思わずゾクッとする『猫の奇妙な行動』3選 何かを感じ取っている?謎めいた仕草の理由とは

思わずゾクッとする『猫の奇妙な行動』3選 何かを感じ取っている?謎めいた仕草の理由とは

むかしから猫の習性や行動は、その背景を知らない人々から不思議に思われ、猫が怪談やオカルトの題材にされてきました。「第六感」や「あの世」と猫たちはつながっているのでしょうか。今回は、ちょっと背中が寒くなるような猫の奇妙な行動を取り上げます。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

思わずゾクッとする猫の奇妙な行動3選

宙を見ている猫

猫のおかしな行動は、気にしていなければなんともないのに、「猫には霊感がある!」なんて聞いた後だと、どこか不気味な感じがしてくることもありますよね。

人から見ると不思議に感じる猫の行動も、実は猫にとっては当たり前の行動だったりするのです。

1.部屋の何もない場所に反応する

毛づくろいしていた猫が突然動きを止めて、部屋の一点をじっと見つめていたり、何もない場所へ向かって鳴いたりすることってありますよね。

名前を呼んでも何の反応もなく、こちらの声がまったく聞こえていないようです。かと思えば、再び毛づくろいに戻ってくるなど、猫が見つめる先に何も見えない私たちにとっては、不思議に感じる行動です。

一見、猫が得体のしれないものを見ているように思えますが、実は「聞いていること」も多いのです。猫の聴覚は動物界の中でもかなり優秀で、特に高い音域をよく聞き取ることができます。猫は、そのかすかな音を聞き取ろうと集中して固まっていることがあるのです。

もちろん、私たちが気づきたくないあの虫を見つけてしまったというケースもあります。確かめるときには慎重に。

2.突然走り回る

家の中で静かにしていた猫が、突然走り出して部屋の中をグルグル駆け回ることがあります。

猫がトイレのあとにダッシュするトイレハイとは違って、思い当たるきっかけが何もないタイミングで駆け出すので、あっけに取られてしまうこともあるでしょう。しかも、運動神経の良い元気な猫ほど、カーテンをよじ登り、床に向かってダイブするなど激しい動きになりがちです。

この行動は、人間から見ると、まるで何かに取り憑かれたかのように見えますが、これは「真空行動」と呼ばれる動物に見られる正常な行動です。

猫には、「生存のために狩りをする」という行動が狩猟本能という形でプログラムされています。しかし、飼い猫のように決まったサイクルで食べ物が与えられる環境では、狩猟欲求がたまりがちになります。すると、スイッチが入ったかのように突然走り出すことがあるのです。

3.人間をじっと観察する

夜中に目が覚めてしまい、ふと部屋を見渡すと猫の目だけがピカッと光っていた経験はありませんか?このような時に限って、ふだんの猫なら足早に近づいてくる猫が、離れた場所から動かず、ただ光る目で凝視してくるだけということも少なくありません。

あるいは、家の中で過ごしていると、猫が少し離れた場所で人形のように動かずじっと見てくることがあります。視線を感じて振り返ると、猫が瞬きもせずに見ていることもあるでしょう。

これらは、猫にとっては状況を確認するための、とても大切な行動です。見えるもの・聞こえるものから、いまの状況を判断してこれまですでに記憶したパターンと照合します。

猫は環境の変化を嫌うといわれますが、これは既に慣れ親しんだ感覚から外れたことは危険だと脳が認識するためです。そのため、猫は飼い主の行動を見て、常に次に起こることを予測しているのです。

猫の奇妙な行動の本当の理由

猫の耳

猫は私たちと同じ空間で暮らしていますが、世界の「感じ方」は人間の知覚を大きく超えています。視力1.5の人と0.1の人の見る世界が違うように、猫と人は聞いている音も見えているものも、ニオっているものさえ感じ方が異なるのです。

たとえば、猫の聴覚では、個体差はあるものの最高10万Hzまで聞こえるといわれています。これは人間には到底聞こえませんが、イルカやコウモリなど一部の動物界では、通常のコミュニケーションに使われる超音波の領域です。人によっては、1万Hzも聞き取れないこともあるため、猫がいかにさまざまな音をキャッチできるのかわかります。

また、猫は人には真っ暗に感じる暗闇でも、スイスイ歩けることは有名です。網膜の裏側にある「タペタム」という反射板が一度目に入った光を再び網膜に吸収させることで、猫は暗闇でもよく見えるのです。これは、暗いところで猫の目が光る理由でもあります。

また、安全なおうちの中で暮らしていても、肉食動物として引き継がれてきた本能的な感覚が消えるわけではありません。おもちゃで遊ぶという行為も狩猟本能からきているもので、その刺激が不足すれば走り出すような真空行動が現れます。周囲の変化にいち早く気付くための観察行動も、いわば狩猟本能の延長にあるのです。

一見すると奇妙な猫の行動は、オカルト的なものではなく現実的な生存のための行動だったのです。

まとめ

真顔で見下ろす猫

猫の奇妙な行動の多くは、「第六感」や「あの世」という言葉を使わなくても、身体的特徴や本能で説明できます。同じ部屋で一緒に過ごしていても、生きている世界は、ちょっと違った角度で体験しているのです。

ただし、同じ猫の行動であっても、状況によって違った意味になることがあります。たとえば、部屋の一点を見つめる行動も、単に寝起きでボーッとしているだけの場合もあれば、高齢猫の認知機能不全(認知症)が原因の場合も考えられます。また、突然走り出す場合も、真空行動ではなく、ノミなどによる激しいかゆみや知覚過敏などの病気が隠れている可能性もあります。

ひとつの行動だけに注目してしまうと、見落としや誤認をしやすくなります。猫の奇妙な行動を見つけたら、日ごろからの行動やボディランゲージなど総合的に見て判断し、不安なときには獣医師に相談するようにしてください。

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