな猫のしっぽに多いケガの1つが骨折と脱臼です。主な原因は、誤って踏んでしまう・ドアに挟まるなどの事故です。

猫が足元にいる際はしっぽの位置にも意識を向けるようにしてください。またドアの開閉時も、注意を払ってくださいね。

骨折による打撃が大きい場合は、歩行や排泄に深刻な後遺症が残る恐れがあります。脱臼も同様に、神経が大きく損傷すると後ろ足に麻痺が残ることがあります。

2.しっぽ引っ張り症候群

先ほど神経損傷の話しをしましたが、しっぽの神経が傷つくケースは他にもあります。

例えば人間が故意にしっぽを引っ張る・強く掴む・高所からの転落で強く打ち付けるなどです。これらのアクシデントによって生じた神経の障害を『しっぽ引っ張り症候群』といいます。

先ほどと同様に後ろ足が麻痺したり、排泄障害が起こる他、しっぽがダランと垂れ下がったままになってしまったり、感覚が鈍くなることがあります。

ちなみに、しっぽのケガが原因で麻痺が起きたり排泄トラブルが生じるのは、しっぽの神経が膀胱や後ろ足の神経とつながっているためです。

くれぐれもしっぽを引っ張らないように気をつけましょう。特に小さなお子様がいるご家庭では注意が必要です。

「(愛猫のお気に入りの場所)を優しく撫で撫でしようね」と促してみてください。しっぽに関しては「見てるだけ〜」とあくまでもポジティブに伝えるようにしてみてください。

ある程度理解ができる年齢のお子様であれば、なぜ引っ張ってはいけないのか詳しく説明してあげると伝わりやすいでしょう。

頭ごなしに「ダメ」と言わずに、猫が喜ぶ距離感や触れ合い方にフォーカスを当ててみると良いでしょう。

3. ケンカによる咬傷・外傷

多頭飼育をしている場合は、動物同士のケンカやじゃれ合いが原因による咬傷や外傷が生じることもあります。

猫同士の小競り合いはもちろんのこと、興奮すると思わず噛んでしまうクセを持つ犬、甘噛みをする月齢の犬との触れ合いにも注意が必要です。

一緒に遊んでいる最中に『ギャーッ』という声をあげたらすぐに様子を見てあげてください。しっぽは毛で覆われてるため、小さな傷の確認は困難です。そのため、アクシデント後は行動の観察を怠らないようにしてください。

普段のようにしっぽを動かそうとしない・しっぽが太くなってくる(腫れがある)・歩き方が不自然になっているなどの異変があれば診察を受けてください。

4.スタッドテイル

スタッドテイルは、しっぽの付け根にある皮脂腺から過剰に皮脂が放出される病気です。未去勢のオス猫に多く、シニア期にかけて症状が出始めるケースがあります。

具体的にはしっぽのベタつき・黒ずみ・毛玉になる(ベタベタした塊ができる)などの症状が現れます。

尚、症状が軽い場合は定期的にシャンプーをすることで対処することが可能ですが、重度になると内服薬や外用薬による治療が必要になります。気になる症状がある場合は、早めに動物病院に相談してください。

これからオス猫を迎えるご家庭で繁殖を望まない場合は、去勢手術を受けさせることで予防することができます。

ちなみに稀なケースではありますが、メス猫でも発症することがあります。

しっぽのSOSサインと対処法

しっぽを畳む猫

猫は非常に我慢強い動物なので、強い痛みが襲ってきても耐えようとする傾向があります。それはしっぽに異変があった場合も同様で、小さな変化は気づきにくいものなのです。

ということで、ここからはしっぽに異常が起きているサインと対処法について紹介いたします。

しきりに舐める

猫は違和感を覚えた場所や痛みのある部位をしきりに舐めることがあります。例えるなら痒い部位を掻きむしったり、痛みのある歯を舌で触れたりする感覚に似ているのかもしれません。

この場合の舐める行為は通常の毛繕いとは異なり、しっぽであれば"しっぽのみ"に執着した舐め方をします。

しっぽばかりを舐めている、あるいは噛むことを繰り返す場合は何らかの異変が起きていると捉えてください。

毛が抜ける・皮膚が赤くなる

しっぽの一部が不自然に禿げていたり、皮膚が赤くなっている場合も何かしらの異変が起きています。

脱毛や赤みは大元となったトラブルが原因でも起こりますが、舐め壊し(しつこく舐め続ける行為)が原因でも起こり得ます。またその2つが悪循環となっているケースもあります。

いずれの場合も諸悪の根源を断ち切らなければ解消しないので、一度診察を受けてください。

尚、もしご自宅にエリザベスカラーがあれば巻いておいてください。舐め壊しや患部の悪化を防ぐことができます。

しっぽが垂れ下がる

これは先ほどの項目でも登場した症状です。骨や筋肉、神経に異常がある場合はしっぽの動き自体に変化が生じます。特に神経の麻痺による可能性がある場合は、ヘルニアなどの疾患の危険性もあるでしょう。

しっぽが不自然に垂れ下がり、動きが見られない場合は診察を受けてください。

触れられることを拒む

元々しっぽは敏感な部位なので、しつこく撫でられることを嫌がる猫は多いです。それでも通常であれば軽く触れることはできます。

問題は激しく拒むケースです。手が近づいた途端、激しく威嚇する・唸る・触れると痛がるなどの異変があれば痛みがあると理解してあげてください。

尿失禁がある

猫はとても綺麗好きな動物なので、基本的には所定の場所(トイレ)以外の場所で粗相をすることはありません。

つまり、粗相をすること自体が不自然な行動なのです。繰り返しになりますが、しっぽの神経を負傷すると排泄トラブルが生じます。

まるでコントロールを失ったような尿失禁が見られる場合は診察を受けてください。

まとめ

診察を受ける猫

しっぽの長さは個体差がありますが、ほとんどの場合はうっかり踏んでしまったり、ドアに挟んでしまうなどのリスクがあります。

しっぽには神経が通っているため、ケガをすれば相当な痛みを伴うでしょう。それでも猫は本能的に痛みを堪えようとします。

しっぽをしきりに舐める・垂れ下がって動かない・歩き方がおかしい・ベタつきや毛玉が増えたなどの異変に気づいたら、かかりつけの動物病院に相談してください。

しっぽのケガは発見が遅れたり、放置したままでは後遺症が残る恐れがあります。健康チェックの一環として、日頃から動きをよく見てあげてください。この情報が皆様のお役に立てれば嬉しいです。

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